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旅館で水着ショーが開催される件について

今回は遊限定の水着ショーの話です

どんな事になるかはお楽しみなのです!

では、どうぞ

 今日の撮影が何事もなく無事に終わった。撮影の最初の方で遊華を先輩扱いしたらその場にいたほぼ全員が蹲ってしまったのは気がかりというか、やらかしてしまった感があるが、それを除けば無事と言える。スタッフのご好意により撮影で使った水着を頂ける事になったのは予想外だがな。で、仕事が終わってみんなで一息入れている。平和、平穏って素晴らしい


「お茶がうめぇ~」


 海の波の音をBGMにして啜るお茶もいいな。緑茶と言えば庭の縁側で啜るものだと思っていたが、海を見ながら、波の音を聞きながらもいいものだ


「お兄ちゃん爺臭いよ?」


 遊華がジト目で俺を見ながら指摘してくるが、知った事ではない。無愛想よりマシだが、俺は本来はこういった平穏な日常が好きなんだよ


「うっせ、俺にとっては唯一の楽しみなんだよ」


 自分で言ってて悲しくなる。本当に唯一の楽しみってわけじゃないが、ここは10年後の世界だ。俺のいた世界だと遊華は中学生だが、この世界では中学生じゃない。同じように敬や浩太も俺のいた世界では高校生だが、この世界ではそれぞれの仕事がある。よくつるんでた連中だが、彼らにもそれぞれに家族や恋人がいるわけで俺が彼らを拘束するわけにはいかない


「遊ちゃん」

「ん?何だ?」


 お茶を啜っていた俺に美月が真剣な表情で話しかけてきたが、どうしたんだ?何かあったのか?


「そんな悲しそうな顔しないで。私は遊ちゃんの傍にいるから」


 突然何を言い出すんだ?そもそも、俺悲しそうな顔してたか?自分じゃよくわからんが、美月はそう感じたんだろうな


「俺、そんな顔してたか?」

「してたよ、お兄ちゃん」

「うん、遊、すっごく悲しそうな顔してた。今にも消えてなくなりそうなくらい悲しそうな顔」


 いや、俺はただ過去と今じゃ違うな~とは思ったが、悲しそう顔をしたつもりはないんだが……


「悪い、今度から気を付けるわ」


 無意識とはいえ、俺が悲しそうな顔をして遊華たちに心配をかけたなら、心配をかけないようにする。それだけだな


「お兄ちゃん、少しは頼ってくれていいんだよ?」

「そうだよ、遊」

「私たちにできる事なら何でもするから」

「ああ、何かあったら相談させてもらう」


 3人とも何だかんだで俺の事を心配してくれている。自分ではうまく振る舞っていたつもりだし、親父や羽月さんも含めて家族や敬と浩太には心配掛けないようにしていたつもりだが、返ってこういうところが周囲の人間に心配を掛けていたのかもしれないな


「で、遊。早速相談ない?」


 香月、心配してくれるのは嬉しいが、さっき心配掛けてすぐに相談なんて事はしたくないんだが……


「いや、相談する事なんてないぞ」


 今のところ悩みらしい悩みなんてないしな。朝と夜の飯は旅館で出してくれるし、昼はスタッフの方が弁当を用意してくれる。飯の事で悩む事は少なくとも今はない


「遊ちゃん!遊ちゃんには悩みがあるはずだよ!」


 いや、そんな事を言われてもないものはないんだが……何?そんなに義姉らしい事したいの?


