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永遠のデスシンフォニー  作者: 楠木 蓮華
第一幕  月光の剣と一握りの勇気
4/9

出会う少年、叫ぶ少年

また期間が空いてしまいましたが、投稿することができました。

それでは四話、『出会う少年、叫ぶ少年』をお楽しみください

「まったく……咲は本当に加減をってものを知らないわね」


誰かを咎めるような、少し相手を弄ろうとしているような雰囲気を感じさせる言い方の声が聞こえる。


「し、仕方ないじゃないですか、だって……あんな声を聞かれるのは恥ずかしいですし」


恥じるような声が聞こえる。これがアニメや漫画なら頬を赤くさせてもじもじしてるな。実際にそうなっているのかはわからないが……気になる。


「それで黙ったり……離れるように言うのではなく……相手の意識を……遮断させるのは……どうかと思います……」


落ち着いた声で先程の女の子の言葉に指摘する声が聞こえる。その声からは咎めるわけでもなく、弄るようでもなく。言うならば……またなのか、と言った感じの呆れた。といったようなそんな感じがした。


と、ここまで冷静に気絶したふりを決め込み、話を少し聞いていたが、さっきの妙にいやらしい感じの声の三人の女の子の声だった。このままガールズトークを聞いているのもいいんだが、正直気が引ける。


しかし、俺は自慢ではないが小心者なのだ。だから周りに三人の女の子がいるだけで起きない理由には十分だ。だから正直な所、また誰も居なくなったところで起きて何食わぬ顔でいたいんだが、そうはいかないだろうか。


「そ、そんな過ぎ去ったことはもういいんですよっ! そんなことより……この人、なかなか起きませんね」


うぐっ……俺に話の矛先が向いてしまった。自分が弄られるのを防ぐために俺を犠牲にしやがったな、この女の子。ここで目を覚ますのは流石にタイミングが遅すぎるし……でもいつまでも起きないのは心配させるかも……


「仕方ないんじゃない? 洗濯機が頭に直撃したら記憶の一つや二つ飛んでても不思議じゃないし」


……え? せ、洗濯機!? 誰だかわからないけど洗濯機投げてきたのか!?


「こ、これには深い理由があるんですよ? だって……恥ずかしい声を聞かれてしまったので、なんとかしなければと思った私は、ふと思いつきました……」


ここで一呼吸おく咲という女の子、俺は息をのみ、どんな答えが出てくるのかを待った。


「ここで聞いたこの人の記憶を消してしまえばなんの問題もないじゃないですか……ということにっ!」


「結局記憶消すつもりだったんじゃねぇか!」


予想の斜め上の回答に俺は思わずツッコンでしまった。ベットから跳ね起きて思いっきり叫んでいた。今更だが俺ってこんなキャラだっただろうか、この姿になってからなんだか変な感じがするが、今はおいておくか。


「ひゃぅっ……ご、ごめんなさいぃ!」


「あっ、起きたわね」


「起きました……ね」


「あっ……」


三人の女の子の視線が俺に突き刺さる。こんなタイミングで起きれば誰でも起きていたことに気づくだろう。そのせいかさっきまで頭を抱えて謝っていた女の子はジト目。もう二人の女の子はあらら……みたいな目で見られていた。


ここで俺が取り得る行動は一つしかないだろう。


「おやすみなさい」


すぐさま布団を頭までかぶり世に言う二度寝をする。イヤーネムイナー。


「起きた方がいいと思うわよ」


「はい……早く……避けないと」


へ? 避ける? なにを? そう思って布団から顔を出してみると……そこには。


「消さなきゃ消さなきゃ消さなきゃ消さなきゃ」


ところどころへこんでいる洗濯機を持ち上げている女の子が一人。完全に危ない雰囲気を纏ってブツブツと呪文のように消さなきゃ、とつぶやき続けていた。


「ま、まてぇーー!! ぐはぁ!?」


その後俺は記憶を消すという目的のもと、起きては洗濯機に叩き潰されるを繰り返した。ちなみにこれは後の二人が止めるまで続いた。正直に言うともうちょっと早く、出来れば2回目をやられる前に止めて欲しかった……



**



『なるほどのぅ……それで連れてくるのが遅くなったわけか』


「ほ、本当にすみません……」


顔を真っ赤にしながら頭を下げる女の子。本当に困ったもんだ。おかげで俺は痛い目にあってしまった、これからはこの子からはちょっと距離をとりたいな……


『で、そこにいるボロ雑巾のような姿になり果てた元美少女が……』


「ボロ雑巾じゃねぇし、美少女でもねぇよ!!」


ここにはこんな人達ばっかりなんだろうか、目覚めたらおかしな奴らばかりの場所に放り出されるとかこれなんてクソゲー……と、嘆いてる場合じゃなったな。


「……っていうか、いきなり目が覚めたらこんなところにいて良く分からないんだが……」


「うむ……そのことは後で話そう。まずはお主のことをワシらに教えてくれないかのぅ?」


そう俺が言うとまた学園長室に放送が入る。この古風な声の主は未だに姿を現してはいない、学園長室というくらいだから学園長なのだろうが、顔を出さないのはなんでなんだろうか。


「俺は九葉蓮。歳は14、こんな見た目だけど性別は男だ」


この瞬間、空気が凍った。え……なに? なにこれ、何が起こった? 俺なにかしたのか?


