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続・五明、無双!

ラヴチューン・マキ姉妹、そしてマタタキは文字通り赤子の手を(ひね)るが如く魔界の頭脳と(うた)われた五明にあしらわれ、今その仇を討つかのようにアッパレが五明と対峙していた。



「グムム……勝負はどうなったのだ……」

シンとの壮絶な戦いの末、両者相討ちとなり気絶していたゴウワンは、脳震盪(のうしんとう)の後遺症からか頭を振りつつ現状を把握しようと辺りを見回した。


「気が付いた? ゴウワン」

そんなゴウワンに話かけたのはインラバだ。彼女は吹き飛ばされ、大地に叩きつけられた仲間を回収し、ゴウワンの横に列べた。



「こ、これは!? いったい……」

「あいつらよ、マキちゃん達をやったのは……」

インラバは鋭い視線を空に向け、ゴウワンもまたどす黒い上空を見上げた。


インラバは気絶していたゴウワンに事の経緯をザッと話し、今度はアッパレが挑むのだと伝えた。

「ピューロ、ミューロ、マキちゃん達を頼んだわよ!」

「えっ? インラバ様はどうするんですか?」


「決まってるでしょ! アッパレと一緒に仇を取るに」

しかしその顔に余裕はなく、一筋の汗が確認できた。



「はいはい、さぁさっさと済ませましょう」

小馬鹿にしたように言った五明にアシガル宅から奪取した剣をヒュルリと抜いたアッパレは遊歴の成果を発揮すべく、鋭い打ち込みで五明に攻撃の隙を与えなかった。



そうこうしているうちに、先にやられた三人は意識を取り戻しピューロとミューロに介護される形でアッパレと五明の戦いを見守った。



「ラヴチューン殿、マキ殿、それにマタタキ殿、見てみろ。アッパレが五明とかいう者と互角に戦っている!」

「本当だわ、見てラヴ」

「クッソォ、あの野郎……えっ!? アッパレの剣が見えないほど速い!」

「アッパレってあんなに強かったぁ??」


「ウフフ。試練の成果ってところかしら? 私も行って来るわね」

そう言い残してインラバも飛び立ち、戦闘に加わった。


「くらえ! 王道斬煌(おうどうざんこう)!!」

「おっと……いやいや、あの三人よりは腕がたつようですねぇ」

意外とばかりにアッパレの必殺の斬撃を軽く受け流しながら余裕の笑みで言ってのけた。



「だったらこれでもくらいなさい! ダークインパクト!」

隙をついてインラバは魔法攻撃に出た。


しかしアッパレとインラバの波状攻撃はどれも寸でのところでかわされ、五明の笑みを消し去ることはできなかった。


「なんだ、アッパレとインラバもそれなりに強いんじゃん! ねぇ氷雨さん」

「えぇ、だけどいなされてばかり……これじゃ勝負にならないわ……」

「それほどあの五明という奴が強いんじゃ。しかも手下もまた一筋縄ではいかぬじゃろうて……しかしここまで実力に差があるものか……」


心眼の腕輪はそこまで言って黙り込むとギョロリとした眼で睨み付けるように五明に向けた。



「お遊びはこれまでですよ。デビルスタン!」

五明は魔界の巨木、魔樫(まがし)で作られた杖を高速でアッパレとインラバに打ち、二人は感じたことのない重力に押し潰されるかのようにゴウワンらがいる場所へと打ちのめされた。



「くっ不覚……」

「なによあいつ! 強すぎじゃない?」

ボロボロになった魔軍隊長らは圧倒的な強さを見せ付けられ、余裕の笑みを見せ続ける五明と、無表情の直江、目を(つぶ)って我関せずとしいる須頃ら三人を見上げた。



「レベルが違いすぎるではないか……」

「あっ、気が付いたっすか、シンさん!」

「……これは愛姫子と美菓子がいてもキツいかもね……」


その時、心までも見通す心眼の腕輪が五明の強さの秘訣を見定めた。

「あれだ! あの三人が身に付けている首飾り! あれに秘密がある!!」


浅緑に光るその首飾りは確かに五明以下三人の首もとで不気味な光沢を放っていた。



「あれを破壊出来れば或いは……」


アシガルと氷雨、そして傷付いた魔軍隊長らはその力の根源たる首飾りに照準を合わせていくのであった。



つづく

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