俺と妹の二度寝と父さんが衝撃発言した件について
前半は遊華と二人きり!後半は遊斗の衝撃発言になっております
俺は藤堂遊、昨日は妹の遊華が10年間溜め込んだ俺への想いを吐き出し、俺はせめてもの償いのつもりで遊華を抱きしめて就寝した。現在の時刻は7時であり、隣には俺に抱き着いたままスヤスヤと寝息を立ててる遊華がいる。
「もう7時か……」
昨日は中々に濃い一日だった。遊びに行くつもりでいつもと同じように電車に乗ったらまさか未来に来ることになるし、10年経った妹は俺に素直になっているし、それに、母さんが死んだことや羽月さんという新しい母さんがいたことや香月さんと美月さんという姉がいたことなど
「んぅ……おにいちゃん?」
「あ、悪い。起こしちまったか」
遊華は目を擦りながら身体を起こした。遊華を改めて見ると、俺は10年後に来たんだと実感させられる
「ぎゅ~」
「うわっ!?」
遊華はいきなり俺に抱き着いてきた。遊華さんいきなりいきなり抱き着いてくる割合多くないですか?
「えへへ~おにいちゃ~ん」
何だこいつ寝ぼけてんのか?
「お、おい、遊華」
「んにゅ~」
だ、ダメだ……寝ぼけてやがる……
「起きなさい!」
俺は遊華の頭にチョップをお見舞いした。効果は抜群だ!
「イテッ!」
遊華は両手で頭を押さえている。そんなに強くしてないはずなんだが?
「おはよう、遊華」
「おはよう、お兄ちゃん」
「遊華、みんな起きているのか?」
「ん?どうして?」
「俺は昨日ここにやってきただろ?」
そう、俺は昨日この時代にやってきた。父さんと遊華は俺の時代でも一緒に暮らしていたが、羽月さん、香月さん、美月さんの3人は俺のいた時代では一緒に暮らしてはいなかった。結論を言うと、生活パターンがサッパリわからない。
「うん、そうだね」
「俺のいた時代には遊華と父さんはいたが、羽月さん、香月、美月の3人は一緒に暮らしていなかったから生活パターンがわからないんだ」
「あ、そっか。忘れてた」
「で、みんなは起きているのか?」
「んー、今日はまだ起きていないんじゃないかな」
「え?何で?」
「だって、今日は土曜日だよ?起きているわけないじゃん」
そう、俺の時代では土曜日だったが、この時代に飛ばされて来た日、つまりは昨日になるわけだが、昨日は金曜日だ。よって今日この時代は土曜日ということになる。
「そうか、んじゃ二度寝するかなぁ……」
俺は二度寝をするべくもう一度布団に潜り込んだ。俺の布団じゃなくて遊華の布団だが、元は俺の部屋だ。少しくらい入り浸っても文句は言われないだろう…………
「お兄ちゃん!」
「な、何だ?」
ひょっとして怒られるのか?
「私も二度寝する!」
遊華はすでに布団に潜り込んでいる俺に自分の身体を密着させてきた。さすがに昨日抱き合って寝ただけに朝から欲情するとかそんなことはない。だが、この状況を家族に見られるのはマズイ
「遊華、これって家族に見られたらヤバいんじゃないか?」
「それなら心配なし!」
遊華はベッドの枕元にある鍵を指差した。だからどうした?鍵がそこにあっても驚かんぞ
「鍵がそこにあってもドアの鍵自体が開いてたら意味ないんじゃないのか?」
「大丈夫だよ!ちゃんと閉めてあるし」
「そうか、なら安心だな」
「うん!さぁ、二度寝二度寝」
こうして俺と遊華は二度寝を堪能する事にした。まさか、妹と一緒に寝ることにもびっくりだが、それに加えて二度寝することになるとは……元の時代じゃあり得ないことだな。まぁ、未来に来たことを少しは肯定的に捉えられるようになったってことで……おやすみなさい
こうして俺は夢の世界に旅立った。父さんとの話はいいのかって?知るか!昨日弄られた仕返しに二度寝して待たせてやろう……なんて思った時期もありました。
時刻は10時、俺は遊華と3時間二度寝していたらしい。
「とりあえずリビングに行くか」
遊華はまだ寝ているようだが、全く起きる気配がない。仕方ない、声だけかけて行くか
「遊華、俺はリビングに行くからな」
「すぅすぅ……ん~……ゆうかもいく~」
「いいって、眠いなら寝てろ」
「ん~」
俺はひとまず寝ている遊華を部屋に残し、リビングに行くことにした。
