7月第4週 政治・経済重大ニュースベスト5【衆参過半数割れ タイ・カンボジア 国連 留学生 トランプ関税妥結】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
どうぞご覧ください。
第5位 『タイ カンボジア 武力衝突 合計30人以上死亡 鎮静化兆し見えず』
NHK7月26日の記事より、
『タイとカンボジアの国境地帯で続く両国の軍による武力衝突は3日目となり、これまでに双方であわせて30人以上が死亡しています。停戦に向けた動きも出ていますが事態の鎮静化の兆しは見えていません。
タイとカンボジアが領有権を争う国境地帯では、24日以降両国の軍の武力衝突が続いていてタイ軍によりますと、26日朝も、国境からおよそ100キロ離れた地域で、カンボジア側から攻撃があったということです。
タイの保健省などは、これまでに地元住民など20人が死亡し、30人以上がけがをしたとしています。
また、タイ軍は25日夜、国境地帯の一部の地域に戒厳令を発令し、軍に治安維持に必要な権限が与えられたということです。
一方、カンボジアの国防省は、タイ側からの攻撃で、これまでに民間人8人と兵士5人のあわせて13人が死亡し、数十人がけがをしたと発表しました。
こうしたなか、国連の安全保障理事会で25日、非公開の緊急会合が開かれたあとカンボジアの国連大使は「無条件での即時停戦と紛争の平和的解決を求めた」と明らかにしました。
一方、タイ政府の代表は「民間施設に対して行われた無差別かつ非人道的な攻撃を最も強いことばで非難する」としたうえで、2国間の交渉を呼びかけたと発表しました。
各国からは、両国に最大限の自制と外交的解決を求める声があがるなど、停戦に向けた動きも出ていますが事態の鎮静化の兆しは見えていません。』
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2008年にユネスコがプレアヴィヒア寺院を世界遺産に登録2008年から2013年にかけて、プレアヴィヒア寺院遺跡周辺の土地の帰属をめぐって衝突するなど何度も衝突があったようです。
カンボジアの領有権を認めた2013年の国際司法裁判所判決により終息したものの、
タクシン元首相がカンボジアのフン・セン前首相とタイ湾内の重複海域の開発に関する密約を結んでいたとの噂や、
25年5月28日にも、タイ=カンボジア国境付近で両国軍部隊による銃撃戦があり1人死亡するなど紛争が再燃していました。
今回は、5月よりもより大規模な紛争となり、現時点で13万人が避難、30人以上が死傷という状況になっています。
タイとカンボジアが争うことで日本に直接大きな影響があるとは思えませんが、やはりこの地域は中国の伸長が気になるところです。
これを機に中国が南シナ海を掠め取る可能性があると思っています。
第4位 『国連一部機能の東京誘致、訪米中の小池百合子都知事がグテレス事務総長に提案「様々なサポートしたい」』
読売新聞7月25日の記事より、
『訪米中の東京都の小池百合子知事は24日、ニューヨークの国連本部を訪れ、アントニオ・グテレス事務総長と会談した。小池氏は会談後、国連の一部機能の都内への誘致を提案したことを記者団に明らかにした。グテレス氏からは具体的な回答はなかった模様だ。
会談は約15分間にわたって行われた。小池氏は誘致について「東京でも(国連に)様々なサポートをしたい」と述べたうえで、「安全性、安心性、それから今、円安もあって生活にもプラス面がある」などと東京の利点を説明した。これに対し、グテレス氏は「各国、各地から協力の申し出がある」と述べ、具体的な言及は避けたという。
国連では現在、職員の人員削減や組織再編が検討されており、拠点の一部をケニアの首都ナイロビに移す案も浮上している。』
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国連はただの「お飾り」であり世界の紛争解決に全く役に立っていないことは、ロシア・ウクライナやイスラエル・パレスチナなどを見ても明白です。
そんな「完全オワコン機関」の一つが移転しても日本には何のプラスにもならないでしょう。
むしろ負担ばかりが増えてマイナスです。
一部の利権団体が潤うだけでしょう。
東京都の「国際都市のイメージ」という別に無くてもいいもののために余計な負担を増やす必要はありません。
ケニアのナイロビに全部お譲りしたいです。
第3位 『大学の留学生受け入れ上限緩和へ “国際競争力向上を” 文科省』
NHK7月26日の記事より、
『国際競争力を高めるため文部科学省は、要件を満たした場合に大学が留学生を受け入れる上限を緩和する方針を決めました。
