本丸編1 作戦タイム!
伏魔八騎将。
初戦はルシカァーと戦うルルカです。
デビル女学院という魔界にある学術機関に在籍していた同窓として登場させました。
見た目は過激なエロ路線、セクシーなルシカァーと競い合う存在であり、可愛げのある名前をとルルカとつけてみました。
はい、思い付きです。
そして同時にマキと戦うことになる白金ですが、やはり生真面目なマキと成績で凌ぎを削った学年トップクラスの秀才として出しました。
見た目は地味で存在感はありませんが、マキをライバル視しているが故になかなか個性が出たかと思いますね(^^)
名前の由来は地元の地名です!
愛姫子と美菓子にトドメの一撃を防がれたヴォルクスは、攻撃の手を止め、初めてアシガルパーティーと相対した。
いやそれは魔王ジクイルも同じであったか。
「グヌ……で、伝説のスズキとサトウ……」
余程苦い思い出があるのか、これまでの威風堂々とした態度は改まり、何故か及び腰にアシガルらを迎えたのはジクイルだ。
「あんたが魔王ジクイルか! オルドランさん達と助けに来たぜ!」
そしてどういう訳かオルドランにはさん付けで、ジクイルにはタメ口のアシガルは、一旦作戦を練るために全員を招集した。
不思議なのは待つ義理もないはずのヴォルクスもまた、競い合うかのように四天王を呼び集めるのであった。
「みんな、よく聞いてくれ! 五明はシンガンが抑える。後の四天王はアシガルパーティーとオモチに任せてくれ! ジクイル、負傷した仲間をしっかり守ってくれよな!」
まるで自分の部下か何かのようにつらつらと命令するアシガルに、当然ジクイルは反論した。
「待て待て! ヴォルクスは余の獲物ぞ! つーか勝手になんだよお前は! なに? なんで上から目線??」
そんな会話にはまったく意に介さなかったオモチもまた勝手に対戦相手を決め始めた。
「オモチはアイツを倒す……」
指差した先には女四天王がニヤリと笑っていた。
それなればと美菓子も早い者勝ちとばかりに勝手に主張する。
「わ、私はあの女の子がいいな!」
「美菓子、どうやらあの娘は私と対戦したいようですわ」
なるほど、そう言われてみれば、どう見てもティーンにしか見えない少女四天王はメラメラと殺気立たせて何故か氷雨を凝視している。
「えー!? じゃああのゴツい人と美菓子が戦うのぉ??」
これまで散々厳つい相手との戦いを拒んできた美菓子は茫然としたが、残念ながらその失望はまだ続く。
「ダメよ! アイツがたぶん四天王の中で一番強いわ。だったらあたしがやるに決まってんじゃん!」
「えぇー!? ず、ずるいよみんなして勝手に決めてさぁ!!」
ここを何処だと思っているのかと思わずツッコミたくもなるが、そんな都合のよいツッコミ担当は存在せず、不満だけが残された美菓子とジクイルはアシガルに猛抗議し、そんな風景をボコボコにやられた面々は感心するように見詰めていた。
「さすがだな、アシガル。魔王様と対等に話してるっすよ……」
「あんな慌てるジクイル様は始めてですな、オルドラン殿」
「ウム。まるで友達のようだ……」
「魔王とアシガル様は面識あるのでしょうか?」
「いやないでしょう。ですがまるで知り合いのようですね」
オルドラン達と同じような会話を雲月と長嶺もしていたし、アッパレとインラバ、それに使い魔保護者となっていたロキスと前戯は行く末を見守るしかなかった。
「うるっさいわね! じゃあ美菓子と魔王でヴォルなんちゃらをぶっ倒せばいいじゃない! まぁ瞬殺してヴォルもあたしが倒すことになりそうだけどね」
愛姫子の迫力にタジタジのジクイルは黙って言うことを聞く素振りで美菓子をおそるおそる見た。
美菓子も一対一ではなくなったことで、少し気持ちが軽くなったのか、にこやかにジクイルに向き合う。
「よろしくお願いしまぁす! 魔王なんですよね? 強いんですよね!? 大丈夫ですよね?! ねっ!」
不用意に一歩また一歩と近付いて来る伝説のサトウに、鳥肌を立たせてジクイルはオロオロと答えるしかなかった。
「ももも、もちろんだ。余に任せて、お主は後方で控えていてよいともさ……」
ついにジクイル奪還を果たし、ヴォルクス四天王と対峙するアシガルパーティー。
そしてヴォルクス陣営は。
「あれが勇者アシガルか……なれば俺は伝説のスズキとやらをまずは倒すとするか」
「勇者ぁ? ちっとも凄味を感じないじゃん! やっぱり私はあのグラマラス美人が好みですわ!」
「油断大敵というではないですか。私はもちろんあの小さい妖精よ」
「私は名誉挽回に、賢者が出てきたら今度こそ冥土に送りましょうか」
「五明! 貴様、先ほど魔神の欠片とぬかしたな? そんな大それたものをどうやって持って来たのだ」
四天王らは対戦相手を早々に決めたが、ヴォルクスだけは欠片のことが気になっているらしかった。
しかし五明は、栄えあるヴォルクス軍のために危険をおかして入手した切り札であると巧みな話術で誤魔化した。
「アシガルパーティーを侮ってはヤケドでは済みませんよ。最初から魔神の欠片を使うことをオススメします」
実力で倒せると豪語した四天王であったが、受け取った欠片を握り締めると、なるほどおぞましい妖気を放つそれを使いたい衝動に駆られた。
両軍、作戦会議を終え、ついに雌雄を決するその時がやってきた。
アシガル陣営からはオモチが、そして四天王からはオモチを直視し続ける水も滴る絶世の美女が一歩前に出るのであった。
(おぉ! 久しぶりに敵から美女が登場だ! さすが四天王ってか? 色っぽさの中にも一本線が通ったような凛々しい佇まいですなぁ!!)
こんな時にもやっぱりか、アシガルよ。
つづく
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