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俺が遊華たちの暴走に新たな対策を立てる件について

今回は遊が遊華たちに対して新たな対策を立てる話です

前半は少し暴走気味な遊華たちですが・・・・

では、どうぞ

 どうしてこうなってしまったんだろう……確かに俺が女将さんに見とれていた事が大元の原因だろう。この事について言い訳をするつもりはない。だが、俺には思う事がある。それは俺が女性と何かある度に遊華たちは現在のように迫ってくるのだろうか?


「さて、遊華。香月と美月はわかってくれたが、遊華は……」

「もちろん、納得してないよ」


 知ってた!遊華が簡単に納得してくれるわけがないって俺は知ってた。さて、まずは遊華の主張を聞いてからだな


「遊華も香月のように俺との絶対的な繋がりがほしかったり、美月のように強引にでも俺と結ばれたいとか思ってたりするのか?」

「うん、そうだね。お兄ちゃんとの絶対的な繋がりがほしいし、強引にでも結ばれたいよ?でも、お兄ちゃんはそんな事を望んではいないでしょ?」


 あれ?遊華の説得は香月や美月よりも簡単なんじゃないか?この調子でいくと苦労せずに説得できるかもしれない


「ああ、俺はそんな事は望んでない」

「だから、お兄ちゃんには私を意識してもらえるようにお兄ちゃんに私を刻み込む」


 遊華は香月や美月とは別の意味で重い。刻み込むって下手したら流血沙汰だし……


「遊華、刻み込むってどうやるつもりだ?」

「もちろん、身体にも心にも刻み込むんだよ」

「どうやって?」

「そんなの簡単だよ。お兄ちゃんの身体に私の名前を彫る。そうすれば身体にも心にも私が残るでしょ?だけど、まずはお兄ちゃんを私にメロメロにしなきゃ」


 なるほど、遊華はまず俺を遊華しか見えない状態にしてから俺の身体に自分の名前を彫ろうって魂胆か。うん、わからん!


「俺は例え遊華にメロメロになったとしても身体に名前を彫られるなんてまっぴらゴメンだ。そもそも、俺は自分の好きな人であってもそんな事をされたら一瞬で嫌いになるぞ」

「え?お兄ちゃんは私を嫌いになるの?」


 いや、何で俺が遊華を好きな前提で話が進んでいるの?いや、好きだよ?家族としてはね


「俺が遊華を嫌いになるわけないだろ?」

「じゃあ、身体に名前を彫っても問題ないよね?」

「いや、それは問題あるだろ。嫌だよ?俺は。気軽に旅行先で大浴場に行けなくなるし、プールとか海とかにも行けなくなるし」


 さぁ、遊華よ。俺はカップルが思いつきそうなイベント行事を遠回しに伝えてみたが、どうする?お前が俺の事を本当に好きなら旅行とかに行けなくなるのは嫌だろう?


「お兄ちゃんは私と旅行とか海とかプールに行きたいの?そんなに私の水着や裸を見たいの?」


 何か話があらぬ方向に進んでいるが、ここは合わせて俺は身の安全を確保する事にしよう。だが、待て。ここで水着姿を見たいって言った場合はまぁいいとして、裸は問題ありだろ。ありすぎるだろ。どうやって切り抜ける?裸には興味ない?こんな事を言ったら暴走しかねない!どうしたもんか……


「裸はともかく、水着姿は見たいな」


 何を言ってるんだ!?俺は!これじゃただの変態だ!遊華や香月、美月の日頃の行いを知っているし、遊華に至っては前に隠しカメラでの映像で下着姿で俺と添い寝しているところを見ているからな!あれ?水着姿を見たいって言っても問題なくね?


「お兄ちゃん……そんなに私の水着姿を見たいの?」


 裸の事は忘れてくれたようで助かった!とにかく、今は水着姿にこだわっているようだし、ここは水着姿の事に話題をシフトしよう


「ああ、見たい。スゲー見たいぞ」


 若干投げやりになってしまっている感じは否めないが、俺が助かるには遊華の水着姿を見たいっていう前提で話を進めよう。


「そ、そっか……見たいのか……」


 遊華が頬を赤く染め、ブツブツと何か呟いている。この隙に一気に遊華を説得してしまおう


「遊華ならどんなものを着ても似合うと思うし、いろんな服を着た遊華を見てみたい。だから、こんな事はもう止めないか?」

「お兄ちゃんがそんなに言うなら止める」


 何とか遊華の説得にも成功したみたいだし、これにて1件落着!俺の平和な旅行が帰ってくる!仕事の宿泊で家族と一線超えるとかシャレにならんし


「わかってもらって何よりだ」

「うん、お兄ちゃんの言いたい事と言っている事はわかった。けど……」

「ん?何だ?」


 今度は別の意味で遊華の目から光が消えた。え?わかってもらえたんだよね?この話はもう終わりだよね?これ以上は何もないはずなんだけど?


「お兄ちゃんが他の女を見ないようにするくらいなら許されるよね?」


 は?遊華?何をする気だ?さっきの話は聞いてたはずなんだが?


「遊……」

「遊ちゃん……」

「お兄ちゃん……」


 いつの間にか香月と美月も参戦してるし……え?これから何が始まるの?怖いんだけど?


