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説明するわね!

アシガル一行は補充された物資を開いて驚いた。

10000ウェン(この世界の通貨)、旅の地図、後は先に渡された傷薬に毒消し剤などが追加補充され、冒険に役立ちそうなアイテムが揃っていた。



「やったね! これでストーリーが進めやすくなったじゃん!」

城の者に補修してもらったセーラー服に着替えた愛姫子はガッツポーズで興奮したが、美菓子には伝わらなかった。


補修にはこの国の特産の織物をあててあった。


「あっそうだ、私からも二人にプレゼントがあるの、受け取ってちょうだい!」


(えっ? 俺にはないんすか?)


愛姫子には金の髪飾り、美菓子にはプラチナの首飾りが渡された。

「どう? 似合う??」

「見て下さい! スッゴク綺麗な首飾りぃ! ありがとう氷雨お姉様!」

「ウフフ、二人ともお似合いよ!」



そう言ったパーティー内の姉御、氷雨は早速堅苦しいドレスを捨て、漆黒のボディスーツに身を包み、業物の日本刀を帯びていた。



「さて、今度は勇者アシガルの故郷に行くんでしたっけ?」

氷雨は穏やかな表情でぐるりと一周見渡すと言った。

「はっ、はい! とりあえずまぁそうしてもらえますか!」


「アシガルの生まれた村かぁ……なんか寂れてそうだよねぇ? この場合行く価値があるのかどうなのか……」

愛姫子は名探偵が悩む時のポーズをとりながら必然性を疑いはじめた。


「いいじゃない! 村長さんが一度戻れって言ってるんだし。それに一度戻ると良いことが起こりそうな気がするよ、私!」


(いやぁ、お城みたくいろいろ手土産なんて絶対ないっすよ!)



「では次の目的地はニシナカ村で決まりね!?」

氷雨は悩む愛姫子に微笑むと愛姫子も何か貰えるものと思い込んだらしく賛意を示した。


(いや、本当に何もないっすよ!? マシで!)



そんな中、この世界の地図を広げてみた美菓子は現在地が何処なのか氷雨とアシガルに訊ねた。



地図の中央部には一番大きい大陸があり、それを包み込むように四つの大小様々な大陸があった。


アシガルは知っていることだけを話し始める。

「えっと、この真ん中のデカイ大陸がこのマンテス国がある所で、上の部分が現在、魔軍に占領されている土地……っすよね?」


確認するように氷雨に方向転換した。

「えぇ! この世界は五つの大陸に七つの国があったのだけれど、中央大陸は元々大部分をこのマンテスが領土としていて、北に小国が二つあったのね。その二つを魔軍が占領してしまったの……」


「えっ? じゃあ他の四つの大陸は??」

「囲むようにある大陸には私達人間とは()()()()がそれぞれ国をもっているのよ」


人間とは違う種族とはどういうことかと美菓子は質問する。



「中央大陸の南に位置するこの大陸は獣人族(じゅうじんぞく)、西は妖精族(ようせいぞく)、北に竜人族(りゅうじんぞく)、そして東には何人(なんぴと)たりとも寄せ付けないヒノモトと言う民族が治めているのよ」



初めて知ったこの世界の理に驚愕の表情で地図をなめ回す二人。


(なるほど! そうなのか!)


当然知っているはずの基礎知識を、さも初めて聞いたかのようにアシガルは二人と共に驚き、その無知さをさらけ出していた。


(全てはこれからなのね……勇者アシガルもまた…………)



眉を潜めてふぅっと溜め息をつく氷雨であった。



つづく

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