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永遠のデスシンフォニー  作者: 楠木 蓮華
第一幕  月光の剣と一握りの勇気
1/9

九葉蓮は元ブサイクである

新しい話を心機一転して書くことになりました。


今回は今までとは違ってファンタジーありの、悲しい物語に挑戦していきたいと思います。


私がつい最近思った出来事を題材にしているので、少し暗めになると思いますが、もちろん、日常描写や、楽しい描写も入れていくつもりです


それでは、ゆっくりしていってくださいね

俺、九葉蓮はブサイクである。


なんでこんなことをいうのか……。それはさっき鏡を見て自分の姿に現実を見てしまったからだ。なんの特徴もないメガネに、ポッチャリしている顔と体。荒れている肌に、覇気のない表情。


これはもう……末期ではないだろうか。


これでは彼女はできるわけが無いし、それどころかバイトの面接に落とされるのも、たぶんこれが原因なんじゃないんだろうか。


こんな自分を変えたいとは思ったことはある。だがそう簡単に変えられるものではないだろう。ダイエットも正直続かなかった。バイトの面接だってやる気に満ちていたわけではない。逆にやる気のなさがにじみ出ていただろう。


はっきり言ってしまうと、俺は元からこんな感じだったわけじゃない。小さい頃は痩せていたし、無邪気で明るい子供だった。……のだが、中学生になったあたりから、ストレスを感じることが多くなり、こうなってしまったのだ。


世の中が悪いんだ……っと言ってもどうしようもないので、俺はもう諦めてしまっている。もともと頭もいいほうではなかったし、運動神経がいいわけでもない。


生まれながらの負け組だったわけだ。


ハハッ……そう考えると笑えてくる。生まれる前から勝ち組と負け組で決まっていたんだとしたら、どんなにがんばっても勝ち組にはなれないってことじゃないか。


どこの無理ゲーだよ。


ここまでの話でわかると思うが、俺は社会的弱者なのだ。学校で嫌いな人とすれ違うと反射的に距離をとって目を逸らしてしまう。自分よりもその人が上だと判断すると自動的に作り笑顔を浮かべてしまう。


自分でも流石にへこむ……


と、こんな感じで自分のダメさ加減を振り返っていたわけだが、そうしている間にも自分の心のHPががりがり削られている。もうやってられない……誰か俺に優しくしてくれ。


さてと……いつまでも愚痴っていてもなにも変わらないのでとにかく寝ることにする。寝てこのモヤモヤを忘れるにしよう、そうしよう。


この世界から逃げるように俺はベットに潜り込んだ。毛布と掛け布団を深くかぶり膝を抱えて丸まる。この頃はいつもこう眠っている。布団という殻に閉じこもるように……世界を……世の中を拒絶するかのように。


俺はゆっくりと瞼を閉じて、夢の中に沈んでいった。


それは……冬の雪が溶け始め、春の風を感じ始めた……そんな季節の時だった。



**



世田谷区が入ってしまうんじゃないかというくらいの大きい敷地の学園があった。その学園は柵に囲まれ、入口は一つしかない。その出で立ちは遊園地を彷彿とさせた。


その校舎の一段と豪華な部屋に二人の女性がいた。片方は豪華な椅子に座りながら机に肘をついている。その姿は女性というよりも少女であるが、その体から溢れるオーラは歴戦の戦士を思わせる。


もう一人は表情が引き締まった、いかにも堅物そうな女性だった。この女性も放つオーラは只者ではない。



「学園長……私は反対です。この名誉ある学園を共学にするなど……私達の大切な生徒がなにをされるか……」


堅物そうな女性は重々しい口調で責めるように言う。


「カカッ……お主は心配症じゃな。大丈夫じゃよ、連れてくる男はあやつが決めるようだしのう」


愉快そうに笑い、言葉を受け流す少女に見える女性。


「あの子……ですか。あの人を本当に信用していいんですか? 正直……私は信用できません」


「まぁ……完全に信用できるわけではないがのう。 ワシらは信用するしかないんじゃよ。 この状況ではな」


「はい……わかっています」


悔しそうに歯を食い縛る女性。重々しい雰囲気の中、外から金属音が響く。


「どうやら、始まったようじゃのう」


「はい、先程入った連絡によると……レベルⅠだそうです」


「カカッ……それなら心配は無用じゃのう」


「ですが……この頃高レベルなものも増えているので、心配ではありますね…」


「そうじゃのう……」


少女に見える女性は窓から外を見て、ため息をつく。そして窓に近づきゆっくりと呟いた。


「なにが目的なのかは知らんが……この世界を壊すというのなら容赦はせぬぞ……バケモノめ」


目を閉じ、ゆっくりと開けて空を睨みつけた。



**


カーテンから射し込む光に目を覚ます。


どうやらもう朝のようだ。


少し布団の中でもぞもぞする。この季節の布団は魔性の魅力があると思うのはきっと俺だけではないはずだ。本当にこの布団のもふもふ具合は逆らえない。ちょうどいい温かさも癖になる。本当に……布団は人間をダメにすると思う。


いいぞ、もっとやれ。


流石にこのままでは学校に遅刻してしまうから、布団から起き上がる。ふらふらとしてしまうのはまだ眠いからだろう。その時……手になにかが当たった。


「ん……?」


手をふと見る……あれ? 俺の手ってこんなに細くて白かったか? そんなことはありえないよな……丸っこい手だったし、日焼けとかして茶色かった筈なんだが……


それから、ふと……頭から肩……背中にかけて違和感があることに気がついた。なにかボリュームのあるものだ。この違和感の正体を確かめるために、そっと肩に手を伸ばす。


「っ!?」


この感触は……髪…だよな?でも俺の髪ってこんなに長かったか? いや、そんなわけないよな……俺の髪は肩にもかからないくらいだったのに……。


俺は急いで洗面所に向かった。この時もいつもよりも体が軽い感じがしていたが、この時の俺はそれに気づく余裕もないくらいにパニックになっていた。


いつもよりも細くて白い手、長い髪と思われるもの。


「はぁ……はぁ……はぁ……ふぅ……」


洗面所についた後、洗面台に手をついて走って乱れた呼吸を落ち着かせる。それからゆっくりと目線をあげる。


するとそこには………適度に細く、白っぽい肌……雪のように白く腰まで伸びた髪……そして、セルリアンブルーの瞳……。


そこには世の中で言う……美少女……というものがそこにはいた。


「な、な………、なんだよこれーー!?」


この時の俺は何も知らない。ただただ、今の状況に流されているだけだった。これから始まる……日常とはかけ離れた……そんな物語に。



**



電柱のてっぺんに人影があった。


「えへへっ……これからはじまるんだよ♪ お兄さんの……物語が……ねっ♪」


その少女は不敵な笑みを浮かべながら、愉快そうに彼を見ていた。その姿はまるで……全てを見通す神のように……



**



ーー昔……一人の人間が未来を予知したーー


ーーしかしそれは……やってはならない禁忌ーー


ーーその人間は裁かれ……この世を去ったーー


ーー後、その未来を綴った一冊の本が発見されたというーー


ーーその本の序章にはこう書かれていたーー


ーー『神の導きにより……戦士が選定され……血に染まるだろう……と』……とーー




第一話終了ですね


今回は主人公視点と、第三者視点を多用しましたが、わかりにくくなかったでしょうか


わかりにくかったり、もっとこうしてほしいということがありましたら、いっていただけると嬉しいです


次の投稿は私情もあり、遅くなる可能性があります。申し訳ございません。


最後に見てくださった皆さんは、ありがとうございました

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