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悪魔の襲来、司(つかさ)の選択

突然、けたたましいサイレンが建物内に鳴り響いた。

俺は、その時風呂も入り終わってもう寝ようかと思っていたところだったのだが、そうもいかなくなってしまった。

「はーーー、まじかよーー・・・・。」

俺はがくんと肩を落とすと、パジャマから着替えるために、机をよけてクローゼットへと向かう。

身体こそまだ起きているものの、気持ちは既にぐっすりだった俺は、見た目はもはやがらくたにしか見えないクローゼットを開け、中から赤を基本色とする戦闘服を取り出すと、急いで着替えを始めた。

そのさなかに、再びサイレンが鳴り響く。

「戦闘員の方は、小隊ごとに格納庫に。役員の方々は、会議室に行くように支給お願いします。」

という放送付きでだ。

俺は、第5小隊だからおそらく第2格納庫に行けばいいはずである。

着替えを終えると、パジャマをその場に脱ぎ捨てたままにして、俺は部屋の扉を空けて廊下へと出た。


「よう!賢治!!」

廊下に出たところで、ふと声をかけられた。

パッと左を振り向くと、そこには(つかさ)がいた。

藤見(ふじみ) (つかさ)。俺の同期であり、親友でもある。陽気でのんきな奴だ。

「ああ、なんだ司か・・・。」

俺がわざと盛大にため息をつくと、「なんだとはなんだよ」と、司が笑いながら返してきた。

「にしても、こんな時間に召集とかさ、ひどくね?」と司。

「まあな・・・。もう今10時だもんな・・・・。」

俺は、左につけた腕時計を見て呟く。

「ホントに何の用だってんだよなーー。」

司は、そう言っているが俺にはだいたい想像がついている。

「それはたぶん・・・・」

そう俺が言いかけた時、「あなたたち、早くしなさい。しゃべっている暇はなくてよ。」

そういいながら、丁度俺たちの左側から一人の女性が歩いてきていた。

俺は突然のことに驚きながらも、「あ、えっと、分かりました。急ぎます。」となんとか返事をした。

そんな俺とは対照的にそばで、「えっ、なんだなんだ?」とあわてる司。

仕方なく俺が、「後ろ向いてみろよ。」というと、やっと状況を理解したらしい司は「すいませんでした!!」と声を張り上げて謝った。

「いいから、はやく行きなさい。」

その声が若干怒っているようにも感じられたので、俺たちは急いで身体をひるがえすと、「はい!」と声をそろえて言ったのちに駆け出した。


第二格納庫は、俺の部屋からはさほど遠くなく走ったせいもあって2分足らずで到着した。

ぎーーっと、扉を開けるとひんやりとした空気が肌にしみて、思わずぶるっと身震いしてしまう。

格納庫内はてっきりもう人でいっぱいかと思っていたが、案外そんな事もなかった。

100人ほど収容できる格納庫内に、人は60人程度だろうか。

だがそんな中でも誰一人しゃべろうとはせず、中は静まり返っていた。

コツン、コツンと俺たちの足音が、水面に落ちた一滴のしずくのように、静かな空間に浸透していく。

俺たちは、入り口から一番遠いところにある木の椅子に座ったものの、何もしゃべる気にはなれず二人してずっと黙って過ごし続けた。


それからしばらく経って、木のいすの冷たさにもそろそろ慣れてきたかなというころ、水面に大きな石が投げ込まれた。

「えーー。戦闘員の諸君。お待たせした。」

明らかにマイクを通しているであろうその声は、静寂な空間に慣れつつあった俺の耳をこれでもかというぐらい刺激した。

顔を上げて周りを見わたしても、声の主の姿は全く見受けられず、俺と同じようにして辺りを見回す奴らが目に入ってくるだけだった。

おそらく、会議室から放送をしているのだろう。

「えーー。諸君に集まってもらったのは、ついにここにもあの悪魔どもが押し寄せてきたからである。」

格納庫内が少しざわめいたが、それをかき消すようにマイクの声がたたみかけてくる。

「よって、今現在この周辺は「特別警戒区域」に指定されている。すなわち君たち戦闘員の出番、という わけである。」

「まもなく各格納庫に、役員を派遣し詳しい内容を説明する。それまでは、各自その場で待機するように。以上である。」

「・・・・・・・・・・。」

放送が終わってしばらくは誰もなにもしゃべらなかった。

しかし、「おいおいまじかよ・・・・。」と誰かが言い出したのをきっかけに、周りがざわめき始めた。


やっぱりそういうことか・・・・。予想していた通りっちゃ通りなんだがな・・・・。

俺が自分の世界にこもっていると、「なあ、俺たちあの悪魔と戦うんだよな・・・・。」と急に司に声をかけられた。

えっ、と思いふととなりを見ると司が座ってうつむいたままブルブルと、小刻みに震えていた。

もしかして、司・・戦うのが怖いのか?

俺は直感的にそう思った。

俺だってあの悪魔と戦うのは、実のところすごく怖いのだ。

つまりいくら司といえども、そう感じていてもおかしくないはずだ。

「怖い」なんていう感情は訓練兵時代にとっくに克服していると思ったんだがな・・・・。

どうもそう簡単にはいかないみたいだ。


だが、現実の司は俺とは違った。

「悪魔たちと戦うのが怖いのか?」

俺が少しおちゃらけた感じで言うと、「そんなわけねーだろ」という答えが返ってきた。

俺は最初は強がっているな、と思ったのだが、横を向きいつの間にか顔を上げていた司の目をまじかで見たとき、違う、こいつはマジで怖いから体が震えてるんじゃないんだ、と思い直した。

俺は、人生で初めてこれほど強く意志の座った眼を見た気がした。

それほどまでに、司の目には真っ赤な炎が宿っていた。

じゃあ、何でこいつはこんなに身体を震わせているんだ?

武者震いなのかもしれないな。なんて思いながら「なあ、司・・・・」と言いかけたとき、ぎーーっと、扉が開く音がして、俺はのどまで来ていた言葉を飲み込むと、反射的に扉のほうを向いた。


扉の前には、どこかで見覚えのある人が立っていた。

というよりついさっき廊下で「早くいくように」と俺たちに言った人だった。

どうやら司もきずいたようで、「あ、あの人、さっきの人じゃねーか。」なんて俺に言ってきた。

「ああ確かにそうだな。」と、俺は司に適当に返事をすると座っていたいすからスッと立ち上がった。

長い間座っていたせいか、お尻が変にむずむずする。

少し遅れて、隣で司も立ち上がった。

先ほど格納庫に入ってきた女の人は、俺たち全員が立ち上がったのを見ると、「戦闘員の皆様。ご準備はよろしくて?」というと、つかつかと真ん中のほうに歩いてきた。

「・・・・・・・・・・。」

この女性を除く格納庫にいる全員が、彼女の一つ一つの動作を注意深く見ていた。

そんな中、彼女は丁度格納庫の真ん中あたりで立ち止まると、「では、まず自己紹介から・・・・。」

ここで彼女は1呼吸おき、「わたくしは斑鳩 理子。第4小隊から第6小隊の総司令官です。以後お見知りおきを。」と軽くお辞儀をしながら言った。

そんなに大きな声でもなかったのだが、とても張りのある聞き取りやすい、いい声であった。



どうも、雅弘と申します。

いま中学3年生です。

受験生の身なので、かける時間も限られてきますが、できるだけ早く書けるようにはしたいなーーと、思っております。

もし読んでくださったのなら、ぜひぜひ感想や、評価をください!!

参考にさせていただきます!!!

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