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足跡  作者: 大窟凱人


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6/8

痩せサプリ

 仕事のストレスによるラーメンどか食いコーラ爆飲みによって俺は体重百キロの巨体である。


 こんなデブだと健康的にも対外的にもつらい。太ることの千倍、痩せるのは難しい。悩んでいたある日、あるサプリをネットで見つけた。これを飲めば痩せるらしい。しかもめちゃ売れてる。アメリカで研究中のやせ薬か? 俺は飛びついた。


 体重は見事に落ちた。食っても食っても太らないのだ。


 我慢しないでダイエット成功なんて! 俺は遠慮なく喰い続けた。




 数カ月後、体重は六十五キロになった。周囲からの評価も上がり、筋トレもやるようになった。社員たちからの蔑んだような視線が減った気がする。


 世は大ルッキズム時代だ! イケメン王に俺はなる!


 バカみたいなことを思えるほど精神状態は良くなった。ところがある日の勤務中……。


「うっ!?」


 突然吐き気がした。


 さすがに喰いすぎてしまったか。


「おっぷ!」


 トイレに――間に合わない。


 オフィスで盛大に吐いてしまった。しかし、出てきたのは吐瀉物ではなかった。


 粘液でベチャベチャの大きなミミズのようなものだった。


「お……ご……」


 ミミズはどんどん口から伸びていき、オフィスの床にぐちゃぐちゃに積みあがる。数メートルどころの長さではない。社員たちは叫んでいた。


 そしてついにミミズは腹からすべて出切った。


 こんなものが腹に納まって……?


 巨大ミミズはさらに動きつづける。ミミズの先っぽには顔がついていた。無感情な人間みたいな顔。それが起き上がる。蠢きだす。


 ミミズの身体からは、足のようなものも生えてきた。トランスフォームでもしているのか。ムカデのびっしり生えそろった足みたいだ。


 そのあまりにもおぞましいものは、キョロキョロと周囲を見渡すと、手当たり次第に社員たちを喰い始めた。ひとり、またひとりと人面ミミズムカデに喰われていく。楽しそうにいたぶりながら。


「あ……ああ……」


 人面ミミズムカデはあらかた社員たちを喰い終わると、俺の方を見た。


 あのサプリは、こいつの卵だったのだろう。


 てことは、一応、産みの親じゃないか?


「なあ、助け――」


 俺は人面ミミズムカデに左腕を喰われた。


 絶叫すると、無機質な人面がかすかに笑った。

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