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夕飯の席順と自由時間の使い方に関する件について

今回は夕飯と遊の自由時間の使い方のお話です

座る位置と旅行の自由な時間をどう過ごすか?です

では、どうぞ

 食事の時の座る位置って時として重要だと思わないか?例えば、お見合いの時がそうだ。お見合いに行って親と来ているのに自分の親を差し置いて相手の親の隣りに座る奴はいないだろう。誰に決められたわけではなく、自然とそうなる。家での席順にも同じ事が言える。何が言いたいか?って言うと俺、藤堂遊は今……


「お兄ちゃんの隣りには私が座るの!」

「違うよ!遊ちゃんは私の隣り!」

「2人ともおかしいんじゃない?遊の隣りは私だよ?」


 食事を前にして大人の女性3人の言い争いに巻き込まれています。いや、家で座る席順でいいじゃん


「はぁ……」


 俺はもう溜息しか出ない。晩飯前に大人の女性3人の言い争いを見せられた俺本人が目の前の女性たちに1つ提案をしようと思う。それでも争いは終わらないと思うが、少なくとも現状よりは幾分かマシになるはずだ。


「なぁ、3人とも……」

「「「何!?」」」


 すごい剣幕だな。女性の争いってこんなに修羅場要素が満載なものなのか?だが、ここで負けてしまっては時間を無駄に消費する。


「提案があるんだが?」

「「「何!?」」」

「争ってる理由はなんとなく想像つくが、多分、3人がしたい事は俺の両隣りに来なくてもできると思うぞ?だから、いつもの家での配置でよくないか?」


 遊華たちはおそらく俺にあーんをする事を狙っている。だが、それは両隣りまたは隣りに来ることによってできるものだと思っている節があるだろうが、実際は正面にいてもできるぞ?


「お兄ちゃんは私にあーんされるの嫌かな?」

「嫌とは言ってない。ただ、あーんするなら隣りに来なくてもできるだろ?って話をしたいだけだ。それと、あーんは1人1回のみだ。あと、あーんの順番は家での席順をそのまま使う。これが守れないなら俺は誰からのあーんを受けるつもりはない!以上!」


 提案というか、ここまで来たら決定事項だな。このまま言い争いされているよりかはマシだが……


「遊がそう言うなら私は従うよ」

「私も~」

「私もだよ!お兄ちゃん」


 3人ともわかってくれたようで何よりだ。後は寝る場所で争わないことを願おう。そもそも、俺はこの旅館に着いてから───いや、この旅行の前に何日泊まるか聞いてない。何日泊まる予定かすらも知らされてない。後で遊華か誰かに聞いてみるか


「さて、言い争いも終わった事だし、旅館の人が晩飯を運びやすくしておくか。」

「「「うん!」」」


 荷物を纏めてあるとはいえ、机の上に物が乗ってるとさすがに邪魔だと思う。それに、万が一にも女性の従業員が来て見とれてた。なんて言われたらたまったもんじゃない。その為にも従業員の人が準備だけしてこの部屋を退散するようにしておかなければ


「じゃあ、机の上にあるお茶とお菓子はテレビの横にでも置いておこう。遊華たちもそれでいいだろ?」

「「「うん!」」」


 満場一致でお茶とお菓子はテレビの横に置いておく事に決定した。後は新聞のテレビ欄だが……


「このテレビ欄はどこに置いておこうか?」


 テレビ欄の置き場所は俺的は決まっているんだが、一応、遊華たちの意見も聞いておかなきゃ後で場所がわからなくなっても困る


「テレビの上でいいんじゃない?」

「私もそこでいいと思う」

「私も~」


 これまた満場一致でテレビの上という事で決まった。この3人は俺が絡むと意見が分かれるが、それ以外だとビックリする程に意見が揃うから不思議だ


「じゃあ、テレビの上って事で」


 テレビ欄をテレビの上に置き、晩飯を迎え入れる用意はバッチリだ。これで従業員の方の手間が少しでも軽減されたら幸いだが、念には念を入れ、保健として遊華たちにも伝える事を伝えておくか。気持ちを弄ぶような感じで気が引けるが……これ以上俺の精神がすり減るのを防ぐ意味も込められている


