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エイト イヤーズ アゴー
その日は私にとって特別な日だった。前の日の晩はドキドキしてあまり眠れなかったのを覚えている。
「……うん!似合う似合う」
彼が私を見て言った。
「そうかな?」
その言葉に自然と笑顔になる。
「明子にぴったりだね。もっと自信持ちなよ!ほら、撮ってあげるからそこに立って」
私は名前を呼ばれてさらに嬉しくなり、要求通り噴水の前に立つとカメラのシャッター音が鳴った。
あれから、8年も経つ。
滉は元気にしているだろうか。
今日で28歳になっていたはずだった。
でも、滉はもうここにはいない。