文部科学省は、大学の規模などに応じて留学生を含む学生の受け入れに上限を設け、これを超えた場合、補助金を削減するなどの罰則を設けています。
しかし、国際競争力を高めるため、従来よりも留学生が受け入れられるように上限を緩和する方針を決めました。
具体的には、大学から申請を受け付け、留学生の管理体制などが適切であるかを審査し、認められれば学部の受け入れの上限を5%引き上げられるとしています。
引き上げが認められた大学も、多様な地域から適切に留学生を受け入れているか確認するということです。
文部科学省は、この秋にも大学からの申請を受け付け、来年度からの運用開始を目指すとしています。
文部科学省は「海外の優秀な留学生を受け入れることで、学生にもグローバルな対応力を身に付けてもらい、大学の成長につなげてもらいたい」としています。』
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外国人留学生の方を受け容れたからと言って国際競争力が高まるわけではありません。
むしろ、中国の方を筆頭として国防動員法などにより本国に持ち帰る「産業スパイ」である可能性も否めないわけです。
受け容れる前に絶対条件として「産業スパイ」を防止するための制度設計、処罰体系を明確でわかりやすく「スパイ防止法」などで定めるべきでしょう。
それよりも先に優秀な日本人の方を漏れなく良い大学に入り、研究者として活躍できるような土台作り(現状、院卒でも就職先に困っている状況もある)をしていく必要があるように思います。
これができないのは、文部科学省が現状の少子化の状況でも「天下り先」として大学の数を少しでも残したいという願望が見え隠れしており、「利権」がこの国を歪めて、国益を破壊している最たる例の一つだと思います。
別に拒絶したいのではなく、わざわざこっちが外国人の方の授業料補補助又は免除してまで受け容れる必要があるのか? と問題提起したいのです。
第1位 『参議院選挙、自民・公明大敗で過半数割れ 衆参両院ともに少数与党』
日本経済新聞7月21日の記事より、
『第27回参院選が20日、投開票された。自民、公明両党は50議席を下回り、非改選を含めて参院全体で過半数を割るのが確実になった。自民党を中心とした政権が衆参両院でともに過半数を割り込むのは1955年の結党以来初めて。政権運営は一段と不安定になる。
今回の参院選は改選定数124(選挙区74、比例代表50)だった。東京選挙区で非改選の欠員1を補充する「合併選挙」を実施し、計125議席を争った。
自民が52、公明が14の計66の改選議席を持つ。自民は40以下、公明は1桁の議席の獲得にとどまる見通しとなった。非改選の75を合わせても参院全体の過半数125に届かない。
石破茂首相は20日夜、米関税交渉を理由にあげて続投する意向を示した。テレビ朝日番組で「比較第1党の議席をもらったことの重さもよく自覚しなければいけない」と述べた。続投すると受け止めてよいかと問われ「けっこうだ」と答えた。
国民民主党は改選4から4倍に増えた。非改選の5議席を合わせて21議席以上を確保し、参院で予算を伴う法案を単独で提出することが可能になる。
参政党は改選1から2桁の議席に拡大した。非改選1と合わせて15議席に達した。参院で予算を伴わない法案を単独で提出することが可能になる。
共同通信社の出口調査によると、30代以下のおよそ2割ずつが比例代表で国民民主と参政にそれぞれ投票した。
立民は改選22から伸び悩んだ。政権批判票が割れた。改選定数2の茨城選挙区では参政に議席を奪われた。
日本維新の会は目標だった改選6を上回った。共産党は改選7から減らした。れいわ新選組は改選2から上積みした。日本保守党は2議席、社民党は1議席を確保した。
チームみらいは比例代表で初の議席を獲得し、安野貴博党首が当選を決めた。』
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去年の9月から始めたこの企画ですが、どちらも歴史に残るほどの出来事であるために「初の同率1位」という結果とさせていただきます。
参議院選挙の結果、結党以来初の「衆参ともに過半数割れ」という事態でありながら「国難」を理由に石破総理は続投をそのご宣言しました。
本来であれば2連続国政選挙で国民から拒否された政権はすぐさま不信任提出となりそうです。
しかし、野党第一党の立憲民主党も議席を伸ばせなかったことから、不信任提出と可決の見通しは全く立っていません(今、解散総選挙になれば立憲民主党の議席が減る可能性が高いため)。
