表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足跡  作者: 大窟凱人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/5

闇のプレイリスト

 アプリで好みに合った曲を自動再生させながら仕事をしていたら、気になる曲が流れてきた。


「良いなこれ」


 どれどれ。「torime」知らないバンドだ。新しい人たちかな。女性ボーカルか。ジャケットもセンスいい。私は彼らの曲をお気に入りのプレイリストに追加した。 




 それから、私はtorimeにドハマりした。プレイリストはすべて入れ替わり、一日中聞いても疲れないどころか力が漲ってくる。新しいCMのコンペも勝ち取ったし絶好調。しかし、彼らの曲をクライアントに提案したら却下された。耳が腐ってんのか。


 もう彼らなしでは生きていけない。ライブに行きたいしグッズも欲しいし売り上げにも貢献したい。全財産渡したい。できれば結婚してほしい。だが、彼らの情報は公表されていない。素晴らしい音楽を聞かせてもらってるのに、お役に立てていないなんて。私は罪深い。




 そんな時。アプリを経由して彼らが肉声を発信した。




「1月20日にライブやります! 遊びに来てね!」


 歓喜。その場で踊り狂った。しかも同じファンがたくさんいるのか!


 私はマッハで有休を取り、仕事を片づけ、引継ぎを完璧に終わらせた。




 ライブ当日。


 100人規模のライブハウスだが、満員だった。みんないい顔をしている。


 胸を高鳴かせながら彼らの登場を待った。


 そして――。


「みんな! 来てくれてありがとう!」


 彼女はそう高らかに宣言した。生のtorimeはもはや神。私は泣いた。


 演奏が始まった。デジタル音源を聞くのとは違う生音が私の魂を揺らす。


 この時間が永遠に続けばいい。


「いいねみんな! いい感じ! それじゃあ行くよー!」


 彼女はそう言い、ステージ上から飛び降りてファンの一人にかぶりついた。


 血が大量に噴き出てライブハウスに赤い雨が撒き散らされる。




 おお、神が! ファンたちを喰い始めた!




 腕が、頭が、内臓が、手が、足が、目が、鼻が、歯が。人間のあらゆる部位が神たちに食い荒らされ、舞った。狂乱の演出! 


 最高だ……一心同体になれるなんて!


 ボーカルの彼女と視線が合った。ついに私の番。


 ああ、その口、目、牙、爪、翼。やはりあなたは神だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