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魔軍会議 其の三

「空鬼将の名において誓って勝利を!」


(ムムム……相変わらず堅苦しい奴じゃ! しかしその力は魔軍最強クラス! そして束ねる部隊も同様!)

「頼んだぞ!」


魔軍最強クラスの空鬼将バルザーグの重々しき魔王ジクイルへの忠誠に背筋が延びる思いの隊長幹部。同等の鬼将であるラヴチューンは口で笑った。

そして静かに瞳を閉じて最後の指令を待つは魔軍内にて実質ナンバー3に君臨する陸鬼将(りっきしょう)オルドラン。


「陸鬼将オルドランには魔城守護を命じる!」



だが一同はもう一つ大陸があることを忘れてはいなかった。東の国、ヒノモトである。

謎の国ヒノモトは全ての外界との交わりを断つ情報の少ない不気味な国と位置付けられていた。


各幹部に対してヒノモトに関してはどうするのか説明する責任が魔参謀ビジョンにはある。


「残るはヒノモトであるが、ワシに考えがある。参謀直属の部隊を導入する予定じゃ」


参謀直属部隊。

それは魔軍内にあって裏方に徹する秘密集団であり、その強さは場合によっては隊長クラスに匹敵するとも言われている。



「では各々(おのおの)、抜かりなきよう頼むぞ!!」


『魔王ジクイルの名の元に!!』


各指令を受けた諸隊長らと将軍らはそれぞれが愛鬼(あいき)(また)がり隊を組み、各国へと進出していった。




魔城の最深部、最上階に禍々(まがまが)しい外界を睥睨(へいげい)する魔王ジクイル。


「ジクイル様、各幹部への進行指令、完了致しました」

隊長、それに三鬼将を束ねる立場である魔参謀ビジョンであっても魔王の前に(ひざまず)くと絶大な威圧感に圧倒された。

そして魔城守護を受けたオルドランもまた静かに跪くと頭を下げた。



「フム。伝説の勇者一行はなんとした」

「はっ、マンテス国、南の村へと向かったまでは確認が出来たのですが……」


「フン。消えたか」

「はっ、しかし各国に満遍なく魔軍は進行致します故、何処かで必ず奴らと戦闘となるかと!」


「どう思う、オルドラン。伝説のスズキ、それにサトウ。聞けば隊長クラスが一人敗北を期したとか」

「はっ、我が弟子でもありました剣魔隊長アッパレが圧倒された次第……」


「もはや一刻の猶予もないと言うことか……スズキ、サトウがその力を最大限に発揮した時、どうなるか……」


ビジョンとオルドランは魔王の言動を一つも洩らさぬよう聞き耳を立てた。


「ワシは怖いぞ! 三百有余年の歳月を経てやっと復活したと思えばまた()()の勇者の子孫、そしてまたしてもスズキにサトウ! なんなんだよ! もう!」


なかなかの重厚感を誇っていた魔王ジクイルであったが、スズキとサトウの話になると急に町内の人当たりのよいおじさん風情に成り下がってしまう。



「とにかく! なんとかするのだ! 本当になんとかするのだぞ! 厳命なんだからな!」


『ははぁ!!』





そしてアシガルパーティーへと話は戻ることになる。



つづく

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