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決戦編2 愛姫子、圧倒!

連続更新です。

愛姫子とロングサンの戦いを一気にどうぞ~

拳に炎を宿した愛姫子は、眉間に皺を寄せ眉毛をキリッと上げると、遂にその力の断片を披露。


「行くわよっロングサン!!」

「かかってこい!」


大地を蹴り上げるやいなや炎は真っ直ぐにロングサンへと(ほとばし)り、愛姫子は利き腕に全闘気を集中させながら無双の盾を一点に見詰めて照準を合わせた。

拳と盾が接触した瞬間、凄まじい衝撃波が辺りに爆風を巻き起こしたが、対峙する二人は共に笑っていた。


「フッ。これで分かったか? 何度拳を繰り出したとて我が無双の盾の前では無力!」


勝ち誇ったかのようにロングサンは己よりも格段に小さい愛姫子を見下したが、そのしたり顔は長くは続かなかった。


「あんた本当に大したことないのね。そのご自慢の盾、もう終わってるから」


愛姫子はそう言うと扉でもノックするかのように無双の盾をコンコンした。

するとどうだ、愛姫子の突きを防いだはずの盾は音を立てて粉々に砕け散り、何が起きたのかまだ理解できていない様子のロングサンは、一歩二歩と後退りするしかなかった。



「ど、どういうことだ! 我が無双の盾が……」

「いつから無双になったのよ? 無双じゃないから粉々になった。ただそれだけよっ!」


愛姫子はそう言うと、愕然と肩を落としたロングサンの顔を思いっきり殴り、吹き飛ばした。

相手は自称だが、ヴォルクス四天王筆頭。その実力者をまるで翻弄するかのような愛姫子のパワーであったか。


しかし腐っても四天王か、直ぐに立ち上がると憤怒の表情で魔力を上げるロングサン。



「ぐぬぬ……た、盾は砕かれたが、俺はお嬢とは違う! 己の肉体をも鍛え尽くしているのだ! サンセット・ビルドアップ!!」


ロングサンの筋肉は何倍にも膨れ上がり、鎧をはち切れんばかりに巨大化したが、愛姫子は耳をポリポリ掻きながら冷めた目を向けていた。



「なんという強大な魔力だ……」

「スズキの力にも驚かされたが、やはり四天王! その力は健在か」

「魔神の欠片とやらを使っているからより一層強くなっているのか?!」


バルザークとオルドラン、それにビジョンはまだまだ本領を発揮していないロングサンに畏怖(いふ)したが、ローウェンとエピカは自信満々にその念を一蹴した。



「いいえ、あのお顔をされた愛姫子様は誰にも負けません!」

「その通り! 我らが獣人国でラヴチューンと戦った時もあのように自信満々な燃え上がるような瞳をされていました!」




「今度はこちらから行くぞっ!」

「はいはい」


巨大化したロングサンは剣を振りかぶり、あたかも大鉈(おおなた)を振り下ろすが如き腕力で攻撃を仕掛けたが、シンとゴウワン、そして岳才は同時に言葉を吐いた。


『勝ったな!!!』


なんとロングサンが振り下ろす剣を避けるどころか、防ぎもせずに、愛姫子は腰を屈めると真横に腕を振る仕草をした。

それに呼応するかのように炎熱の竜が現れ、ロングサンの剣はおろか、腕までも巻き込んで遥か彼方へと吹き飛ばしてみせた。



「ぐぁぁぁぁーー!!!」


あまりにも一瞬の出来事であったが、腕をもがれた痛みだけは確実に神経を伝わり、たった今戦う対戦相手がこれまで出会ったことのない強者(つわもの)であることだけは認識できた。



「これで分かった? 実力の差ってやつが。だけどあんたは許さない! 戦いを終えたばかりの人間に卑怯にも後ろから攻撃をしかけた……油断したあたしもバカだったわ。ヒサ姉にもし万が一何かあったらこれじゃすまないからね!」


愛姫子はそう言うと、自分より遥かに重いはずのロングサンを片手で軽く持ち上げると、天高く放った。



隕石(メテオ)開花(ブロッサム)を吸収! くらえっエクストリーム・ブレイズブロォォォーーー!!!」


連続で放つブレイズブローは一発一発がまるで隕石でも衝突するかのような轟音と爆発を巻き起こし、既に意識を失っているロングサンをぶちのめしていた。

だが手加減はしていたのか、命までは奪ってはおらず、ひくひくと痙攣(けいれん)しているのを確認すると、クイーンスフレとマキ、そしてスノークリスタルが三人総出で治癒に当たる氷雨とオモチの容態はどうなのかアシガルに問う余裕ぶりをみせた愛姫子。



「あっ……そ、そうだな……ビジョンさん! 氷雨さんとオモチはどんな様子かなぁ??」


「しかし凄い力を持っておるな、さすがは伝説のスズキじゃ! いやいやそれは置いておく……いま各国のヒーリングマスター達による集中治療を行っておる! 命に別状はない! オモチと言ったか? 彼女は既に意識を取り戻しておる!」


「だってさ!」

「そう! なら良かった。それにしても美菓子達いつまで()()でやり合ってんのよ! ったく……」


遥か上空を見上げた愛姫子の姿を見て、アシガルは改めて愛姫子の底力を知るのであった。


(しっかし強いなぁ愛姫子ちゃん。こりゃ煩悩照射する必要はないか? だって竜王牙も幻狼剣も使ってないし……だけどちょっと発汗して上気したお肌は桃色でムラムラしちゃうなぁ! あのキュッとしたお尻を鷲掴みにしたんだよなぁ……もう一度モミモミしたいなぁ)



ほら、少しでも余裕が生まれるとすぐそれだよ。


つづく



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