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妖精国編 船上にて説明!

獣人国の王様から船を貰ったアシガルパーティーは早速大海原への大航海を開始し、荒波で馴らした船員の操舵に身を委ねながらアシガルの説明を真剣に聞いていた。



「いっすかぁ、双俊(そうしゅん)の剣はかなり刃こぼれがあったんで応急として研ぎましたが、妖精の村か町かで本格的に打ち直さないといつかボキンといってしまう可能性があります。今後の使用は気を付けて下さい!」


珍しくリーダー然とした態度で愛姫子(あきこ)に諭したアシガルはライトアーマーやブーツも傷んでいた所をしっかりと直したことを伝えた。



「さっすが鍛冶屋の倅! やっくだつぅ!」

(俺は便利屋か!)


「次に美菓子(みかこ)ちゃんの薔薇の弓杖(きゅうじょう)だけど、自己修復機能があるみたいなんで、そのままにしときました! けど念のため花弁が減って水に浸ける時は潮水はやめときましょう! あとはハーフマントも何処かで新しく変えた方がいいかもしれないっすね」


「はぁい! 弓杖も大切に使うね! ほんとアシガルさんがいると便利ね♡」

(俺は便利屋か!)



「最後に氷雨さんの時雨(しぐれ)ですが、どんな素材なのか刃こぼれもなく、全くの新品同様! ですがボディスーツ・椿(つばき)は多少のダメージをおってます。ほっておくとほつれた先からビリビリッと破けて自慢の美ボディが剥き出しになる可能性があるので俺は密かに期待してます!」


「えっ!?」

装備品の今後の使用について講釈をたれていたはずのアシガルはいつの間にか自分の希望を述べてしまっていた。


バシッ

「いったいなぁ! 何すんすか!」

「ビリビリッと破ける可能性があるから新たな村か町で気に入ったスーツに変えるべきです! でしょうが!」


普段は目で犯すようにセクハラをしのけるアシガルは実は()でもセクハラを連呼する常習犯であった。



「な、何にせよ。上陸したら村か町か城を探しましょう!」

「まぁセオリーよね」

「妖精さんの国かぁ。可愛い物とかありそうだなぁ」

(わたくし)に合うスーツがあるかしら? 特にバストの辺りが……」


氷雨はそう言って自身のたわわなおっぱいを左右から押したり弾いたりしたが、鼻を押さえたアシガルは、

「そ、そうですね……氷雨さんの()()()に合う、いい品があるといっすねぇ! ナハハ」

と言って話の調子を合わせつつもメロンのような乳房に夢中であった。



「あのなぁ、お前ら呑気すぎじゃ! まずは上陸出来るかどうかが問題じゃ!」

これまで眠っていたのか黙りを決め込んでいた心眼(しんがん)の腕輪は、ギョロリと大きな目を開くと続けて言った。



「妖精達は人間に不信感を示している。それが証拠にマンテス国からの度重なる同盟の要請も断固拒否しておるそうな」


「そうですね……一度心を閉ざすとなかなか難しい種族のようです。ですがこの船は獣人国のもの。獣人と妖精は友好的と聞きました」


「じゃな。とにかくまずは上陸じゃ!」


そんな話をしているうちに辺り一面濃い霧に覆われ数メートル先が見えない状況となる。

「安心してくだせぇ! いつものことでさぁ!」


船頭は景気よく声を張り上げ勝手知ったる海域をズイズイ進むとやがて濃霧は過ぎ去った。



「おぉ! さすが海の男! カッコいい」

愛姫子は上機嫌で船縁(ふなべり)で姿を現した太陽を仰いだが、何か見付けたようだ。


「ねぇ! なんか戦闘が起こってるみたいよ! 空に竜! 海に船ぇ!!」

その言葉にすかさず戦闘態勢をとる氷雨と美菓子。


「妖精の船が魔軍に襲われてるんだわ!」

「だったら助けなきゃ……妖精さんを!」



(いきなり戦闘っすかぁ……)


そう心中突っ込むと、いきなり船酔いを催したアシガルはゲロゲロいいながらも波で揺れるダンダラスカートをチラチラ見るのであった。



つづく


ここから妖精国編です、萬しくお願いします!

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