自民党内で「石破降ろし」が成立しなければ意外にも石破首相がこの状況下においても居座ってしまう可能性すらあるのです。
国民民主党は「手取りが増えることの現実性」、参政党は「外国人問題に対する問題提起」をすることに成功し、それぞれ13議席増と大躍進しました。
既存の大政党には誰も期待したおらず、新しい風を吹かせたいという国民の願いが投票率58%と自民党結党以来初の衆参過半数割れに繋がりました。
この民意が反映されるような国会や政治情勢になることを切に願います。
第1位 『合意内容、認識にずれ 米側、不満なら方針転換も 関税交渉』
時事通信7月26日の記事より、
『日米両政府が合意した関税交渉で、早くも双方の認識のずれが表面化してきた。
互いの合意内容を記した文書がないため、米国側と日本側の説明には食い違いが目立ち、15%になる相互関税の適用日すらあいまいなまま。突然、米側が方針を転換し、再び不確実性が高まる懸念がある。
「米国の防衛装備品を毎年数十億ドル追加購入する」「米国産米の輸入を直ちに75%増やす」。米ホワイトハウスは合意翌日の現地時間23日、相互関税を下げる代わりに日本が受け入れたとする内容を発表した。
だが日本側の説明では、防衛装備品の購入は今回の交渉で新たに合意したものではなく、政府の既存計画に含まれている。コメについてもトランプ米大統領は「日本が米国に市場を開放した。コメさえも含まれる」とアピールしたが、日本側は「(市場開放は)誤解」(小泉進次郎農林水産相)と反論。年約77万トンのミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内で米国産の輸入割合を増やす可能性は認める一方、米側が言う75%という数値が正しいかどうかは言及を避けている。
米側は日本が米ボーイング社の航空機100機の購入や最大5500億ドル(約80兆円)の「対米投資」も承諾したと発表。だが、航空機の購入数は既に日本航空やANAホールディングスなどが決定済みの機数を積み上げたもの。5500億ドルも、あくまで対米投資をする企業に対して政府系金融機関が行う融資や融資保証などの枠にすぎない。
関税の適用日についても、日本側は相互関税が25%に上がる予定だった8月1日と想定しているが、明文化はされていない。
トランプ氏は「下手につつくと、怒りで翻意し得る」(政府関係者)とされる人物。合意内容を巡って公の場で米側の認識を否定してしまえば、同氏を刺激し、再び日本に強硬な要求を突きつけてくる可能性もある。ベセント米財務長官は米テレビで「トランプ氏が不満であれば、自動車を含む日本製品すべてに25%の関税を再び適用する」と述べ、四半期ごとに日本の履行状況を検証する考えも示した。』
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日本の行く末を決めかねない「関税交渉」の中身は深刻です。
関税合意が週明けになされたものの、細かい内容が出てくれば来るほど、
「国益を守れなかった」「朝貢外交だった」ことが明白になっています。
25%が15%に下がることで2兆円日本に利益をもたらし、0.3%GDPは改善するそうですが、アメリカの半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、人工知能、量子などに「投資(90%アメリカ利益)」をするようで、それ以上に貢ぐことは火を見るより明らかです。
更に四半期ごとに見直しを行い、トランプ大統領の意に添わなければ25%に戻るとまで言われています。
これなら25%で受け容れて、代わりの輸出先を増やすために他の国と交渉した方がまだマシでした(できないでしょうけど、トランプ氏が提言していた非関税障壁である消費税の廃止で10%下がって終わらせることの方がよっぽどよかったです)。
敢えて文章で交わさなかったことも、交渉の正式妥結までの間「石破首相が少しでも延命したかったため」であり、トランプ大統領は好き勝手に言っている(赤沢大臣が思い込んでいただけの可能性もありますけど)状態です。
石破首相の続投理由の一つとして「災害」を挙げたことから、理論的に可能である限り居座るつもりでしょう。
個人の地位の保全のために国益を損ね続ける本当に歴史に残る総理大臣だと思います(自民党解体まで行ってくれれば“必要経費”だと思いますけどそこまではいかないでしょうから)。
いかがでしたでしょうか?
今週のツートップは日本の歴史や経済史にも残るような超ビッグニュースでした。ただ、これが最終的にプラスになるかどうかは国民全体で厳しく政治家を監視し、評価していく必要があるでしょう。