素直になった遊華と10年間の想いを吐き出した件について
遊と遊華が部屋で二人きりでございます!
安心してください、間違いは起こしませんよ!
休日なんでね、連続投稿しました!
イチャイチャ成分は足りますでしょうか?
時刻は23時、あと1時間で今日が終わろうとしています。あいさつが遅れましたね、みなさん、こんばんわ。藤堂遊です。問題です、今俺はどのような状態でしょうか?
「えへへ~お兄ちゃ~ん」
「お、おい、遊華…………」
「ん~?な~に?」
そう、妹に抱きつかれて困っております……
「は、離れてくれない?」
「いやっ!!」
遊華は俺に抱きついたまま離れない。ちゃっかり胸元で顔をグリグリするな
「ど、どうしても?」
「どうしても!」
どうやら、遊華は何があっても離れる気はないようだ
「お兄ちゃんからしたらそうでもないと思うけど、私は10年もお兄ちゃんと離れてて寂しかったんだから……」
「遊華……」
遊華がいきなり抱きついてきた原因は俺と離れてた分の反動か……だがなぁ……
「遊華、蒸し返す訳じゃないが、お前俺が遊びに行った日にはそっけなかったじゃん」
「うっ……それは……」
遊華が言葉に詰まったようだ。心なしか耳まで真っ赤に見える
「それは?」
「それは……」
「言ってみ、どうせ14歳の遊華じゃ理由を教えてもらう前にまともに話すらしないからな。24歳の遊華に聞くしかない」
「それは、あの時は照れ臭かったし……14歳にもなってお兄ちゃんと一緒にいたいなんて言えないし……でも、話をするとボロが出ちゃいそうだし……うぅ……恥ずかしい……」
「24歳になってようやく素直になったな、遊華」
素直になった遊華は可愛く見えた。俺はシスコンじゃないぞ
「そう思うなら私を抱きしめてよ」
「さっき思いっきり抱き着いてこなかったか?」
「それは私からでしょ!お兄ちゃんからはしてもらってない!ほら、早く!」
「あ、ああ」
俺は遊華を優しく抱きしめた。少し力を込めると折れてしまいそうだな……
「もっと強くして……」
遊華はさらに力を込めるように要求してきたが、俺としては折れてしまうんじゃないかと思う。
「いいのか?」
「うん、いいよ」
遊華に許可を得たところで遊華の望み通りにしてやるとするか
「んっ……お兄ちゃん」
「何だ?遊華」
「ちょっとだけ……本当にちょっとだけ胸借りるね」
「ああ、好きにしろ」
「うん、好きにする」
遊華は俺に抱き着く力を強めると静かに泣き出した。
「グスッ……ヒグッ……お兄ちゃん、寂しかったよぉ……不安だったよぉ……勝手にいなくならないでよぉ……」
「ごめんな、遊華」
静かな部屋に遊華の泣き声だけが響いた。そして、俺にはこの涙を止める術はない……ただ泣いてる妹を抱きしめてやることが今の俺にできる精一杯のことだ。
遊華はしばらく泣いた後、完全にとはいかないが落ち着きを取り戻した。
「お兄ちゃん、私に寂しい思いをさせた責任とってね?」
「わかった。俺にできる限りのことはしよう」
「じゃあ、ずっと私と一緒にいて」
「え?それだけ?」
「うん!今のところはそれだけ!」
ほっ、よかったぁ……俺はてっきり無茶な要求してくるものだとばかりいたのに……遊華はなんだかんだ言って優しいんだな。
「あ、あといくつか要求するね。いいよね?お・に・い・ちゃ・ん?」
「え?さっきは一緒にいるだけでいいって言わなかった?」
「私は1つだけとは言っていないよ。それに、お兄ちゃんはさっきなんて言った?」
「覚えておりません」
ヤバい、嫌な予感しかしない……
「俺にできる限りのことはするって言ったよね?」
「そう言ったかもしれないですね」
「かもじゃなくて、言ったよね?い・っ・た・よ・ね?」
「は、はい……言いました」
何だ遊華のこの威圧感は?冷や汗が止まらないんだが…………
「じゃあ、まず1つ目だけど」
「あ、ああ……」
「お兄ちゃん、絶対に彼女を作らないで」
「わかった」
この時代で彼女なんて作ってみろ、俺が元の時代に戻った時に大変なことになる。
「さっきの補足だけど、彼女にするなら私以外は認めないから」
「え?俺に兄妹で恋人ごっこしろって言いたいの?」
「今はそういう認識でいいよ。いずれわかることだもん」
一体何がいずれわかるんだ?遊華とは血の繋がった兄妹だろ?
