でたっ! 愛姫子、究極魔法炸裂!!
(この少女の何処にこんな力があるのだ……)
魔界の英雄・須頃は圧倒的力を持って屠るつもりでいたが、今は逆に愛姫子の技を受け止めきり、考えを改めていた。
奇しくも得意な属性までもが同じ炎であり、燃え盛る愛姫子の炎と魔界の黒炎とが激しくせめぎ合う壮絶な戦いとなった。
「チッ! どうなってんのよアイツの身体は!」
愛姫子は自信満々で放った己の技を防がれ悪態をついた。
そしてそれは心眼の腕輪の言った通り、一撃必殺で相手を圧倒することでしか決しない戦いでもあった。
「愛姫子ちゃんの必殺技を受け止めた!? 」
「ラヴチューンとの一戦、あの時も最後、自らが編み出した新必殺技で勝利を得た」
「じゃあ今回もそれと同じ展開になるってことか?」
「じゃろうな。愛姫子はもう究極魔法を体得している。烈火爆流斬が防がれた今、それを打たねば敗けは必定」
アシガルと心眼の腕輪の会話を聞きながら魔軍幹部らは戦いの行方を見守った。
「ガンバレ、愛姫ちゃん……」
そして心配そうに親友の戦いを見詰める美菓子を何故かオモチとシンは凝視しているのであった。
「ほほぅ。なかなかやりますねぇ。データの収集も完了しましたよ須頃、そろそろ決着といきましょうか」
いつしか己の命を懸けた戦いとなっている今、五明に指図されることに苛立ちを覚えた須頃だが、頃合いを見計らっていたのも事実であり、何人たりとも生き残ることの出来ない必殺の一撃の構えをした。
「愛姫子といったな? 天晴れな戦い振りであった。殺すのは惜しいが武人の情け、最後は痛みを伴わずキレイに沈めてやろう」
「ハンッ! いつまでも上から目線で言ってんじゃないわよ! こっちもいくわよっ」
壮絶な戦いを締め括るために互いが一撃を繰り出す。
「死ねぃ! 宇宙大爆発!!」
(実践で使うのは初めて……けどやらなきゃやられる!!)
愛姫子は瞬時に判断を降すと、須頃が放った宇宙大爆発を一度ブレイズガードで受け止め、すぐに後方へと下がり、両腕を交差して精神統一。
ブレイズガードを飲み込みさらに攻め寄せる須頃の必殺の一撃が目の前まで来た、その時だ。
「究極魔法! 流星開花!!」
空から降り注ぐ数多の流星群は須頃が放った宇宙大爆発を撲殺するかのように消し去り、須頃目掛けて降り注いだ。
「なんのこれしきっ!」
しかし須頃も魔鋼の盾を押し出し、耐ショック耐防御の姿勢に転じた。
「はぁぁぁぁーー!! 花開け! 紅の流星ぇぇ!!」
無数の隕石は須頃を取り囲むと一斉に開花したかのように宇宙大爆発を遥かに凌ぐ熱量で須頃に命中した。
「のわぁぁぁ!!」
須頃は驚きを禁じ得なかった。かつてこれ程までに死に直面したことがあっただろうか。己の奥義を相殺され、そして今、敗北という名の死がそこまで迫っていた。
だが、あろうことか愛姫子は流星開花を途中で止めた。
「ハァハァハァハァ…………勝負はついたわよね?」
寸でのところで生き長らえた須頃は全身に大火傷を負いながらも、
「あぁ……俺の敗けだ……」
そう言って倒れた。
それと同時に五明の人を食ったような笑みが消え失せ、真顔で魔界の英雄を倒してのけた愛姫子を憎悪を込めて睨みつけるのであった。
「あ、あれが究極魔法!? スゲェ威力!! もう無敵じゃん、愛姫子ちゃーん!!」
走り寄るアシガルに爽やかな笑顔で答えた愛姫子であったが、文字通りの満身創痍、究極魔法を唱えた反動はやはり大き過ぎたか、力なく崩れ、いつの間にか獣人変化も解けていた。
「だ、大丈夫か? 愛姫子ちゃん!」
「大丈夫よ……ぶっつけ本番だったから、まだ勝手がわからないだけよ」
それは強がりだと知りつつも感動に堪えない表情で愛姫子を極々自然に包容していくアシガル。
バチンッ
「いったいなぁ! 何すんすかぁ!」
「勝手にあたしを抱いて匂いをかいで、ついでに太もも触ってんじゃないわよっ!」
感動は一瞬にしてセクハラ成敗の図に変わり、それを持ってアシガル陣営の二勝目となったわけである。
(あぁ久しぶりの愛姫子ちゃんの感触ぅ! フェロモンヤバイよヤバイよぉ!!)
つづく
萬しくお願いします!