「そんな事を言われても思い当たる節がない」


 何をそんなに躍起になっているか知らんが、今のところ悩みなんて本当にないから、いざ相談しろって言われても困るだけなんだよなぁ……


「お兄ちゃん……」

「何だ?遊華」


 え?遊華までそんな真剣な表情!?俺に悩みなんてないからな?何?ないなら強制的に作ろうとかそんな感じ!?嫌なんだけど


「お兄ちゃんは今、私たちにあんな事やこんな事をするべきかせざるべきかで悩んでるよね?」

「…………はい?」


 強制的に悩みを作らせようなんてもんじゃなくて、悩みを捏造された……だと?何、この妹?怖いんだけど


「そうだよ!遊ちゃん!我慢は身体に毒だよ!」

「遊、私は心の準備はいつでもできているよ」

「さぁ!お兄ちゃん!今こそ1つに!」


 いやいや、それは君たちの願望でしょ?俺はそんな予定ないからね?大体、俺がいつ女性に困ってる話をしましたか?いや、出会いがないのは困ってますけど!


「待て待て!落ち着け!俺は我慢なんてしてないし、遊華たちにあんな事こんな事をしようって事考えてないからな!?」


 さっきまでシリアスな雰囲気だったのに、何ですぐにシリアスが壊れるんですかね?


「お兄ちゃん……」

「何だ?」


 遊華を怒らせたかな?それとも遊華が正気に戻ったかな?どっちにしても落ち着いてくれたことは非常に嬉しく思う。


「昨日ここへ来た時と同じ事をして待ってて」

「え?」


 昨日ここへ来た時と同じ事っていうのはわかるが、どうして昨日と同じ事をしなければならないんだ?


「い・い・か・ら!」


 遊華によって俺は半強制的に昨日と同じ事をさせられる。非常に納得がいかない。それにしても昨日よりも時間が長いな


「お兄ちゃん、もういいよ」


 遊華からの許可が下りて俺は目を開け、塞いでいた耳から手をどけた。昨日より長かったのは気にしないようにしよう


「なっ……!?」


 振り向いた先には今日の撮影で使用された水着を着た遊華たちがいた。誤解のないように言っておくが、俺が遊華たちに水着を着ろって言ったわけじゃなく、遊華たちが勝手に着たんだ


「お兄ちゃんの為の藤堂姉妹水着ショーだよ」

「遊ちゃん、嬉しい?」


 昼の撮影と前に遊華たちと一緒に風呂に入った時と俺が退院した時に遊華たちの水着姿は見たが、ここで来るとは思わなかったし、元々スタイルがいいのでいけない事と頭では理解していても興奮してしまった覚えがある


「遊、何か言ってくれないと困る」


 香月が俺にリアクションを求めてくるが、3回も見ているんだ。今更何を言えと?見飽きたとは言えないよな……はぁ……


「最高です」


 何言ってんだ!?バカじゃねーの!?いくらなんでもそれはねーだろ!言ってしまった事はしょうがないけど!


「「「そ、そう……」」」


 3人とも俯かないで!いっその事罵ってくれた方がまだマシだよ!どうすんだよ!この空気!


「ゴメン、俺ちょっと頭冷やしてくる」


 この気まずい空気に耐えきれなくなり俺は部屋を出ようとする。部屋にいたくないと言っても過言ではないが、俺が部屋の外へ出てる間に遊華たちも俺も落ち着くだろう


「「「ダメ!!」」」


 部屋から出ようとする俺を3人がかりで止めてきた。俺の精神はこの何とも言えない空気に耐えきれるほど強くないんだけど?


「わかったわかった!出て行かないからとりあえず、俺にしがみ付くの止めない?」


 今の状況を軽く説明すると、遊華が俺の上半身にしがみ付き、香月が右足、美月が左足にしがみ付いてる状態だ。しがみ付かれている状態なので、3人の胸が俺の身体に当たっているいる。


「「「わかった……」」」


 涙目で見つめてくる遊華たちを無下にして部屋から出て行くなんて事が俺にできるはずもなく、俺は部屋を出て行くのを諦めるしかなかった


「で、何で水着姿になったの?そもそも、いつの間に洗濯したの?」


 俺と一緒に帰ってきたから洗濯する暇はなかったはずなんだが、いつの間に洗濯したんだ?


