装備しちゃうよ! サトウさん! part2
「それはな、薔薇の弓杖と言ってな、魔法・剣士と肩を並べる程の激レア職業にしか装備することが出来ない代物だ!」
「弓と杖ってどういうことなのですか?」
美菓子は早くも探しあてた激レアアイテムの使い方をおねだりしたし、愛姫子とアシガルもまたその内容に興味津々だ。
「これを装備出来るのは狙撃魔女という職業なんだが……」
「狙撃手と魔女が合体したみたいな?」
「そ、そのまんまっすね……」
「普段は魔法の杖として使用し、遠くの敵や上空の敵を攻撃する時なんかは、ほらっ! そこのボタンを押してみな!」
美菓子は言われるがまま、杖の中心部にある小さなボタンを押した。
ウィィーン、ガチャ
一瞬機械的な音がしたかと思いきや、魔法の杖は変形し、立派な弓へと変化していた。
「矢はバラの花弁さ! 一枚むしってみな」
美菓子は花びらを一枚むしるとそれは矢の形へと変わり、その切っ先は鋭く光り、ボツボツと痛そうな棘が一度敵に食い込むと激痛を起こすのだと容易に想像できた。
「使い過ぎて花びらが無くなったらどうすんの?」
持ち主でもない愛姫子だがとても重要な質問をする。
「どういう原理かはわからねぇが、一晩水に浸けとくと翌朝にはまたデカイ薔薇が花を咲かせてるってこったぜ!」
「凄い武器ですね! 魔法も弓も使えるなんて! 嬉しいです」
「ほんとほんと! これで冒険も楽になるのは間違いなし! 矢が一晩水に浸けとくだけで収穫できるなんて、エコロジー!」
盛り上がる愛姫子と美菓子を尻目にマスターはまだまだ身震いが止まらなかった。
しかし防具まで全て揃ってからにしようと今の感情を押し殺して、
「よ、よし。武器は決まったな! スゲー連中だぜ。装備出来るだけでも大したもんだ! じゃあ次は防具だが……」
言いかけたマスターを制止したのは美菓子だ。
「それでしたらもう決めてます!」
淑やかに微笑んだ彼女は準備万端の愛姫子を連れ回し、店内を一周し始め、目を付けていたらしき物を手に取る。
そんなギャルの買い物を遠くで確認しながら、アシガルは抱いていた疑問をマスターにぶつけてみた。
「あのぉ、マスターのお師匠さんって何て名前っすか?」
「あん? なんでだ?」
慌てながらもアシガルは、
「あっいやぁ……俺も一応は村で鍛冶屋の息子として修業してたもんで! あんな凄い物を作れる人が気になったもんで」
「ほう? おめぇも鍛冶屋なんか? どうりで立派な鎧やら剣を持ってると思ったぜ! んで? どこの村から来たんだ?」
「えっと……ニシナカ村っすけど」
三度驚いたマスターは、その巨体を空気椅子のトレーニングでもするかのように、アシガルの顔をマジマジと見ていくのであった。
つづく