「どうしたの?お兄ちゃん」


 考え込んでいたせいで遊華が俺に不信感または不安を抱いたようだ。だが、俺はこれを伝えないでいる方が不安だ。果てしなく不安だ……だから、旅館の人が来る前に伝えてこう


「遊華、香月、美月」

「何?お兄ちゃん」

「どうしたの?遊」

「遊ちゃん?」


 唐突に何を言っているの?と思われても、頭狂った奴と思われても構わない。だが、俺は言わなきゃいけない!俺が問い詰められない為に!遊華たちが暴走しない為に!何より俺の理解できない言い争いが発生するのを防ぐ為に!なんて決意をしてみたが、これを言ったら戻れない気がしなくもない


「俺は3人を愛している!今日初めて会う女の人に惚れるなんてありえないくらい3人を愛している!」


 女に見境ない奴になったとしても、女の敵だって言われても構わない!俺は遊華たちを暴走させないため!何より旅館の人に迷惑をかけない為に俺は遊華たちに愛していると言う!


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」


 好意を利用する形にはなってしまったが、1番ダメなのは関係ない人が被害を被る事だ。俺の事は二の次だ。遊華たちの視線が恋する乙女っぽくなっているし、いずれ俺が向き合わなきゃいけない事だって事も重々承知だ


「だから3人とも女性従業員が来てその後、暴走しないでもらえると助かる」


 牽制と言えるかはわからんが、女性従業員が来ても暴走するなと伝えたから暴走はしないはず


「お兄ちゃん、さっきの言葉に嘘はない?」

「さっきの言葉?」

「遊ちゃんが私たちを愛しているって言った事だよ」

「ああ、さっきの言葉ってそれか。その言葉に嘘偽りはない」

「遊、信じるよ?」

「ああ」


 俺はこの時になって遊華たちは純粋すぎる。なんて思ってしまった。嘘ではないし、偽りもないが、俺は本当にこの3人を愛しているのだろうか?特にこれと言ったトラウマはないが、目に見えないものや、恋愛感情や愛情と言った曖昧なものは今まで信じていなかった。どうしてそんな風になった?と聞かれれば気が付いたらとしか言えないが


「とにかく、もうすぐ飯だし、ある程度は整理もできている。テレビでも観ながらのんびり待つか」

「「「うん」」」


 その後の事を少し話すが、俺たちは晩飯が来るまでの間、テレビを観て過ごした。晩飯を持ってきてくれたのは女性従業員の方だったが、前もって遊華たちに言っておいた為、遊華たちは暴走する事なく、平和な晩飯となった。あーんするのも席順となったが、俺自身が決めるのがめんどくさいとかそういうのじゃないという事を言っておこう


「ふぅ~、腹いっぱいだ~」


 晩飯が刺身、天ぷら、茶わん蒸し、味噌汁、白米という聞いただけだと少ないように思えるが、その量が多かったため、これだけでも満腹になった。この旅館の晩飯はメニューの数よりも量を売りにしているのか?まぁ、俺としては今後の参考になったし、味も美味しいから文句はない。むしろ満足している


「後は寝るだけだな。そういえば、この旅館には何日泊まるんだ?」


 旅行開始時に聞いていなかった事を今の内に聞いておこう。後で聞いてないという事がないように


「お兄ちゃんに言ってなかったけ?」

「ああ、聞いてない」

「泊まるのは3日だよ~」

「3日間ずっと仕事するのか……」

「いや、仕事は明日と明後日のみで3日目は純粋に観光の為だって母さんが言ってた」


 羽月さん、俺には何も言わず、遊華たちにはキッチリ説明するんですね……


「お義母さんがたまにはお兄ちゃんと旅行でもしてきなさいってさ」

「そうか、じゃあ、3日目は思いっきり楽しむとするか」

「「「うん!」」」


 で、今から楽しめる事を探してみるが、何があるだろうか?明日は仕事だし、夜更かしはよくないし……風呂にでも行く?それはそれで悪くないが、問題はまだ風呂が開いてるかどうかだ。確か大浴場の開放時間はっと……


