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装備しちゃうよ! サトウさん!

「美菓子ぉー! そっちはどう??」

自信のお気に入りの格好となった愛姫子は、店の最奥で何かとにらめっこでもするかのように格闘する控えめなお姫様を視線に入れた。


「えっ? もしかしてあの娘も自分の職業を知らない口か?」

驚いたマスターはアシガルを見たが、アシガルにはマスターの気持ちが痛い程わかっていた。


何故ならば、何を買うかも考えなしに鍛冶屋を訪れる者は皆無だからだ。


「じ、実はあっちの娘も職業不定なんすわぁ……ハハハ……」

「そんなことあるのかよ!? えっ? もしかしてあの娘も召喚したとか?」


アシガルは一級の名の元に尊大にして立派な人格者のように声を低く答えた。

「そうです」


「おいおい、そんなん見たことも聞いたこともねーぞ! あんたらはいったい……」


流石は奇跡のパーティー。ってことでいいのだろか。


というか同じ制服姿なのだから察してくれていたのだと信じきっていたアシガルは()()()()の訳も知らなかったが、とにかくそういうことだと押し切った。


俄然、鍛冶屋魂を見せたのはマスターだ。

「だったら……その杖を差してある中にビビッとくる物はないか!?」


言われた杖の群が生息する方面へと遠征した美菓子は両手を口に当て、さも国宝級の宝石でも発見したかのような大仰な身振りで小さく叫んだ。


「こ、こここここれは……これはなんですか!?」

店内を信じられない速度で美菓子の元へとダッシュしたマスターは、ワナワナしながらも美菓子に問い質したものだ。


「あ、あんたはそれが欲しいのか?」

「あ、いや……愛姫ちゃんみたいに光って見えたんですけど、これはやっぱり杖ですよね??」


可愛くチョコンとしゃがんでいた美菓子は確かに己の武器を見付けたかのようだった。

しかしそれが何なのか判断しかねる仕草だ。


額に脂汗を滲ませ、血圧も上昇し、今にも血管が破裂しそうですよと言わんばかりの形相のマスターだが、やはりここでも親切にも熱のこもった講釈で()()の説明をしてくれた。



「それはなぁまさにハイブリッドな画期的な武器さ……しかしそれに見合う能力を秘めた職業者が現れなかったのさ……」


珍しくアシガルも愛姫子も真面目な顔で美菓子が気になっている代物を観察した。


「あんたらいったい何者だ? 一つのパーティーにお師匠さんが造った武具を所望する人間が二人もいるなんて……」



アシガル、愛姫子、美菓子はトライアングルとなって互いにはてなマークを作っては互いにそれを投げ合うばかりであった。




つづく

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