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旅立ち編 終 ワープの井戸でワープ!

ここで旅立ち編が終了です。

次回から新章となります!

「お前が今世(こんぜ)の勇者か? なんとも締まりのない顔だ! あいやしかし、旅を始めた頃のカラケルも同じようなものか」


「うぉぉ!! 腕輪が喋った!!」

「渋い声ねぇ!」

「ますます気持ち悪い!」

「お口はどこについてるのかしら?」



「これよりはその心眼の腕輪の導きにより旅を続けるのだ! 挫けるな、勇者よ! さらば! また()()日まで!!」


前勇者カラケルの最後の言葉は心眼の腕輪に釘付けだった四人には響いてはいなかった。


「よ、よろしくぅ……」

「しかしなんとも頼りない奴が勇者となったものだ! これからはしっかりとワレの言うことを聞き、一日でも早く()()()()()()となるのだぞ!!」


二歩三歩と後退した美菓子は気持ち悪さで具合が悪くなったようだ。

逆に愛姫子は興味津々、氷雨もお口はどこなのと気になっているようだった。



「あのぉこれからどこへ行けばいんすかねぇ?」

「バカモノ!」


ポカッ


「いったいなぁ! なにすんすか!」

心眼の腕輪はアシガルの腕を振り上げるともう一度アシガルの空っぽの頭目掛けて勢いよく降ろした。


ポカッ


「なんだその口の聞き方は! ワレを師と仰ぎ、崇拝せんか!」

「めんどくさぁ……」

「物凄い居丈高なのね()()()さんは」

「き、気持ち悪いですよぉ……」



「おぉ! これはこれは! 貴様、なかなかの美女を揃えているではないか! 感心感心! 見る目だけは一丁前だ! ナハハハハハァ」


「なんですって!? 美女?! ()()! あたしのことぉ!?」

「あなた達は少女でしょ? 美女といったら私ですよね? 口なしさん!」

後退していた美菓子は体勢を整えたかのように前に出ると、

「わ、私だって可能性はありますよね!? ()()()()!」



(おぉ! もう呼び方を決めてる! いつもながらみんな早い!)


「ウムウム。みんな綺麗だし、可愛いぞよ! ちこうよれ!」

心眼の腕輪はそう言って愛姫子のお尻をサワサワし、氷雨の腰をなめるように縦断した後、美菓子の乳をツンツンしてのけた。


『な、なにすんのよぉ!!!』


「痛い痛い! 俺じゃないっすよ! ()()()っすよぉ!」


ポカッ


「貴様はワレを()()と呼び、敬えぃ!」


「なんなんだ? この扱いの格差は! クソ腕輪めっ」


ポカッ


「なんだとっ!?」

「あぁ……また声にだしてたぁ……」


といった具合に慌ただしいことこの上なし。



落ち着いたところで氷雨が次のページをめくるかのように問う。

「さて、これからどうしましょうか?」

「ウム。洞窟の途中に井戸があっただろ?」


「あった?」

「あっ、あったよぉ! 不気味だったから言わなかったけど……」


「まずは井戸を目指せ!」

訳がわからないままぞろぞろと井戸に到着すると心眼の腕輪は言った。


「飛び込め!」


「はぁ??」

「飛び込めばそこは別大陸! これはワープの井戸といってな、飛び込めばワープできるのだ!」


「こ、怖いよぉ……」

「えぇい! ぶりっ子で可愛いのぉ! それ」

そう言うと美菓子のお尻をサワサワした。そのセクハラにビックリした美菓子は、

「きゃっ!」

と叫ぶと井戸に落ちて行き、氷雨は助ける形で飛び込んだ。



「美菓子ちゃんと氷雨さんが落ちたぁ!!」

「つべこべ言ってないであたし達も行くわよ!」


愛姫子はそう言うとアシガルの腕を握ってワープの井戸へと飛び込むのであった。



「ワクワクするじゃない!」



四人+一腕輪の冒険はこうして始まったのであった。



旅立ち編 終


次回、獣人世界編

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