「何だ3人とも俺に近づいて何をする気だ?」

「「「ゆ・う・わ・く」」」


 遊華たちの説得には成功したが、遊華たちの中では俺を誘惑する事は確定事項みたいです。既に迫ってきてるし……


 説得に成功しても結果は変わらなかった。現在の俺が言えるのはこれだけだ。そもそも、遊華たちは浴衣をはだけさせ、俺に密着しそのたわわに実った胸を押し付けて来たり、半裸に近い状態で俺に密着してきたりといろいろ大変だった。だが、俺はその誘惑全てに完全に勝利した。代償として精神的疲労が尋常じゃないが……


「悪い気はしないんだが、毎度毎度となるとさすがに疲れる。そのうち疲れを通り越して慣れてくるんじゃないか?」


 好きな食べ物だって毎日毎日だと飽きてしまうのと同じで遊華たちの誘惑も毎度毎度の事になると慣れてきて何も感じなくなるんじゃないか?今でこそアタフタしているが……


「ん?慣れ?そうか、慣れればいいんだ!」


 我ながらぶっ飛んだ発想だと思うが、要は遊華たちの色仕掛けに慣れてしまえば普段と変わらぬ対応ができるはずだ!幸せそうに寝ている遊華たちを見て慣れって大事だなと改めて思う


「自分で誘惑される形を作るのは何か違うが、これもそれも全ては慣れるためだ」


 俺は寝ている遊華と香月の間の空間に人1人寝られるだけのスペースを確保する。


「今回は美月だな。配置的に考えて。まぁ、美月は簡単に起きないだろうから多少動かしても大丈夫だろ。やってる事は変態そのものだが、多分笑って許してくれるだろうし」


 さっきまでの行動を考慮するによっぽどの事がない限りは怒らないと思う。自意識過剰だと思うが


「さて、じゃあ、夕飯まで寝るか」


 座布団を俺と遊華、香月の頭の上に置き、枕にする形で寝転がる。配置的には右に遊華、左に香月、俺の上に美月という配置である


「起きた時に適当に言い訳するか」


 遊華たちなら怒りはしないだろうし、怒ったとしてもどうして自分が上じゃないんだ的な意味では怒るだろうけど、それ以外の理由では怒らないだろう。


「おやすみなさい……」


 俺は遊華たちの温もりとそれぞれの特有の香りに包まれながら眠りについた。


「ん?今何時だ?」


 俺はどれぐらいの時間眠っていたんだろう?いや、時間も大事だが、遊華と香月はともかく、美月はよく俺の上に乗ったまま寝れるな


「ん?お兄ちゃん?」


 時間を確認しようと頭上の携帯に手を伸ばそうとしていたところで遊華が起きた


「おはよう、遊華」

「うん、おはよう……って何これ!?」


 目を擦っていた遊華が自分の状態と俺の状態を見て一瞬で覚醒した


「んぅ……うるさい……」


 俺の上に乗っていた美月が遊華の声に驚いて起きたようだ。珍しい……美月が遊華の声程度で起きるなんて


「おはよう、美月」

「ん~、おはよう~。遊ちゃん」


 美月は俺の上に乗ったままいつもと変わらない感じであった。いや、あったじゃねぇよ!美月は違和感を持て!


「お兄ちゃん!説明して!」


 あ、遊華の事忘れてた。どうせ説明するなら香月が起きてからでも遅くはないはず。


「香月が起きてからでいい?」

「私はいいよ~」


 美月は了承したが、遊華はどうだ?了承するか?しないか?


「ダメ!今すぐ!」


 遊華は了承しないか……仕方ない、香月が起きてからと思っていたが、遊華はせっかちなところがあるからなぁ……


「うるさい。何?」


 タイミングよく香月が起きた。さて、香月も起きたことただし、説明させていただきますか


「お兄ちゃん!説明!」


 痺れを切らした遊華が俺に詰め寄ってくる。近い近い!説明するからもう少し離れてくれないかなぁ……


「説明?遊、何の事?」


 寝起きのせいなのか、香月は状況が理解できていない状態だ。まぁ、それを今から説明するんだけど


「香月と遊華の間に俺がいて美月が俺の上で寝ていた理由」

「それは私も是非聞きたいな。いいでしょ?ねぇ、遊?」

「ああ、もちろん」


 俺は遊華たちに本当の狙いを伏せ、遊華たちと一緒に寝るだけではつまらないし、面白味もない。香月と遊華の間に俺が寝て、その上に美月を乗せた方が面白い。要するに家で寝るのとは違う形で寝たいという説明をした。こんなわかりづらい説明で遊華たちはよく納得してくれたなと思う


「なるほど、事情はわかったよ。お兄ちゃん」

「わかってくれたか妹よ」

「事情はわかったけど、どうして私が上じゃないの!」

「起こすの悪いなぁと思ったから」

「じゃあ、今日の夜寝る時は私が上ね!わかった?」


 マジですか?夜にも同じ事をするの?寝相悪くないのと寝苦しくないっていうならいいんだけど


「はいはい、わかったわかった」


 どうせやらされるんだ。適当に返したところで問題はないだろう。だが、俺には1つだけ確認というか言っておくことがある。


「寝るまでに誰が俺の上で寝るかを決めておいてくれ」

「「「わかった!」」」


 時刻は現在、午後5時30分。あと30分もしたら晩飯だ。その間にこの30分の間に何をして時間を潰すか……この旅館って夕飯は各部屋に運ばれるみたいでバイキングじゃないからな。部屋の荷物の整理って言ってももう既に荷物は整理整頓してあるし……ゲームコーナーに行って30分で戻ってくるなんて俺の性格上無理だと思うし……


「さて、どうしたものか……」


 本当、暇な時間ほど苦痛なものはない。この旅行に来てからまだ1日目だが、しみじみと思う。今までは暇な時間がほしいと思っていたが、今は逆に暇な時間ほど退屈で苦痛なものはない。人間、ほしいものが手に入ると満足して別のものがほしくなるなんてな。面倒な生き物だ。



今回は遊が遊華たちに対して新たな対策を立てる話でした

まぁ、毎度毎度誘惑されると身が持たないわけで・・・・間違いが起こる前に手を打つ!

それが遊!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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