竜人国大戦part4 ~アシガルパーティー参戦!~
地竜・岳才も氷竜・スノークリスタルも、そして飛竜・ロキスも竜人種の最強位である魔竜らの前に倒れた。
そこで宰相・篭場は竜人族最後の切り札、竜王の末裔たる長嶺を戦場に駆り出した。
長嶺はその才気と受け継ぐ大いなる力を駆使して魔竜らを殲滅の憂き目に合わせるも、バルザークの無限変化の前に脆くも崩れ去った。
残すは龍神殿占領とばかりにジリジリとバルザーク率いる魔軍が攻め寄せて来ているのであった。
そんな中、的確に三美少女集団に指示をしたアシガルは、これまでの戦いとは訳が違うことを肌で感じていた。
バルザークのそれは、そう思わせるほどに強大であり、身体中ガクガクと震えが止まらなかった。
火竜・久遠は最愛の長嶺をやられ、もはや傍観している時ではないと悟ったか、対峙するアシガルらのもとへ急行。
アシガルの指示通りにバルザークを牽制する愛姫子、氷雨、そして深く傷ついた長嶺の緊急治療を施す美菓子。
戦いは間違いなくクライマックスへと向かっていくのであった。
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その少し前、飛竜の渓谷にて第三の謎の塔攻略を果たし、飛竜の村で一泊したアッパレらは全員が愛竜・ザードにまたがり、龍神殿を目指していた。
当初は次の目的地と知らされたヒノモトへと向かう算段であったが、いつもの調子で寄り道することを決めたアッパレ。
既に慣れっこのように行動を共にするインラバを筆頭にアッパレ専属使い魔・ピューロ(♂)と、インラバ専属使い魔・ミューロ(♀)は、向かう先に超ド級の戦闘が繰り広げあられていることを察知し、緊張の面持ちで暗雲垂れ込めるその方角を見据えていくのであった。
(バルザーク様は何故、竜人族を捨てたのか……)
その疑問がシコリのようにアッパレの心中に残り、究明しなければ先へは進めない衝動に駆られているのであった。
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「篭場の爺ちゃん、今度こそあたしらが相手してもいんだよね?」
明るく振る舞った愛姫子であったが、怒りはとっくに頂点に達していた。
知り合ったばかりとはいえ、自分を認め、神器を託してくれた岳才、初見の人間の話を真面目に拝聴してくれたスノークリスタル。
仲間の窮地を見事な大技で救ったロキスの行動にも感動していたし、何より仄かな恋心を抱く美形の少年、長嶺。
それらの人々がバルザークと、その配下にボロボロにされているのだ。
「おいおい、誉れ高き竜人がまさか人間の、それも可愛い女の子に助けを乞うってんじゃねぇだろうなぁ?」
ギラリと篭場を睨み付けて解答を待つ伴峰であったが、まさかの逆に質問をされるはめになってしまった。
「なにー!? 可愛いってあたしのことぉ?!」
「違うよぉ! 私に決まってるもん」
「あら、たまには可愛いと言われてみたいわ。私で決まりよ」
シリアスな場面を持ち前のギャグパートにすり替える才能の持ち主、三美少女はこぞって自分でしょと、なおも伴峰に解答を迫った。
「えっ!? あ……そ、そりゃ全員に決まってんじゃねーか……」
三美少女らのプレッシャーは龍神までも翻弄する効力があるらしい。
それにクスクスと笑ったのは無口担当の海鏡だ。
「アハハ……伴ちゃんも形なし……」
「う、うるせー! 伴ちゃんて呼ぶんじゃねーよ」
一通りのやり取りが成立すると、アシガルは高らかに宣言した。
「俺たちパーティーは竜人国を救うために魔軍と事を構えるっす! バルザーク、バレンコフ、ルシカァー。かかってこいっ!」
カッコよく宣誓したアシガルであったが、
(あれ? バレンコフとルシカァーであってたよな?)
以前、ゴウワンらに聞かされた、まだ見ぬ魔軍隊長らの名前が目の前にいる二人で合っているのか気になり、まさかの自分に心ツッコミをする始末であった。
バルザークは魔城にてラヴチューンらが五明と口論をした時の事を思い出していた。
(なるほど、情に厚い若僧だ。仲間意識の高いウチの連中が一目置くのもわかる。が……)
それは名指しで呼ばれたバレンコフもルシカァーもまた同様であった。
(ハンッ! ゴウワンが言ってたエロ勇者ってか? 一人素早い動きをするヤツがいるってマタタキが言ってたなぁ、実際にそのスピード確かめてやるぜ!)
(あらぁ? マタタキやラヴが言ってた通り熱い性格なのね。魔力に長けたマキを降したその力、見極めてあげる)
静かに、そして勝手に対戦相手を決め、なおかつ勝手に闘志を燃やす魔軍幹部、二人なのであった。
つづく




