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優しい悪役令嬢の殺し方?~何度も生まれ変わり婚約破棄、断罪、死罪ルートになる悪役令嬢は考える。性悪妹に陥れられる人生ばかりか…では今度はこうしてみましょうか。

作者: 故

「あ、またですか」


 私、ルートガルドは思い出した。

 これで悪役令嬢、婚約破棄、断罪、死罪ルートがなんと5回目であることを……。


 あ、こんにちは、悪役令嬢のルートです。

 ルートガルドでルートって……。


 私はこれで5回目、生まれかわっても17歳で死罪になる運命であるということをなんと、婚約破棄、断罪、牢屋に入ったところで思い出しました。


 笑い話ですかこれ。


 一度目は、確か王太子の婚約者に選ばれた公爵令嬢でした。今は伯爵令嬢なので、地位は昔のほうが上ですね。

 そしてこの時は王太子様にあこがれていた、仲が悪い性悪妹が嫉妬に狂い、私は彼女に陥れられ、浮気の罪をでっちあげられ、王太子に讒言され、なぜか証拠もなしに最初の死罪を迎えました。

 婚約破棄断罪、死罪ルートの確定です。


 私はやり直したいかと主神オーディン様に言われて、人生のやり直しを希望しました。

 今度は性悪妹がいない平民の一人っ子を希望しました。希望を一つしかきけないなんてケチな神様です。


 そして二度目、私は平民のパン屋の一人娘に生まれ変わりました、平凡な人生をおくれると思いました。

 しかし何をどうなったのか、王太子様に見染められ、妾ルートになるはずが、側妃というやつですね。

 今度は前の人生の私ポジションにいたご令嬢に讒言され、なぜか浮気を疑われ、今度は断罪、死罪ルートになりましたね。

 婚約破棄はなしか……でもこれも17歳でした。


 私はやり直したいかと主神オーディン様に言われて、人生のやり直しを希望しました。

 今度は男性に転生を希望しました。ええ、これで平穏に……。


 三度目は男性でした。公爵令息で、一人っ子、少しサービスしてくれたのか……。

 なのでこれでと思いましたら……ええ、なぜかその手の道の人の王太子様に好かれまして、私は側にあがることになり、これ以上は追及をやめておきます。

 しかしやはりお取り巻きのひとりに陥れられ、浮気を讒言され、お決まりルートです。

 これも17歳。


 私はやり直したいかと主神オーディン様に言われて、人生のやり直しを希望しました。

 今度はええ、女性で王女を希望しました。王女なら讒言されないかなと……。


 四度目はある王国の王女、ああこれで大丈夫のはずが……戦乱に巻き込まれましてね、なぜか……ええそうですよ、そこでなんとか助かったのです。しかし戦勝国の王に側妃にと差し出され、そして正妃からの讒言、断罪、死罪ルートでした。これも17歳。


 割と幅はあるのですよね。婚約破棄をすっ飛ばしとか。


 私はやり直したいかと主神オーディン様に言われて、人生のやり直しを希望しました。

 ええ、今度は同じパターンを希望しました、1度目と、だってあれが私のはじまりというか躓きの始まり、なら最初からやり直したら……と思いまして。

 

 五度目です、伯爵令嬢ルートガルドは王太子様の婚約者に選ばれました。もれなく性悪妹が嫉妬しましたね。最初と同じ、降り出しに戻る。ええ、記憶を戻れば……いえ、今度は牢屋の中で思い出しましたよ。

 前は殺される寸前なので、まだ幸運か。


「……またか」


 牢屋で座り込み私は考えます。パターンは同じ、私は17歳で殺される。

 今は16歳で、17歳は明日、じゃあ明日殺されるのかと。


 それならせめて優しく殺されたいな~と。

 首をこうちょ……とかばかりだったので、首はちょっととおもったのです。


「苦しくないのなら、うーん……」


 いややり直したいのなら、ここから逆転もとか考えないといけませんが、もう疲れ果ててまして、なら死んで今度は転生を無しにしてもらおうと思いまして。

 楽に死にたいなと思ったのです。そして……。




「殺されるなら凍死がいいですわ!」


「はい?」


「一番眠るように死ねると聞いたので、フェンリル地方のエミール山に連れてってそこで死罪でお願いします!」


「それは無理だろう!」


 いや一晩考えて、王太子様のところに引き出されて、死罪の前に希望はあるかと聞かれたので答えました。

 却下されましたが……。


「では薬です。毒薬ではなく、睡眠薬を大量に飲んで死にたいです!」


「はあ?」


「まだ楽かなと……」


「……」


 一生懸命考えて考えて、楽そうな殺され方を提案して、却下をくらいましたわ……そして。




『また来たのか、前よりは年齢が……』


『はい、今度は27歳です』


『運命軸が少し動いたか……』


『はいなぜか……』


 主神オーディン様のもとに死んで召されたのは今度は27歳でした。

 優しい殺し方をしてくれとの私の提案で、気が狂ったと思われ、死罪は中止、塔に一生幽閉となり、27歳で病気になって放っておかれて病死しました。

 なかなかまだまえよりはましでしたわね。

 そして……今度は性悪妹を道連れにしましたわ、塔でいろいろ考えて行動を起こし、彼女を王太子様から婚約破棄させ、断罪、死罪ルートに導いたのです。

 どうもあれが今回の転機かもですわ。だいぶ長生きできましたもの。


『今度はどうする?』


『希望が見えてきたので、また生まれ変わりを希望しますわ』


 私の転生には一つの希望があることを主神オーディン様に聞きました。

 真実私を愛し、愛される人が現れれば呪いが解けると、最初の人生で私がかけられた呪いだそうです。


 ……今度こそ、死罪にならない人生を希望いたします。



読了ありがとうございました。

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