14話 100名様
昼下がりのバーガーキングコング。
油の音。
鉄板の焼ける匂い。
いつもと変わらない、平和な店内。
「……」
こすりはカウンターで、トレイを拭いていた。
バイトにも少し慣れ、
動きもぎこちなさは減っている。
「次、ポテトLでーす」
「はーい」
声を出す。
普通の仕事。
普通の日。
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――ピロリン♪
ドアベル。
「いらっしゃいませー!」
反射で言った、その瞬間。
こすりは、凍りついた。
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白い。
細身で、
全身に血管のようなヒビ模様。
無表情。
白いマンイーターが、
堂々と店内に立っていた。
「……アレノ……」
喉が、ぎこちなく動く。
「……ドコ……」
意味を成さない言葉。
店内が、一瞬で静まる。
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「……無礼ぃぃ!!」
こすりは即座に叫んだ。
「バナナシェイクお待たせしましたぁ!」
バシャァッ!!
無礼がバナナシェイクを
白いマンイーターの顔面にぶちまけた。
「……?」
白いやつは、無反応。
無礼は腹を抱えて笑う。
「ぶははは!!」
次の瞬間。
さらに無礼の拳が、顔面に叩き込まれる。
――ガンッ!!
白いマンイーターは、
ガラスを突き破って外へ吹っ飛んだ。
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無礼は腕をポキポキ鳴らしながら、
外へ出る。
「さぁて」
「今回も一方的にイジメちゃうよー」
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外。
そこには――
白いマンイーター。
100体以上。
ずらりと、無言で並んでいた。
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「……あ」
無礼は一瞬だけ考えてから、
「お待ちの100名様どうぞー」
と、言ならがら
顔面に膝蹴り。
――バキッ!!
目の前の一体の顔面が潰れる。
そこから――
乱闘が始まった。
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無礼は、ひたすら食う。
腕を掴み。
噛み千切り。
投げ飛ばす。
「もぐ」
「もぐもぐ」
白い体が、次々と倒れていく。
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その頃、店内。
「なにやってんのよあいつ!!」
「アルティメット呼べ!!」
「裏口からお客さん避難!!」
バイト達は大混乱。
誰も――
こすりがいなくなったことに、
まだ気づいていなかった。
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外。
無礼は、ふと動きを止める。
「……あー」
腹を押さえる。
「ちょっと……食いすぎたかも」
満腹。
動きが、わずかに鈍る。
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その瞬間。
白いマンイーターたちの様子が変わる。
距離を取る。
回り込む。
同時に、襲う。
「……あ?」
爪が、無礼の脇腹を裂いた。
「……っ」
血。
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無礼は、戦いながら違和感を覚える。
(……なんか)
(なんかいるぞ)
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次の瞬間。
空気が、歪む。
理解する前に――
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ゴッッッ!!!!
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強烈な一撃。
無礼の体が吹き飛び、
壁に叩きつけられる。
地面を転がり、
血が飛び散る。
ボヤける視界の中
何かがこっちを見ているのはわかった
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「……あ」
白目を剥き。
無礼は、その場に倒れた。
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白いマンイーターたちは、
それを囲むように立つ。
そして。
こすりは、もう――
どこにもいなかった。
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第十四話・完
次回もお楽しみに!




