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俺が人生初のグラビア撮影に臨む件について

今回は遊、人生初のグラビア撮影回です

遊華たちの水着は・・・・読んでからのお楽しみ!

では、どうぞ

 バイキングで朝飯を済ませ、仕事の準備を終えた俺、藤堂遊は現在、遊華たちと現場まで移動中である。普通なら車で移動してほしいところだが、旅館から海が近いという事で歩きで移動しているのだ。どうせ俺のやる事は雑用か遊華たちの世話くらいだろう。


「暑い……」


 季節は夏に限りなく近い春。朝とはいえ気温が高いのだ。まぁ、海に入るのは……あれだ。本人の自由だな。サーファーとかいるし……


「お兄ちゃん、暑いのはみんな同じなんだから文句言わないの!それにもうすぐみんな涼しくなるんだし」

「いや、涼しくなるのは遊華たちだけで、俺は暑いままだからな?」

「遊、行けば解るよ」

「そうだよ!遊ちゃん!」


 今朝遊華も同じ事を言ってたな。何が行けば解るんだ?理解できないが、遊華たちが解るって言ってるんだし、その通りなのかもしれないな


「着いたな」

「着いたね、お兄ちゃん」

「着いたね。遊ちゃん」

「着いたよ。遊」


 到着すると既にスタッフの人が準備を進めており、あとは遊華たちが着替えて撮影するだけの状態だった。その間に俺はスタッフの人にあいさつでも済ませておくとするか


「じゃあ、俺はスタッフの人にあいさつして回るから」


 この場において俺にできる事なんてこれくらいしかなさそうだしな。そうと決まれば遊華たちが着替えているうちに済ませておこう。


「何言ってるの?お兄ちゃん」

「え?」

「お兄ちゃんも早く着替えて」


 何で俺も着替える必要があるんだ?俺は付き添いのはずだろ?着替える必要はないと思うんだが?


「俺って今回付き添いじゃないのか?」

「そんなわけないじゃん。あ、お兄ちゃん知らなかったのか」


 遊華さん?1人で納得しないでもらえる?俺は何も聞いてない状態で来てんだから


 混乱する俺を余所に遊華がスタッフの1人を呼び、そのスタッフの人から今回の撮影の趣旨を説明された。今回の撮影の趣旨は兄妹が仲良く海で遊ぶ姿を撮影するというもので、姉妹で声優をやっている遊華たちにオファーが来たという事らしい。ちなみに俺が何も知らなかった事については事務所の社長である羽月さんとスタッフが俺にドッキリを仕掛けたいという事だった。遊華たちも一緒になって何してんの?


「本当、遊華たちの水着姿はいいとして、俺の水着姿は誰得だよ……」


 俺の水着姿なんて見て誰が喜ぶんだよ……はぁ、今更ごねても無駄か


「売れなくても文句言うなよ……」


 用意された水着に着替えながら俺の水着姿の需要について考えるも全く需要がある気がしない


「とにかく言われた仕事をこなして早めに終わらせよう」


 水着に着替え終わった俺はいち早く更衣室から出た。まだ遊華たちは来ていないみたいだな。


「俺の水着姿の需要はこの際考えるのは止めよう。しかし、遊華たち遅いな……」


 撮影まで時間があるとの事でいち早く着替え終わった俺は1人海を見ながら黄昏ていた。と言っても特にやる事はないんだけどな。髪のセットは既に済ませてある。激しい動きさえしなければ撮影が始まる時間の前に少し整える程度でいいとの事だ。


「遊、お待たせ」

「おう、待った……ぞ」


 声を掛けられ、俺の振り向いた先には水着姿の香月、美月、遊華がいた。こうして見ると3人ともスタイルいいな


「お兄ちゃん……どうかな?」


 遊華は赤のビキニか。俺のイメージ的には遊華は赤というよりも青とかの方が似合ってる気がするが、これはこれでいいものだな


「よく似合ってるぞ。遊華って赤色の水着も合うんだな」

「そ、そう?でも、お兄ちゃんに褒められて嬉しいな」


 照れ臭そうに頬を染める遊華はどこか色っぽかった。遊華が妹じゃなく、他人だったら俺は既に告白してたかもしれない


「遊、私も忘れないで」

「ごめんごめん、香月の事を忘れていたわけじゃないぞ」

「そう、で、似合うかな?」


 香月のビキニは青か。個人的には香月には黒のビキニを着てほしかったが、遊華とは違った意味で青のビキニが似合っているな。やっぱり、その人のキャラが着る服のイメージを変えているのかな


「俺的には香月は黒のビキニがいいと思ってたが、青のビキニもなかなか似合っているぞ」

「そう、ありがとう」


 遊華ほどじゃないにしろ香月も照れているというのは表情でわかる。だが、態度に出ないのは香月らしいっちゃ香月らしい


「遊ちゃん!私は私は?」


 最後は美月だ。遊華、香月ときて美月を褒めないわけにはいかないからな。美月は俺のイメージ通りの黄色のビキニか。家の3姉妹で癒し系担当の美月である美月に黄色のビキニはベストマッチだな。よく似合っている


「明るい美月には明るい色のものはよく似合っているぞ。そのビキニも例外じゃない」

「うん、ありがと……」


 美月も遊華同様に照れて頬を赤くしている。遊華たちの水着姿を見て思ったが、赤、青、黄色って信号機みたいだな。口に出すと怒られそうだから言わないけど


「お兄ちゃん、いつもかっこいいけど、水着になってもかっこいいよ!」

「そ、そうか……ありがとな」


 実妹とわかっていても素直に褒められると照れてしまう。元の世界では年下でもこの世界では年上だ。大人の女性に褒められるのは照れ臭いものがある。


「遊、撮影始まるよ。いこ」

「そうだよ、お兄ちゃん」

「はやく行こうよ~、遊ちゃん」

「ああ、そうだな」


 俺は呼びかける遊華たちの後を追う形で撮影現場に向かった。それにしても、本当に3人揃うと信号機だなぁ……


「「「よろしくお願いしま~す」」」


 何か媚びてるようであれだが、これも大人の付き合いか……遊華たちの間延びしたあいさつを見て大人の世界も大変なんだなぁと思いつつもあいさつは大事だ。俺も間延びはしないが、あいさつだけはしておこう