「0時までか……」


 大浴場の開放時間は0時までで現在時刻は23時30分だ。つまり、部屋を出て大浴場に行くには時間がない。そう言えば、部屋風呂があるって書いてあったな。


「大浴場に行きたかったが、間に合わないなら仕方ない。部屋風呂で我慢するか……」


 大浴場が開いてないなら仕方ない。それに、部屋の風呂に入るのもまた一興だ。遊華たちはお土産コーナーに行ってていないし、1人で入るならちょうどいい。それに、入口からだと死角になってるし、部屋の室内からも見えずらいところにあるし。


「風呂の扉に鍵掛けとけば問題ないか」


 扉に鍵を掛けとけば遊華たちも簡単には入ってこれないだろうし、俺がいなくても風呂の扉を確認したら俺が入ってることくらいわかるだろう。


「おお!デカい窓!曇ってはいるが、開ければ景色が一望できるな」


 せっかくの景色だ。楽しみながら湯に浸かる遊華たちに乱入されたらできない事だ。


「お土産コーナーに行ってて助かった。いたら入る前から大変な事になってたかもしれないな」


 いたらいたで賑やかだが、いないといないで静かだ。言い方を変えるといたら騒がしい。いないと寂しいと言ったところか


「いたら騒がしいが、いないと静かか……風呂に入ってる場合ってどっちがいいんだ?」


 ふと思う。風呂に入ってる時って賑やかなのと静かなのとどっちがいいんだ?と子供と一緒だとどうしても賑やかになるし、大人と一緒だと静かだし……遊華たちと一緒だと誘惑してくるし


「うん、やっぱり遊華たちは風呂に入る時は1人1人だといいが、全員はいらないな」


 勝手に自問自答し、酷い言いようだが、遊華たちの中の誰かと一緒に風呂に入るのはいいが、全員同時に入るのは勘弁願いたいという結論に至った


『お兄ちゃん、ただいま~』


 お土産コーナーに行ってた遊華たちが帰ってきたようだ。まぁ、時間も時間だし帰ってくるしかなかったように思えるが……


『遊華ちゃん、遊ちゃんいないみたいだよ?』

『本当だ。どこ行っちゃったんだろう?』

『靴とスリッパはあるから部屋からは出てないみたい』


 どうしたもんかな?風呂から声を掛けるわけにもいかんし、まぁいいや。風呂から上ればいいだけだし、別にこの状態で声を掛ける必要はない。のんびりと湯に浸かるか。のぼせない程度で


『私ちょっとお風呂の方を見てくる』

『私も行く~』

『私も……遊ひょっとしたらお風呂に入ってるかもしれないし』


 何で揃いも揃って俺が風呂に入ってる時に来るんですかね?だが、問題ない。脱衣所と入口にはバッチリ鍵を掛けたし、入れないはずだ。このまま息を潜めていよう。


 息を潜めていようなんて思わなきゃよかった。俺は今すごく後悔している……主に目の前の遊華たちによって……


「お兄ちゃん、お風呂入ってるのはいいけど、書置きくらいは残しておいてほしかったな」

「はい……」


 仁王立ちしている遊華たちと正座している俺……晩飯が終わり、それぞれが自由な時間を楽しんでいた。それは俺も同じで遊華たちが風呂から上った俺を正座させているのは納得いかないのはどうしてだろう?

今回は夕飯と遊の自由時間の使い方の話でした

旅館に来て寝るまでの時間や夕飯の時の席順をどうするか?でした

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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