エピソード31 国外外交官大集合。外交の渦中へ
食堂の一角に、五か国の外交官たちが集まった。
黒髪短髪で真面目なフリードリヒ、陽気なリアナ、豪快なヨハン、神秘的なセリーヌ、そして自由奔放なアジズ。
彼らはそれぞれの国柄が出て、微妙に空気が張りつめる。
「……さて、各国の代表がそろいましたな」
フリードリヒが低い声で切り出す。
「こうして一堂に会するのは初めてだな。まずは自己紹介からだろうか」
リアナがにっこり笑いながら、親しげに話しかける。
「皆さんこんにちは! 私はセレナ連邦のリアナよ。みんなと一緒に研究できるの楽しみ!」
アジズは腰に手を当て、のんびりと笑った。
「わしはサハラ連邦のアジズじゃ。自由な魔術をこよなく愛しておるぞ」
ヨハンは豪快に笑いながら腕を組む。
「ノルド王国のヨハンだ。剣と魔術、どっちもできる奴は男の憧れだな!」
セリーヌは静かに微笑み、銀の長髪をなびかせた。
「エルフ連邦のセリーヌ。魔術は知識の深淵。よろしくお願いするわ」
彼らの自己紹介が終わると、フリードリヒが真面目に言った。
「それぞれの国は理念が異なる。協力には調整が必要だ」
リアナが手を合わせて笑う。
「でもみんながいれば、きっとうまくいくわ!」
一同が顔を見合わせる中、私はクロワッサンをかじりながら言った。
「うーん、みんなちょっと堅苦しいけど、私もよろしくねー」
その一言に、外交官たちは一瞬言葉を失う。
アジズが笑いをこらえきれず、
「こいつは本当に面白い奴じゃな!」
ヨハンも大声で笑い、
「確かにな!」
セリーヌは目を細めて静かに笑い、
「これが……リヴィアさんの魅力なのかもしれないわね」
リアナは明るく手を振って、
「これから一緒に色んなことを学び合いましょう!」
フリードリヒは真面目な顔のまま、
「……まあ、まずは仕事として、協力を」
そんなわけで、私は外交官たちの期待と戸惑いを背負いながらも、相変わらずクロワッサン片手に交流を楽しむのだった。
(外交って、思ったより悪くないかも?)




