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決戦編1 愛姫子信者!

アシガルらは先に同盟軍の脱出を優先させ、しかるべきタイミングで大爆発を起こし崩れゆく魔元城から離れた。

上空数千メートルにまで上昇していた魔元城から落下して行くその時も一進一退の攻防を繰り広げつつもである。



そしてジクイルが拠点とする魔城のすぐ目の前、だだっ広い平野に降り立つと遂に決戦よろしく、全力同士の戦闘が開始されゆくのであった。


「見ろ! アシガルもスズキも無事だ、最後の戦いが始まるぞ……」


魔城に避難していた各国の有識者らは、外が見える位置に全員が横並びとなって戦いの行方を見守り、それぞれが今、アシガルらの戦いに意識を集中していく。

最初に降りて来たのは妄想と現実を日々混同する勇者アシガルと、愛姫子、そして四天王・ロングサンであったか。



「ふぅ~なんだか久しぶりの大地ってとこね。さぁサクッと決着をつけましょうか」


降り立つやいなや、愛姫子はロングサンの位置を確認。

そして卑劣極まりない蛮行を行ってきた悪党に睨みをきかせ、その拳に炎を宿した。

対するロングサンも自慢の剣と頑丈な盾を前に押し出すと、伝説のスズキを(ほふ)ることに専念しゆく。



「ハハハハハ! 貴様、本当に武器を持たずして俺に勝てるとでも思っているのか? その拳も全て我が無双の盾の前ではなんらダメージを負わせることすら出来ぬというに!」


「バッカじゃないの? ギャラリーもいることだし、あたしの力を見せ付けてやらなくちゃ面白くないでしょうが!」


「チッ! またあんな大言壮語(たいげんそうご)を! やっぱりあたしが愛姫子に引導を渡さなきゃいけないみたいねぇ」


魔城という名の観客席では早くもそんな愛姫子の啖呵(たんか)に文句を付ける者が現れた。

それはラヴチューンであったが、それを打ち消すかのように愛姫子推しのメンバーはこぞって熱烈な応援を開始した。



「ガハハハハ! 相変わらず強気だな、お前は!!」

「そこが愛姫子のプリティなところさ、岳才」

「そうとも! 凛々しくエロも交えて一つ頼むぞぉ!」


地竜・岳才と竜王・長嶺、そしてアシガルの祖父にして世界の名工ガンテツはラヴチューンのクレームなど何するものぞと愛姫子にエールを送った。



「さぁ、温まってきたところで勝負よ! ロングサン!!」


灼熱のスタートと共に真っ赤に燃える拳に気合いを込め、ロングサンに攻撃を仕掛ける。

対するロングサンも冷静にその拳の軌道を見極めると避けたり剣でいなしたりと見事であったが、やはり一番厄介であったのは無双の盾であった。

愛姫子が急所を突く鋭い一撃を打つと、決まってその盾を全面に押し出して防いだからだ。



「何よ、口だけじゃない! 全っ然ロングサンに当たってないわよ! ヘッポコ!!」

「いや、愛姫子の突きはこんなもんじゃない!」

「岳才、よく分かってるじゃないか」

「いいぞぉ! その段だらスカートの中が丸見えだ! サービス満点! 善きかな善きかなぁ!!」


またしてもラヴチューンのクレームを掻き消した面々は、なるほどヒラヒラとスカートが舞う度に垣間見える純白のパンティに釘付けであったが、そこは特権階級たるアシガルが体よく見えないようにしたのは言うまでもない。



「こ、こら! アシガル邪魔だ! これでは愛姫子の()姿()が見えないではないか!」

「そうですよ、どうせ何の戦力にもならないのですから隅っこで応援でもしていて下さい」

「そうだとも! これバカ孫、そこをどけ! キュキュッとしたお尻をまだ拝みたいのだ」



「ダメだ! 愛姫子ちゃんはいま戦いに集中してんだからな! うるさい野次は許さない! ラヴチューンも静かに応援してやってくれよ」

「えっ……まぁアシガルがそう言うのなら……分かったわ、あんたのお願いなら黙って言うことを聞くしかないわね。ほら、そこ! 甘い! もっと腰に力を込めて、コンパクトに正拳を突く!!」



その一部始終を見ていたラヴチューンの姉・マキとルシカァーは、もはやアシガルLOVEとなったラヴチューンを呆れた顔で見るのであった。


「ラヴってあんなだったかしら?」

「……まさか男勝りのあの娘が殿方(とのがた)に恋をするとは思わなかったわね……」



そんな魔城観客席であったが、ニタニタ楽しそうに戦っていた愛姫子は本領を発揮することとなる。


「ギャラリーが期待してるから本気を出すわよ! 一瞬で終わるけど、それでいい?」


爛々(らんらん)と燃え盛る聖竜姫はさらに激しくさらに灼熱の炎を拳に集めるのであった。



(おぉ! 純白のサテンおパンティは実はヒモパンだったのか!! 俺にしか見えない秘密の新事実発覚!! この見えそうで見えないところがまた男心を掻き立てんのよねぇ。それにしても相変わらずえぇ脚しとるなぁ愛姫子ちゃんは)



一人占めしたアシガルは誰よりも鼻の下を伸ばすのであった。

少しは緊張感というものを知れよお前。



つづく

萬しくお願い致します(*`・ω・)ゞ

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