「え?この水着は予備の水着だよ?」


 え?予備なんてあったの?初耳なんだけど?俺が知らなかっただけかもしれんが


「この際、何で予備があるかは聞かないが、何で水着になったの?」


 細かい事はこの際だから気にしない。だが、水着になった意味は気になる。


「今回何も知らせずにここへ連れてきたお詫びといつも家事してくれているお兄ちゃんへのご褒美だよ」


 俺は何も知らされずに連れてこられた事を怒っているわけじゃないし、日頃の家事も俺が自分だけ何もしないのは悪いと思ってしているだけで報酬を望んでいたわけじゃない。


「俺は今回の事を怒っているわけじゃないし、家事だって報酬を望んでやっているわけじゃない」

「それでもだよ。遊。この格好は私たちが遊を癒してあげたくてしているの」


 それを言われると俺は何も言い返す事ができない。だが、俺は多くを望まない。水着姿になった遊華たちに俺は何を望めばいい?


「俺を癒したいって言われても俺は多くは望まないし、今の状態だと俺は何も望まない。だから、遊華たちがしたい事をすればいいさ」


 委ねるようで情けないが、望む事がない。欲がないと言われればそれまでだし、普通の男なら容赦なく遊華たちに襲い掛かっているところなんだろうが、俺的には人の弱みに付け込むようで気が引ける


「じゃあ、私たちがしてあげたい事を遊ちゃんにするね」

「あ、ああ……」


 特にしてほしい事がない俺は結局は遊華たちが俺としたい事、俺を癒すために考えた事を受け入れるしかなかった


「じゃあ、早速だけどお兄ちゃんそこへ寝てくれないかな」


 遊華が指差した先は昨日ここへ来た時に初めて美月を上にして寝た場所だった。


「わかった」


 遊華たちが何をするか?いや、遊華たちに何をされるかがわかっている。しかし、案を出していない俺がそれを指摘するのはおかしな話だし、指摘するなら案を出せって話にもなるから黙っておこう


「「「おじゃましま~す」」」


 遊華たちは俺の両隣りと俺の上に寝てきた。配置が今日の朝と同じなのは触れない方がいいかもしれない。揉めなかった時点でかなり前から決まっていたみたいだし


「どうかな?遊」

「3人とも柔らかいんだな」


 家にいる時は精々腕に柔らかい感触があった程度だが、今回はかなり密着されているため、その感触が更に鮮明に伝わってくる。というか、寝ている俺に香月と美月は覆いかぶさるようにくっついているし、遊華は遊華で胸を押し当ててる。そりゃもう形が変わるんじゃね?ってくらいだ


「お兄ちゃん!女の子に対して柔らかいだと私たちが太っているみたいに聞こえるよ!」

「ごめんごめん、そういう意味で言ったんじゃないんだ」

「遊ちゃん、どういう意味で言ったのかな?」

「なんて言うか、ぬいぐるみとか赤ちゃんみたいな意味だよ」

「「「ふ~ん」」」


 納得がいかないと言わんばかりの顔だが、遊華たちは太っていないぞ。むしろ痩せているくらいだ


「遊華たちは十分可愛いよ」


 ご機嫌取りでというわけじゃないが、思った事は素直に伝えておこう。俺の本当の母さんに伝えられなかった事が今になってできても伝えられない。遊華たちも俺もいつ、どこで、どうなるかはわからないし。


「「「そう……」」」


 顔こそ赤くないが、遊華たちはそのまま黙ってしまった。この3人にもどこか思うところがあるらしい。仕事の疲れからか、俺たちはしばらくそのままの状態で眠ってしまったが、旅館の人に見つかる前に起きれば問題ないだろう。






今回は遊限定の水着ショーの話でした

最近はそろそろコスプレを取り入れようかなぁと思う今日この頃

コスプレするなら何がいいかな?とも思う今日この頃です

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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