「おはようございます。羽月さん」
リビングについた俺は羽月さんにあいさつをし、椅子に腰を掛けた。
「おはよう、遊君。よく眠れた?」
羽月さんは牛乳の入ったコップを俺に渡してくれた。
「はい、ばっちり眠れました」
「そう、それはよかったわ」
「ところで、父さんは?」
「寝室でまだ寝てるわ」
父さんは俺のいた時代と全く変わっていなかった。人に話があるとか、出かけるとか言っておいて他の家族の中では誰よりも起きるのが遅い
「俺、起こしてきます」
「あら、いいの?」
「ええ、あれの起こし方は熟知してます」
「じゃあ、お願いしようかしら?」
「お願いされました」
俺は眠り姫ならぬ眠り父を起こすべく寝室に向かった。
あの方法って今でも通用するのかな?一応試してみるか。なんて考えながら俺は寝室のドアを開けた
「父さん、起きろ」
「ぐおぉぉぉ~」
普通に起こしてもダメか……なら次の方法だ
「羽月さんが朝飯作って待ってるぞ」
「ぐおぉぉぉ~」
これでもダメか……最終手段のあの方法しかないか
「超美人が父さんに会いたいってさ」
「本当かい!?」
「もちろん、嘘だ」
「そんなぁ~」
これが父さんを起こす最終手段“美人で釣ろう戦法”だ。
「今日は俺に話があるんだろ?さっさと起きろ」
「わかったよ、まった……く?」
父さんは嫌そうに身体を起こすとなぜか停止してしまった
「どうした?父さん」
「ゆ、遊!」
「何だ?」
「う、後ろに……」
「後ろ?後ろに何だ……って」
俺は父さんに言われた通りに後ろを見るとそこには
「ゆ・う・と?」
鬼のオーラを纏った羽月さんが立っていた。
「ゆ、遊!た、助け……」
「悪いな父さん……寝坊した奴が悪い」
俺は一言言い残し、寝室のドアをそっと閉めた。寝室からは父さんの悲鳴が聞こえたが、俺には関係ない。起きない父さんが悪い。
「あれで少しは目が覚めて寝坊が減るだろう。俺って優しい」
父さん、俺はリビングに戻って束の間の平和を満喫するよ。
リビングに戻った俺は父さんが現在、悲惨な目に合っていることに罪悪感を全く感じずに優雅にコーヒーを啜っている。あれで起きる父さんが悪い
「父さん、全く変わってなくて安心したな」
俺は変わっていない父さんにどこか安心感を抱いていた。安心はしたが、女性関係で俺が困っている時に楽しむ癖を直してくれれば最高?の父さんなんだが……
「イテテ……酷い目にあった……」
父さんがボロボロの状態で羽月さんとリビングに入ってきた。
「もう終わったの?」
俺は正直ボロボロの父さんに若干引いたが、あえてスルーした。
「ああ、それよりも……」
「それよりも?」
「さっきはよくも見捨ててくれたね」
父さんから恨みの視線が向けられた。
「知るか、自業自得だ」
「…………」
父さんは無言になってしまった。頼むから美人にすぐ飛びつく癖を直してくれ
「それより、父さん」
「ん?何だ?」
「昨日書斎に来いって言ってなかった?」
「うん、言ったね。だけど、今は朝食が先だよ」
俺と父さんは羽月さんの作った朝食をおいしく頂いた。
「さて、じゃあ、書斎に行こうか?」
「ああ、そうだな」
俺は父さんの後に続いて書斎に向かった。話ってリビングではできない話なんだろうか?それとも、女性陣に聞かれたら困る話か?
そうこうしているうちに書斎に着いた。相変わらずパソコン机が1つに本棚に本が所狭しと並ぶ図書館みたいな書斎だな
「で?話って何?」
「ああ、それはね」
「それは?」
「僕が昨日帰ってきた時に『何で15の姿のままなんだ』って言ったのは覚えてるよね?」
なんだ、話って昨日のリアクションのことか
「ああ、もちろん。家族の中で初めてまともなリアクションだったからな」
「実はね、遊」
「何だ?もったいぶるなよ」
「もったいぶらないで言うけど、僕も遊と同じ年の頃に遊と同じ状況になったんだ」
「え……?」
てっきり弄り倒されるかと思っていた俺は父さんの言葉を聞いた瞬間、金縛りにあった感覚に陥ってしまった
遊斗って美人にすぐ釣られますね(笑)だけど、まじめな時はまじめになります
最後まで読んでいただきありがとうございます