「よろしくお願いします」


 遊華たちのあいさつの時は普通に返していたスタッフ一同だが、俺の時は若干ニヤニヤしながら返してきたスタッフ一同。心なしか男性スタッフより女性スタッフの方がニヤニヤしてた人が多かった。撮影場所まで移動するという事でこの機会に聞いてみよう


「あの……少しよろしいでしょうか?」


 1人の男性スタッフに話しかけてニヤニヤしてた理由を聞いてみよう


「はい、どうしましたか?」

「さっきの俺のあいさつどこか変なところあったかなと思ってお聞きしたいと思いまして」


 自分に悪いところがあったら直す。俺はまだ15歳だが、直すべきところは今の内から直しておこう


「いや、遊さんに悪いところはないんですが、遊さんって遊華さんのお兄さんで香月さんと美月さんの義弟さんじゃないですか」

「はぁ、そうですね……」


 苦笑いしながら対応してくれるこの人には悪いが、俺が遊華の兄で香月と美月の義弟だと何か都合の悪い事でもあるのかな?


「それで我々男性スタッフもそうですが、女性スタッフは特に遊さんに一目お会いしたいと思っていた人が多く、先ほどの遊さんの海での黄昏っぷりが女性スタッフの保護欲を掻き立てたみたいで……」

「はい?」


 自分で聞いといてなんだが、意味がわからない……そもそも、遊華たちは俺の話を外でどんだけしてんだ?


「ほら、ここには弟がほしいスタッフが多いじゃないですか?」

「は、はあ……」


 いや、多いじゃないですかとか言われても知らんし。“はあ”としか言えない俺は間違っていない


「だから、これを機会にスタッフ一同遊さんとお近づきになりたいなと虎視眈眈と狙っているんですよ」

「そ、そうですか……」

「だから、さっきニヤニヤしてたのは遊さんとのあれやこれを妄想しての事なので遊さんはお気になさらずに」

「わかりました。今日はよろしくお願いします。あと、質問に答えて頂いてありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」


 俺は質問に答えてくれた男性スタッフに一礼したが、そのまま隣りを歩き続けた。質問してわかった事は俺が何かやらかしたとかじゃないって事と俺と親しくなりたいというスタッフ一同の野望を知った。悪い印象じゃなかったのはいいが、俺と親しくなる意味は?


 撮影場所に着いたらしく、遊華たちとスタッフ一同はいそいそと準備を始めた。俺も髪を軽くセットし直してもらったが、それ以外は特になく、時間まで暇になった。


「ここは知る人ぞ知る穴場って感じだな」


 さっきの砂浜とは違い今来ている砂浜はあまり人には知られていない印象がある。夏本番になったらここはこの町の子供の遊び場として大いに賑わうんじゃないか?


「撮影開始しまーす!」


 お、撮影開始か、さて行きますか。男性スタッフが拡声器で撮影開始を呼びかけていたので俺は遊華たちの元へと向かった。


「お兄ちゃん!今日はよろしくね!」

「よろしくお願いしますね。先輩」


 妹だが、ここでは先輩として遊華を敬っておこう。身内でも仕事上じゃ遊華の方が先輩なんだし


「グハッ!」


 なぜか遊華が胸を抑えて蹲ってしまった。俺は何か変な事を言ったか?よく見れば香月と美月もそうだが、他の女性スタッフも遊華と同じ状態になっていた。


「俺何か変な事言ったかな?」


 目の前で蹲ってしまった大人たちを見て俺は何か粗相をしでかしてしまったかな?という不安に駆られる。


「遊さん、お願いですからいつもと同じ様に振る舞ってください……」


 さっき質問した男性スタッフにいつもと同じでいいと言われてしまった。一応は身内でも仕事においては先輩だから、その辺りはしっかりしておきたかったんだが、何か変だったかな?


「その方がよさそうですね」


 目の前の光景を見て反論する事も質問する事もしようとは思わず、ただ、この男性スタッフの言う通りに遊華にも香月にも美月にもいつも通りに接しよう。そう思った。じゃないと撮影が進みそうにないし……


 数分後、ようやく回復した遊華たちはこれまでにないいい笑顔で撮影を開始した。ちなみに、この撮影中に遊華たちを先輩扱いするのは禁止された。本人たち曰く、ギャップ萌がとか身が持たないとか言ってたが、よくわからなかった。わかった事と言えば、遊華たちの精神衛生上宜しくないという事だけだった。


「一旦休憩で~す」


 撮影開始を宣言した男性スタッフによる休憩の合図により一同はそれぞれ休憩に入った。無論、俺は嫌な予感がしたので早々にその場を避難する事にした。案の定、遊華たちとスタッフ一同が俺を探す声が聞こえたが、中身が“お姉ちゃんと呼んでください”とか、“私を先輩と呼んでください”とかの要望ばかりだった


「ひょっとして、俺、最初のあいさつでやらかした?」


 男性スタッフの方からは粗相はしていないと言われたが、俺的には遊華を先輩と呼んでしまった事が最大の粗相じゃないか?と今になって思う


今回は遊、人生初のグラビア撮影回でした

遊華たちの水着はぶっちゃけ自分の好みです!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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