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本丸編 終 激しい落下!

連続更新となります。

これにて本丸編終了となります!

ビジョンから貰った輪に乗り、一足飛びに本丸へと舞い戻ったアシガルは声を大にして叫んだ。


「準備万端! 愛姫子ちゃん、美菓子ちゃん、それにシンガン! もういいぞ!!」


その声に答えるかのように、抑えていた力を一気に開放する二人。

そしてシンガンもまた煩悩玉を自らに放り、全盛期バージョンへと変化した。


「いくわよ、ロングサン!」

「ジクイルさん、やりますよっ」

「へっ? お、おうとも!」


愛姫子は竜王牙も幻狼剣も装備せずにロングサンに向かって烈火の如く突進すると、肉弾戦を展開。

拳を振る度にメラメラと炎が燃え盛り、ロングサンも自慢の盾で応戦しつつも反撃に打って出る。


「小娘ぇ! 素手で四天王筆頭のこのロングサンに勝てると思ってかぁ!!」

「ハンッ! それはあたしの(けん)を受けてから言いなさいよっ」


猪突猛進の愛姫子はスタートから激しい戦闘となり、もはや本丸は全壊寸前であったか。


「今度こそ全力でいくからね! 本気パワー!! 蒼の衝撃ぃぃ!!」

「余も負けてはおられん! ヴォルクス、覚悟!! 魔王シリアルビーム!!」


「ぐぬぬ……小癪な!」


ヴォルクスの鋼鉄の皮膚を貫こうと一点集中。

美菓子とジクイルはなかなかのコンビネーションを発揮しつつ、ヴォルクスに反撃の暇を与えない連続攻撃であった。


そしてシンガンと五明もまた長い沈黙を破り、遂に戦闘を開始した。

互いに杖と棒を得物とする地味なスタイルではあるが、他の戦いにはない、頭脳戦にして心理戦であることは言うまでもない。

一方が技を出すと、もう一方がそれを相殺。両者一歩も退かぬまさしく名勝負であった。


シンガンは己の持てる最高の力、全盛期バージョンであり、五明は魔神の欠片を使用しての魔法力対決であった。



「ポイズンセッション!」

「セイント・エクスディンクション!」


五明が猛毒の瘴気を発生させると、シンガンが聖なる気で打ち払った。

そんな大混戦の最中、五明が秘密裏に設置していた時限爆弾が爆発、魔元城はその豪壮な構えを内部から崩していくのであった。


(なんだぁ!? 城の内部から爆発が……魔元城での戦いも限界か……そろそろビジョンさん達も魔城に避難しているはずなんだけど)


アシガルはその爆発と同時に決断すると、パーティーに指示を飛ばした。


「みんな! 全軍の避難は終わっているはずだ、後は地上に降りてから存分にぶちのめしてやろうじゃないか!!」


そこまで言って、またしても自ら率先して輪に乗り、崩落しゆく魔元城からの離脱を始めた。

それに続くようにロングサンを誘き寄せると降下し始めたのは愛姫子だ。

頭に血が上ったロングサンは急降下しながらも愛姫子と激しい格闘戦を演じ、美菓子とジクイルもつられる形で魔元城を離れた。



ヴォルクスもまたその雄大にして邪悪な翼を広げると魔元城を捨て去り、空中に舞う美菓子とジクイルに猛攻撃を加えながら、重力に引き寄せられるようにゆっくりと降りていった。



「お前、直江はどうした」

「直江ですか? フフ。まだ城に()()なモノがあるんですよ。彼女はそれを取りに行きました。さぁ地上に舞い戻り、さっさと勝負をつけようではありませんか」


爆音と爆煙が周囲を飲み込み、もはや視線の先は何も見えない状況下で、シンガンは五明が次に何をしようとしているのか見極めようとしたが、当の五明が先に魔元城を離れたことにより、自分もまるで鳥にでもなったかのように悠然と空の人となるのであった。



急降下しつつもアシガルはこれからの段取りを考えていた。


(えっとまずはロングサンとヴォルクスをぶっちめて、五明を拷問して魔神だかを誘き出して……愛姫子ちゃんと美菓子ちゃんのダブル伝説パワーでそいつも倒してエンディングだな! クソォ、もうエロはなさそうだな……まぁいいか。本当の平和を手に出来ればいつだって愛姫子ちゃんのキュッとしたお尻と、整ったお顔を拝顔してあのいいニオイを嗅げるんだよな! なっ!? う~ん、待ち遠しいったら!)



輪に乗って胡座(あぐら)をかき、腕組みしながら落っこちる様は何ともただのエロ人間でしかなかったか。


そのまま落ち処が悪いといいのだが。



つづく




次からは決戦編です、萬しくお願い致します(*`・ω・)ゞ

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