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俺の家が賑やかになりそうな件について

今回は遊の家が賑やかになる話です

普段は4人しかいない家ですが、今回は人がいっぱい

では、どうぞ

 美月の友達である内野亜衣さんの本性を見事暴いた俺、藤堂遊はその後の対応に非常に困っていた。天然系キャラが作りものだってわかったのはいいとして、内野さんが天然系じゃなくて、実はアホの子じゃないか?という疑惑が生まれたからだ。つまり、この人は他人から言われた事は何でも信じてしまうんじゃないか?


「あの~、内野さん?」

「ん?どうしたの?遊君」

「どうして家に来たんですか?」

「どういう意味?」

「いや、内野さん友達多そうだし、わざわざ家に来る必要なんてなかったんじゃないかと思いまして……」


 内野さんが常日頃から天然系のキャラを作っているとしたら女性の友達はわからんが、男性の友達は多そうだし、男って天然系女子に弱い傾向にあるし。人によるが


「ん~、美月が話してた遊君に会って私の演技力がどこまで通用するのか?って事を試してみたいっていうのが1つともう1つは純粋に遊君に会ってみたかったから美月の家であるここへ転がり込んだってところかな」

「よくはわかりませんが、まとめると俺に会いたかったって事ですか?」

「うん!」


 試されている事を除けば喜んでいいのかな?ぶっちゃけ微妙だ。素直に喜べない自分がいる……というか、香月の友達はクール系の人しかいないし、美月の友達は天然系のキャラ作ってまで俺を試すような事をする人しかいないのかよ……香月の友達に関しては俺の主観だがな


「内野さんって美月の友達なんですね……」

「当たり前だよ!美月とは中学の頃からの付き合いだからね!」

「はぁ、そうですか」


 俺と内野さんでは言葉の解釈の仕方に大きな壁があるようだ。少なくとも俺は天然系キャラ作ってまで俺を試すとはさすが美月の友達ですねって意味で言ったが、内野さんは多分、美月の事を理解しているなんてさすが美月の友達ですねって意味に聞こえたに違いない


「遊君、うかない顔してるね」

「今日はいろいろあったんですよ……」


 浩太が奥さんにキャバクラ行ったのバレて家に匿うとか、内野さん、あなたが家出してきた事とかね……浩太は俺が拾ってきたが、あなたは家に押しかけてきたわけですし……


「ふ~ん、そうなんだ」


 内野さん、興味なさそうですね。あなたの事も含まれているんですよ?しかも、興味なさそうだし……


「そうなんです」


 クソ寒い親父ギャグと取られても構わないが、これ以外にうまい返しが見つからない


「あれ?お兄ちゃん、お客さん?」


 遊華がタイミングよく降りてきてくれた。今のお前は女神に見えるぞ。遊華


「ああ、美月の友達が来ているんだ」

「ふ~ん。って亜衣さん?」

「やほ~、遊華ちゃん」

「なんだ?知り合いだったんですか?」


 遊華と内野さんが知り合いだったなんてビックリだぞ。まぁ、美月の友達という時点で知っててもおかしくないとは思うが


「遊華ちゃんとは時々現場で一緒になるよ?」

「うん、時々一緒になるよ?」


 と、いう事は内野さんも遊華や美月と同じ仕事をしてるのか。こんな偶然もあるんだな


「俺の身内のメディア露出率スゲーな」


 もうツッコむ気にもならん。何て言うか、俺は周囲の人間の認識を改めなければならないな。


「お兄ちゃん」

「何だ?遊華?」

「改めて私たちの凄さ思い知った?」

「ああ、メディア露出率って意味で凄いとは思った」

「「ふふ~ん!どうだ!凄いだろ!」」


 なぜか内野さんと遊華がドヤ顔していたが、素直に凄いなとは思ったが、ドヤ顔されるとそれはそれで腹立つ。


「素直に凄いとは思うが、そのドヤ顔は何か腹立つから2人とも飯抜きな」

「「そんな!?」」


 この2人息ピッタリだな。遊華の友達も香月の友達もそうだが、本当に似たり寄ったりの友達を集めるの得意なんですね


「飯抜きは冗談として、そろそろ浩太と美月が帰ってくる頃だから片付けよろしくな」

「「了解しました!」」


 遊華のテンションが高いのは放っておこう。これから浩太も帰って来るのにこれ以上ツッコんだら身が持たん


「ただいま~」


 玄関から美月の声が聞こえてきた。どうやら帰ってきたようだ。さて、浩太が帰ってきたところで晩飯の用意をするかな。


「おう、おかえり」

「おう、遊。バッチリ買い出ししてきたぞ!」

「ああ、助かる」


 俺は美月から買い物袋を受け取り、リビングに運ぼうとするが─────


「あの~、遊ちゃん」

「ん?何だ?美月」


 美月によってそれは阻まれた。晩飯のリクエストでもあるのか?


