第3話 100人乗っても大丈夫?
「どうしてこうなった……」
あれから美幼女の親に会いに行ったのだが、予想に反して問題なくコンタクトに成功した。
というかコボルトはおとなでも人懐っこくて子供っぽい性格のようだ。これが俺の前世の日本なら即警察とか呼ばれるのだが。
まあそれはいいんだが、コボルトの巣って体育館並みにデカイ家に一族全員で住んでるのよ。
だから美幼女の親に会ったって事は一族全員に会うってことで。
当然好奇心旺盛なガキんちょどもに包囲された挙句、危険がないとわかったらけさぶろうに乗ってくるわ張り付いてくるわ。
そういう訳で、ただいまガキんちょどもを限界まで乗せたまま草原をドライブ中です。
「にいちゃ、もっとはやく~」
「はやくはやく」
「まーだー?」
「きゃっきゃっ」
「えへへ~」
「あーぶないぞー、落ちたらやばいし……」
とか言っても聞かないんだよね、子供らは。
スピードだして落ちて怪我させたらと思うと内心冷や汗ものですよ……
そんなこんなで一時間ほどゆっくりドライブにつきあってやった。
はたから見ると、毛玉状のオート三輪が走っているのはさぞ異様だったろう。
「メディっていうんだな。君のなまえ」
「うんっ、お兄ちゃんは?」
「俺はここの言葉だと……、そうだな、リオンってのが一番近いかな」
「じゃあ、りおにーー」
「メディ~~~~~~」
「りおにーーーーーーーーーーーーー♪」
メディに飛びつかれて、抱きつかれた。
慌てて、落ちないように両手で保持する。
(か、かわええええええっーーー)
捨てられた子犬のようなどこか哀愁を含んだまなざしで、小さい紅葉のような手を使って必死で俺にしがみついてくる。
よく日本でお父さんが小さな娘を抱き歩くような感じに左手で保持しなおしてやって、右手の指で軽く額の辺りの毛を撫ですかしてやると、赤ちゃんが今にも寝落ちしそうな淋しそうな風に目を細めて、うつらうつらと気持ちよさそうにしている。
柔らかく俺に寄りかかってくるメディからはお日様のにおいがした。
そうしてしばらく天国気分を満喫していると横から不意に話しかけられる。
「メディ~、後一時間ほどで村に出かけるからはやめに着替えてきなさい~」
「は~い」
「ごめんなさい。メディがめいわくかけて」
「あ、リオンって呼んでください。迷惑だなんてとんでもない」
「リオンさんですか、じゃ僕もテフィって呼んでください」
「わかりました!」
「リオンさん、さっきは乗り物に乗せてくださってありがとうございます。楽しかったですよ!」
(ちょっ、メディのお父さん、いやテフィさん、あんたもけさぶろうに乗ってたのかよっ!!!)
そうそう、コボルト族について軽く神様バッジで調べていたのだが、平均寿命が12~13年という非常に短命な種族であることがわかった。
コボルト族の成人であるメディのお父さんの年齢も高くて10歳程度だと思うので、僕とかの子供言葉を使っているのもうなずける。
(10年ちょっとしか生きられないのか)
そうわかると……物悲しいな。
「じゃあメディはドレスにお着替えかな。俺はそこの木陰ででも待ってることにするよ」
「うんっ、待っててね!」
樹に寄りかかって他のコボルトの子供たちと適当に和んでいると、不意に神様バッジが断続的な振動をしはじめる。
(ん?、メールか、誰だろ? 爺さんかな)
1、2話と違い、3話から少し書き方を変えました。
比較的一般的な書き方にしたんですが、これって文才の少ない自分には少し手間がかかるんですよね。
今までだと口語体メインで、
・会話は「」
・心象は()
・状況は不自然さを無視してぶっきらぼうに事実を書く。
この書き方はメリットとしては気楽にかけるので精神的な負担が減ります。更新がしやすく停滞しにくい。
デメリットとしては()が多いので軽く見られてしまい、一般的な文体に拘る人にはウケがわるい点です。
今の書き方ですが、
・会話は「」
・心象のうち、強調したいものを()
・心象と状況を適度に組みあわせて書いていく。
メリットとしては普通に読めること。
デメリットとしては文を整えるのに時間がかかる。良いものを書こうとして精神的に負担がかかる。
結果的に小説家になろうの多くの作家と同じように更新が遅くなり、そのうちやる気も薄れて更新停止になりやすい。
所詮習作ですので、後でスタイルが決まってきたらそれに統一しようかと思います。
それはそうとコボルト族についての作者の持つイメージですが、
文中にもあるFF11のタルタルとパンドラサーガのラピンの中間っぽいものです。
知らない人はgoogleとかで画像検索してみるとイメージがつかめると思います。