妖精の巫女、再誕!
「ここはどこ?」
「たまに寄る喫茶店じゃない?」
愛姫子と美菓子は何故かカフェでお茶していた。
冒険も仲間もどこへやら、二人は昔話に花を咲かせていたが、地元市内にある南高の制服の少女ら六人組を見付けると息を潜めた。
「ねぇ美菓子みて! あの子達!」
「あっ! 世界を救った英雄でしょ! やっぱり綺麗だし可愛いなぁ……」
「そうね……なんか輝いてるわよね」
(あたしもいつかきっと輝いてみせるわ……)
――――――――――――――――
「アシガル殿、よろしいかな?」
ボサッとしていたアシガルはドワーフのシンの催促で我に返った。
「あっすいません……愛姫子ちゃんと美菓子ちゃん大丈夫かなぁなんて……」
クスッと笑った氷雨は、
「あの子達ならきっと大丈夫よ! それより私達にはやらなきゃいけないことが山積よ」
腕を組んで自慢の肉体美を見せつけたシンも同調した。
「その通りだ。我々はこれから妖精巫女を復活させる。ダダ様、ドバ様、宜しくお願いします」
「ふぅ~年寄りをこき使い追ってからに……」
「ほんにほんに、あの娘らを旅立たせてクタクタじゃわい……」
元老院のドワーフとエルフのご先祖様らは文句も早々に復活の儀式に入った。
「よいかな、妖精の巫女の復活には勇者の聖気と人間の息吹が必要じゃ!」
勇者の聖気は何となくわかる気がしたが人間の息吹という文言にアシガルと氷雨は疑問を呈した。
「つべこべゆーとる場合かっ」
「元々一人だった巫女の心を勇者様と人間の純粋な魂をして封印していたのです。前聖戦のおりのことですわ」
「なんであの妖精子供に分裂させたんすかねぇ?」
「それは勇者様と妖精巫女にしかわかりません……」
「元に戻れば巫女さんが教えてくれるじゃろ」
「じゃな。それでは始めるぞい」
元老二人は霊気で織り成した透明な容器に集めた子供達を箱詰めにすると天に祈りはじめた。
クイーンスフレもシンも同様に手を合わせ祈る形をとる。
子供達は騒がしかったが、何となくその時がきたのだと大人しくなり、密集していた。
「ゆくぞぉ勇者! そして氷雨殿ぉ」
「今じゃ! 子供らに手をかざし祈れぃ」
アシガルと氷雨は言われるがままに手をかざし、妖精巫女の復活を強く念じ、子供らを見詰めた。
「不思議な感触ね、温かくも幼い……」
「で、ですね……」
妖精特有の温かな光はそれぞれを包み込むかのように癒しの風を吹かせ、子供らは今一つになった。
「数百年の刻を経て妖精巫女の復活じゃ!」
水色の艶やかな髪をなびかせ現れた巫女はメガネをかけた可愛らしい女の子だった。
(若い! いい! しかもメガネ女子!!)
「オモチは再誕した」
小さい第一声を拾うようにアシガルと氷雨は耳を傾けたがクイーンスフレ、ダダ、ドバらは再誕したオモチを迎えいれる。
「お帰りなさい! オモチ」
「おぉおぉ! こんな姿であったなぁドバよ」
「ほんだほんだぁ思い出したぞダダよ」
妖精サイドの邂逅を眺めながら氷雨はアシガルに耳打ちした。
「また違うタイプの女の子でよかったわね? オモチちゃんだって、可愛い名前ね」
「えっ!? いやぁ……幼すぎるっつーか、なんつーか……」
(わかってますね氷雨さん!)
オモチと呼ばれた少女は寝ぼけ眼で周囲を見渡すとクイーンスフレと氷雨を交互に見て、またぞろ小さな声で言った。
「こっちがいい」
そう言うと何故か氷雨に抱き付いた。
「? どうしたの、オモチちゃん」
「インプリンティングも成功じゃな」
「インぷり?」
「オモチは氷雨を母親と認識したようじゃ!」
「あらあら、てっきり私かと思っていたのに……残念」
「しかし女王は郷を片時も離れられなくなるでしょう。戦闘に赴く氷雨殿でよかったではないですか?」
ガッチリと氷雨に抱き付いたオモチとそれをすんなりと受け入れる氷雨。
そんな母子の愛のような現場を見せられたアシガルは、
(ん? んん!? なんだぁ? 母性愛? おぉ氷雨さんの新たな一面! 母のような優しい包容……俺もしてほしいなぁ)
やっぱり欲情するアシガルであった。
つづく