「2つ目は香月お義姉ちゃんや美月お義姉ちゃんとはイチャイチャしていいけど……いや、私たち以外とイチャイチャしたら許さない……それを覚えておいて」
「あ、ああ……あれ?でもさっき彼女にするなら遊華以外はダメだって言ってなかったがいいのか?俺が仮に香月や美月とそんなことしていても」
「本当はすっっっっっごく嫌!!だけど、家族としてはあの二人にもお兄ちゃんを貸してあげなきゃいけないと思うから……少しなら……許す……」
俺は物か?そして、遊華って意外と独占欲強いのな……
なんかもう今日だけでいろいろありすぎて諦めがつきそう。
「もうどうにでもなれ……」
「ん?お兄ちゃん文句でもあるの?」
「ありません」
俺にはありません以外の回答が許されなかった
「3つ目の発表なんだけど、いい?」
「ああ、もう諦めた。早く発表してくれ」
「3つ目はね……もう勝手にいなくならないで……ずっと私の傍にいて」
「そんなことでいいなら、喜んで」
「お兄ちゃん……」
「遊華……」
俺と遊華は無言でしばらく見つめ合う。だが、俺には疑問に思うことがある。それは、もしもの時のことだ
「遊華、1つ聞きたいんだが」
「何?お兄ちゃん?」
「もしも、俺が3つの内のどれかを破った場合どうなる?」
「は?お兄ちゃん、私との約束破るの?」
遊華は俺に抱き着いたまま俺の顔を見つめてきた。
「い、いや、破る気はないんだが……万が一ということもあるだろ?」
「約束破ったら、お兄ちゃんを監禁する……二度と外には出さない……ずっとずーっとお兄ちゃんを私から離れられないようにするし、絶対離さない……」
遊華の目には光がなかった。むしろ逆らったら殺されるんじゃないか?という恐怖が俺を支配した
「ば、馬鹿だなぁ、遊華は……俺が遊華との約束を破るわけないだろ?俺を信じろ」
「うん、お兄ちゃんを信じるよ」
「そろそろ立ったままは疲れたな」
「そうだね、じゃあベッドに行こうか」
はい?え?同じベッドで寝るの?
「遊華?俺は床で寝るんだよな?」
「え?違うよ?同じベッドで一緒に寝るんだよ?」
「それまずいだろ」
「何?嫌なの?」
俺も男だ、こんな可愛い子と一緒のベッドで寝られるなら本望だ。だが、同時に間違いが起こる可能性もある。俺としてはそこが心配だ……なんてことではなく、純粋に15歳の俺は妹と同じベッドで寝るのが恥ずかしいだけだったりする
「別に嫌じゃないが、恥ずかしい」
「私は恥ずかしくない!お兄ちゃんと一緒に寝たい!」
ここまで力説されるとむず痒いものがあるが、ここで断ると遊華の目からまた光が消えるなんてなりかねないので、大人しく従っておくか。俺には10年の間、遊華に寂しい思いをさせたという弱みがあるわけだし
「わかった、一緒に寝よう」
「なんかやけにすんなり受け入れたね」
「まぁな、俺には弱みがたくさんあるしな。それに、断らせないんだろ?」
「うん、絶対に断らせない」
そら見ろ、最初から俺に拒否権なんかないじゃないか……しかし、今は年上とはいえ妹にやられっぱなしってのもなんか癪だ。ちょっと仕返ししてみるか……
「ベッドに入るぞ、遊華」
「うん」
俺たちはベッドに入ることにした。俺の位置はなぜか壁側だが、遊華曰く『お兄ちゃんが夜中にこっそり逃げないためだよ!』とのことである。だが、俺にはちょうどいい。俺を壁側にしたことを後悔するがいい!!
「お兄ちゃん、狭くない?大丈夫?」
「大丈夫だ。狭くない。それよりも、遊華」
「うん、何?」
「もう少しこっちに来い」
「うん、わかった」
さて、反撃開始といきますかね。
「遊華……」
「何?お兄ちゃん」
「愛してる」
俺は遊華の身体を抱き寄せて愛の言葉を囁いた。無論ウソではないが、あくまでも家族としての愛情だ。
「きゅう……」
遊華はそのまま真っ赤になってしまった。どうやら気を失ったようだ。仕返し成功!やったね!さて、俺も寝るか
転んでもタダでは起きない!それが藤堂遊!
相手に簡単に主導権を握らせないのも藤堂遊です!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
もっとイチャイチャさせてほしかった方はごめんなさい・・・