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ひっぺがし作戦!?

愛姫子と美菓子はアシガルの無事を確認すると、氷雨が深く傷付いていることに気付き、怒りを露にした。


「やってくれんじゃない! あんた誰よっ」

「氷雨お姉様、大丈夫なんですかぁ?」

駆け寄る美菓子にオモチは、

「大丈夫。身命を賭して死なせはしない」


オモチはそう言ってマキとインラバと共に蘇生に入った。



「あなた方が伝説のスズキさんとサトウさんですか。思ったより()()そうですねぇ」


またぞろ笑みを浮かべた五明に怒り浸透の美菓子は対峙すると言った。

「絶対に許さないから!」


愛姫子は五明という名の獲物を取られたかのように沈黙の戦艦、須頃(すごろ)に照準を合わせた。


「美菓子ぉ、ヒサ姉の仇は任せたわよ!」

「…………愛姫子ちゃーん! まだ死んでないってばっ!」

久々に愛姫子に突っ込んだアシガルであったが、三対二の構図に言い知れぬ不安を募らせた。




そして連携よろしく、その不安を払拭するかのようにマキが提案する。

「いくら伝説の二人でも五明とその配下二名相手では厳しいわ。ここは私達幹部の中から一人選抜しましょう」


その提案に一同は謎の試練を経て、この場で随一の実力を発揮したアッパレに視線を向けたが、

「俺は相当ダメージをおった……妖精達のお陰で少しは持ち直したが……やはりここは海鬼将(かいぎしょう)ラヴチューン殿が適任と思うが? どうか!」



その言葉に張り切ったのは言うまでもなくラヴチューンだ。

「そうね、一応はオルドラン様とバルザーク様と肩を並べたあたししかないっしょ!」


(出たっ魔軍版愛姫子ちゃん!)

アシガルはそう思ってクスッと笑った。


「そうだね。アッパレを除けばラヴちゃん一択よね」

マタタキの言葉にそれぞれは相槌を打って、傷付きながらもそれぞれが個性豊かな己の力をラヴチューンに届け始めた。



「ワシの剛力を!」

「私の知恵を!」

「アタイのスピードを!」

「俺の剣技を!!」

「わ、私の魅惑を!」


魅惑はともかくそれぞれの力が注入されたラヴチューンは出力最大、一触即発の場へと躍り出た。

しかし、その魅惑が一番重要であっかのだが。



「愛姫子、美菓子! あたしも参戦するわよっ」

「じゃあ、あんたはあの女の子、頼んだわよ!」

「ラヴチューンさん、よろしくねっ」


今やアシガルの仲間とばかりに三人は五明らと対峙した。


「三対三ですか。余興に充分! まずは直江(すぐえ)! わかってますね? 出来るだけ相手の能力を引き出しなさい」


静かに頷いた直江はラヴチューンと睨み合い、ラヴチューンは特大の剣を、直江は杖を持って対峙した。




「あの首飾りだ。あの三人から何とかひっぺがしたいところだが……」

「本当にあの首飾りの効力で圧倒的な強さを発揮してんのかよ?」

「ウム……己の魔力を増幅させる装置か、あるいは無限に魔力を供給できるとか……おそらくはその類いの代物だ」



アシガルと心眼の腕輪の会話を聞いていたアッパレとインラバは互いの顔を見合うと視線をそのまま使い魔二人に向けた。


「だったらいい方法がある! なぁピューロ」

「ミューロちゃん! 出番ですわよ!」



使い魔二人にとって、異次元の戦闘が繰り広げられているその場で、隅っこで静かにそっとしておいてほしかったに違いない。が、



「あの首飾りをひっぺがす! 出来るな? ピューロ?」

「あなたの優秀なところを見せてちょうだい!」


仕えるご主人様に懇願されては逃げている場合ではないと一つ目を凛々しく、立ち上がる二使い魔なのであった。



(愛姫子、美菓子! それにラヴチューン、聞こえるか。これから五明らが提げている首飾りのひっぺがし作戦を行う。その首飾りがその三人を飛躍的に強くしていると我は睨んだ。よってひっぺがし作戦が成功の後、一気に方を付ける。よいか)



脳裏に心眼の腕輪からのテレパシーが届いた三人は相手にバレないように必殺の気合いだけは保ちつつ、その時を待つのであった。



「アシガル、わかっているな? ひっぺがし作戦の後のことを」

「わかってるよ! 相当貯まってるぜ、俺の煩悩!」


聞き手によっては犯罪ものの台詞を吐いたアシガルは久々に愛姫子の美尻と美菓子の巨乳を堪能し、腕には氷雨のしなやかなボディを納め、つまみにラヴチューンの太ももさえも拝むのであった。



(爆発寸前! もう興奮しっぱなし!!)



つづく




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