「もう1人今日泊めてもいいかな?」

「はい?」

「遊、買い物途中で遊華ちゃんの友達って言う子に出会ってな。連れてきた」


 浩太、連れてきたじゃないからね?飯作るの俺だからね?まぁ、家の住人に許可を取れって言うなら美月も住人だから美月が許可したならそれでいいが


「美月がいいって言ったなら俺は構わない」

「うん、私はいいよ~。ということで入ってきて」


 美月が扉を開け、買い物途中で会ったという人を中へと招き入れた。


「お邪魔します。遊さん」


 入ってきた人物は冬野さんだった。冬野さんも内野さんと同様に大きな荷物を持っている。1人暮らしなら特殊な事情があるんだろうが、実家暮らしなら家出だろうな


「どうも、冬野さん。大荷物ですが、どうしたんですか?」

「実は……」

「遊ちゃん、こんな所で立ち話もなんだしリビングに行こうよ」

「それもそうだな。冬野さん、リビングへどうぞ」

「お邪魔します」


 何かどんどんこの家の人口増えて行ってないか?寝るとことかどうすんだよ……


「あ、美月、おかえり」

「ただいま、亜衣、遊華ちゃん」

「美月お義姉ちゃん、浩太さん、おかえりなさい」

「おう!ただいま!遊華ちゃん!」


 呑気だねぇ、この連中は。俺なんて晩飯のメニューを考えなきゃいけないのに。とりあえずは浩太と美月が買って来てくれた食材を冷蔵庫に入れてから考えますか。その間、遊華たちは勝手にやるだろ


「ずいぶんと多いな」


 金はおそらく浩太が出したんだろうけど、さすがに量が多いな。肉も魚も。まぁ、多い分には構わないけど、これで何を作るかだな……


「考えるの面倒になってきたし、肉も魚も野菜だってたくさんあるし、今日は人数も多い事だし、バーベキューにでもするか。捨ててなければホットプレートがあるはずだし」


 今日の晩飯はバーベキューに決定!洗い物は皿と箸とホットプレートだけで済むし、何より全員分のおかずを作るのもめんどくさいしな。香月も含めてリビングにいる連中を見捨てていいと言うなら俺は迷わずこの大量の食材と飲み物を持って部屋に籠るが、さすがにそんな事はしない。


「さて、ホットプレートを探すか」


 俺の記憶が正しければ食器棚の下にあったはず。さて、10年後の今でも置き場所が変わってなければいいんだが……


「お、あったあった」


 ホットプレートを見つけたはいいが、これをあの呑気にトーク中の連中の中に持って行くのか……冬野さんが家に来た事情も聞かなきゃいけないし、いいか


 箱からホットプレートを出し、それを持ってリビングへと向かう。トークを中断したとしても文句は一切言わせる気はない。文句があるなら手伝え。特に家の住人


「話し中悪いが、真ん中失礼」


 俺は遊華たちを強引に退かせる形でホットプレートを運び込んだ。まぁ、別にいいだろう。


「お兄ちゃん、感じ悪くない?」


 遊華よ、そんな事を言うか。こっちとら突然の来客で晩飯のメニューに頭を悩ませ、如何にして洗い物を少なく済ませようかと悩んでいたというのに。そうだ、ここは1つ遊んでみるか


「気のせいだろ?別に遊華たちが晩飯の用意を手伝わずに呑気に話をしている姿にムカついたとかないから」

「「「「「うぐっ……!」」」」」


 遊華たちが苦い顔をした。だが、俺はここで止めるつもりはない。手伝わないお前らが悪い


「せめて食器を出すとかしてくれたらとか思ってないし、ここにいて手伝ってくれない人は飯抜きにしようかな?とか別に考えてないし、いっそのこと食材を持って自室に籠ってバーベキューをしようかなとか考えてないから安心しろ」


 遊華たちを脅迫したつもりはないが、俺がここまで言い終わった瞬間、その場にいた全員が一斉に動き出した。


「お兄ちゃん!お皿出したよ!」

「お、おお、ありがとう」

「遊ちゃん!焼肉のタレはここでいいよね?」

「ああ、そこでいい」

「遊君!飲み物はまだ冷えてないからコップだけ置いておくね!」

「ありがとうございます」


 さっきまで駄弁っていた連中が急にやる気になってくれたのは嬉しいが、そこまで慌てなくてもいいんじゃないか?


「みんな手伝ってくれるのは嬉しいが、そこまで慌てなくてもいいんだぞ?」


 けしかけた俺が言えた立場じゃないが……しかし、手伝ってくれるのはありがたい。余程飯抜きが効いたらしいな。


「遊、確かに手伝わずにしゃべっていた俺たちが悪い。それは事実だが、何よりも俺たちは飯抜きが1番きついんだ」


 浩太、結局は飯の為かよ。否定はしないがな。今度から遊華と美月はこの方法で動かそうかな……


「ところで、冬野さんはどうして家に来たんだろ……」

「ああ、あの人の家は現在水道工事で水が使えないらしい。そんでいきなりで悪いとは思ったが、急遽ここへ来ることにしたらしいぞ」


 俺の独り言に対し、律儀にも浩太が説明してくれた。後で本人から聞こうと思ったが、今こうして浩太から聞けたからいいや。


「へぇ~、冬野さんは家出じゃなくてよかった」


 水道工事なら家にいても日数なんて知れてるし。そもそも、水道工事って時間掛かるものだったっけ?


「まぁ、親と喧嘩した内野さんや仕事の付き合いとはいえ、キャバクラ行った事がバレて奥さんと気まずくて家に帰れない浩太よりかはマシか」

「ぐはっ!」


 浩太はその場に蹲ってしまった。おいおい、事実だろうが!蹲ってる暇あったら奥さんに謝る方法を考えた方がいいんじゃないか?


「準備も済んだし、飯にするか。誰か香月を呼んできてくれ」


 どこで寝るか?とか風呂の順番は……俺ら男性陣は決める必要ないか。浩太は俺の部屋の風呂を使えばいいし。その場合は浩太が先だが……とにかく、諸々の事は後で決めるか

今回は遊の家が賑やかになる話でした

普段は4人しかいない家でも人が集ると賑やかになるんですね。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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