「お、おと……男……殿方なんですか?」


「へぇ~……こんなに可愛いのに」


「はじめて見た……」


三者三様の反応を見せる三人。確かにこの姿で男って言われたら誰だって驚くだろうな、かくゆう俺も驚くだろうし。初めて見たっていうのが少し気になるけど。


「じ、じゃあ……私は殿方にあんな恥ずかしい声を聞かれて……はぅぅぅ」


頭から煙を出しながらその場に倒れ込む女の子、さっきから忙しい子だな。


「あ、倒れた」


「恥ずかしかったんだろうから……もう……頬っておこう……」


『そうじゃな』


もう二人もついに放置して、学園長も同意してしまった。真面目そうな子なのに可哀想だと倒れている女の子を見ながらそう思ってしまった。


「まぁ……俺は自己紹介したんだ。今度はそっちの番だ」


「は~~い、私はクロフィール・キスラツスよ。歳は貴方と同じ14歳よ。よろしくね?」


クロフィール・キスラツスと言った女の子は紅の髪をワンサイドアップにし、その何者をも誘惑するようなマロウ色の瞳を輝かせていた。ちなみに少しはだけている制服とスカート見えるガーターベルトに目が惹かれてしまうのは男として仕方ないだろう。


「はは~ん……いいわよ? ちょっとだけなら……ふふっ」


少しスカートをめくるクロフィール・キスラツスさん……って


「み、見たいけど駄目だろ!? クロフィール・キスラツスさんっ!」


「本音が漏れてるわよ? ……後、フルネームじゃなくていいわ、気軽にクロって呼んで?」


「あ、あぁ……了解、クロ」


クロはえっちでけしからんな。誘惑に惑わされないようにしないと……。と、心の中で決心した俺であった。


「今度は……私です……唯楓小雪……どよろしくおねがいします。 歳は……クロちゃんと同じ……です」


ぺこりと頭を下げてくる女の子。ミッドナイトブルーの髪の毛をそのままストレートにしていて、無表情の顔が印象的だった。制服はしっかりと着こなして黒色のタイツを履いている。それでもって一番めを引いたのが首についている首輪のようなもの……まさか、そういう趣味が……。


「はい……? あっ……これは……趣味とかじゃない……ですよ?」


「う、うんっ! そうだよね、そうだと思ってたよっ、唯楓さん!」


「なら……いいです」


ごめんなさい、少し趣味だと思ってたよ。でもこれは俺、墓まで持っていくから、約束するから……と、誓ったのだった。


「それでそこで倒れてるのが……」


「ん……はっ!? ゆ、幽桜寺咲です! 歳は皆さんと同じです! よろしくおねがいしますねっ」


「あ、起きたわね」


「起きた……」


「よんでいたみたいなタイミングで起きたな幽桜寺さんは」


「あっ……その……私のことも呼び捨てで……」


そういいながら顔を赤らめる幽桜寺さん、恥ずかしいなら別に無理に呼び捨てにする必要ないのに……と、思ったものの言われたからには言わないわけにはいかないな。


「あぁ、よろしく頼むよ。咲」


「はぅ……殿方に呼び捨てにされちゃいましたぁ」


軽くヘブン状態になっている咲。シアン色のツーサイドアップな髪を揺らしながらコバルトグリーンの瞳を揺らしながら悶えている。制服は綺麗に来ていてニーソを履いている。これといって目立ったものはないものの……服装以外でいうなら胸だろうか。すごく大きいです、はい。


『各々の自己紹介はすんだみたいじゃのう』


「まだ学園長の自己紹介を聞いてないんだが……」


『それはまた後でするわい』


「学園長……」


すっ、と唯楓さんが手を挙げる。


『なんじゃ、唯楓?』


「まだもう一人……自己紹介してない……です」


『あぁ~~……瑞乃は用事があるとかで今は外出中じゃよ。どうせいつものようにアイスクリーム巡りでもしておるのじゃろうよ』


瑞乃……もう一人いるのか。と、そう思った時俺はふと疑問になったことを聞いてみることにした。


「なぁ……」


『ん? なんじゃ?』


「ここはどこなのかまだわかってないのと、ここにいる三人しか人を見てないんだが、他の人はどこにいるんだ?」


『ここは少し高い丘にある学園じゃよ』


「あぁ……なるほど、学校なんだな。 じゃあ、ほかの生徒はどこだ?」


『ふむ……ここにはワシとそこにいる三人、後は瑞乃と担任一人しかおらんよ』


「……は? ……」


俺は自分の耳を疑った。どうせ冗談なんだろうと思いながらも質の悪い冗談だと自分の中で自己完結をしようとしてところで、スピーカーから一呼吸する音が聞こえ……


『残念じゃがこれは冗談でもなんでもないぞ?』


「へ……?」


『しかもワシを含めて全員おなごじゃよ。よかったのぅ、世に言うハーレムというやつじゃ。リア充じゃのぅ! サイコーじゃのぅ!』


……なんなのだろうか、男としてはすごく嬉しいのだが、なんとも言えないこの感覚は……取り敢えず俺は衝動に任せて口を開き言うことにした。


「なんじゃそりゃあーー!!」


ここで叫んだ俺は絶対に悪くないだろう……



**



ーー少女達と少年は出会い、言葉を交わすーー


ーーこれから奏でていく未来も知らずにーー


ーーそして少年は力を知りーー


ーー敵を知るだろうーー








今回も読んでいただきありがとうございます。


少ないながらもお気に入りやブックマークがつくことはとても励みになりますね。毎日それを見ながらニヤニヤしています。

って、これでは怪しい人になってしまいますね。


今度からは人気のないところでニヤニヤすることにします。


次回はまた不定期になります。なるべく間を開けないようにしようと思っています。


それではまた次回もよろしくお願いします。

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