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おまけ.とある少女のカラチュー日記。

  3月○日

 やった! 鳥ノ宮高校に合格したわ!

 4月から学校帰りに毎日カラオケが出来るなんて、嬉しい!

 もうお母さんやお兄ちゃんに「カラオケ行きすぎ。もう行くな」とか言われずこっそりと行けるわ!

 でも、電車を乗り換えていかなくちゃいけないところだから、知り合い少ないだろうなぁ。心配なことは、今のところそれくらい。


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  4月×日

 今日は始業式でした。

 有栖ちゃんという友だちが出来ました。

 そして、柄川昇君という、好きな人も出来ました。

 あれだけ楽しみだったカラオケに、行けませんでした。


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  4月□日

 柄川君の好きなところを書きたいと思います。

 まずは優しいところ。彼は数学が得意みたいで、いつも問題をサラサラ解いています。

 そして、解き終わった後もぐだぐだするのではなく、他の人に教えてあげているのです。

 彼と一番の仲良しの空君に、よく教えてあげてるみたい。

 彼らと自分は小学校から一緒なのだ、と有栖ちゃんが言ってました。良いなぁ。

 次に真面目なところ。彼はいつも制服を校則通りに着て、時間もしっかり守っています。

 しかもそれがガチガチな真面目でないのが素敵です。さりげなさ、というのかしら?

 彼は昔から遅刻もサボりもしたことがないのだ、と有栖ちゃんが言っていました。カラオケを理由に遅刻したことがある私とは大違いだわ!

 そして、彼はいつも眼鏡をかけているのですが……外した時の顔が、とても、かっこいいのです。

 私が彼を好きになったきっかけです。

 始業式の日、私は遅刻しかけていて、教室まで全力疾走していました。入学式のスピーチの事前練習もあると聞いていたので、とても焦っていたのです。

 教室の扉を勢いよく開けて最初に映りこんだのは、私の足音に気がついて廊下に出ようとしていた柄川君でした。その時、彼のことを思い切り頭突きしてしまい、彼が後ろに倒れた拍子に眼鏡が外れたのです。

 慌てて眼鏡を拾って渡そうとしたら、彼と目が合いました。眼鏡をかけているということは、視力が良くないのでしょう。彼はじっと私を見ていました。私も、彼の顔を見つめてしまいました。これは所謂一目惚れというものなのでしょうか。ずっと胸がドキドキしてて、苦しくなりました。

 あら。いつの間にか、せっかく購入した三年日記の今日の分が、三年全部埋まってしまいそうです。あとの二年分の今日は、大人しくカラオケだけしようかしら。


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  6月△日

 とんでもないことが起こりました。

 なんと、なんと。あの柄川君とカラオケに行きました! いつものお店で!

 最初はお互いが同じ中毒だと思っていて、私が無理やり彼を放課後カラオケに誘いました。

 でも、彼は唐揚げ中毒だったのです! 確かにお弁当いつも唐揚げいっぱいだったなとか思いましたが、なんたる失態! 私は何も言えないでいました。

 しかし、そこで彼は「唐揚げ食べない?」と声をかけてくれて、中華料理屋さんが今日から始めた新サービス“カラオケ店『TGY』さんに何でもお届けしちゃうぞっ☆サービス”を利用して、なんと『TGY』さんに唐揚げを配達してもらっちゃったのです! これなら、私たちそれぞれのカラチューを解決出来ます。彼も気まずかったはずなのに……。ここまで気を利かせてくれるなんて、やっぱり柄川君はとても素敵な人です! ますます惚れちゃいます!

 その後は二人で六時間がっつり歌いつつ唐揚げを食べました。あんなに楽しい日は今までありませんでした。それに、唐揚げもとっても美味しかったです。カリカリの衣が、ジューシーな肉汁を生み出す鶏肉と見事にマッチしていました。それにそれに! 柄川君の歌声もとってもかっこよかったです!

 やだ! いつにも増して文章がおかしいことになってます。これボールペンで書いているから消せないのが恥ずかしくなっちゃいますね。この日記が家族にバレてしまわないよう、鍵をかけてしまおうかしら。そうすれば、鍵を破壊する人以外には内緒にできますね! 

 ……これから、柄川君ともっと仲良くなれますように。


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  10月X日

 今日の放課後は、昇君と有栖ちゃん、空君、それから最近話すようになった方と一緒にカラオケ唐揚げ。こうしてカラオケと唐揚げで親交を深めることが出来るなんて、やっぱりカラオケと唐揚げって素敵!

 それから、昇君に週末の予定を聞かれました。これは……もしかしてもしかするのでしょうか! もしで、で……dateということになるのだったら、どんな服装をすればいいんでしょう? 明日、有栖ちゃんに相談してみようかしら。

 明日も、今日のように素敵な日になりますように。


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10月Y日
















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END




以上、おまけ話でした~。

読んでいただき、ありがとうございました!

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