俺が煩悩に負けそうな件について
今回は遊が煩悩に負けて悪戯する話と女性陣がそれを容認する話です
徐々に遊が壊れていくような気がしますが、気のせいです
では、どうぞ
遊華と香月が酒に酔った騒動の次の日である。美月から遊華の俺に対する想いというのを聞いたり、美月が毎日俺と一緒に寝たいとか言い出したりと意外な一面を垣間見た。常日頃から俺と寝たいとかそう言ったニュアンスの事を言ってくるが、昨日に限って真剣だった。
「んぁ……もう朝か……」
何かもう俺はいろいろと慣れてきた。女性に耐性が付いてきたのかな……
「3人とも幸せそうな顔してんな。どれ、1つ悪戯でもしてみるか」
3人の頬を順番にプ二プ二と突いてみる事にしよう。最初はそうだな……
「いつもは遊華からだからな、今日は香月からにするか」
では、藤堂遊!いっきまーす!おぉ!柔らかい!さすが女子!
「ん~や~」
香月は嫌そうに顔を反らしてる。なにこれおもろい……だが、あんまりやり過ぎると起こしてしまう恐れがある。これくらいにしておくか。
「次は美月だな。どれどれ」
香月が柔らかかったんだ、美月もきっと柔らかいはずだ
「では、行かせていただきます」
美月の頬を突いてみる。うん、やっぱり柔らかい。
「んぅ……」
こちらも嫌そうに顔を反らしたな。やっぱり寝ている時に頬を突かれると言うのは嫌なものなのか?
「美月も嫌そうに顔を反らしたか……次は遊華だな……」
香月と美月は嫌そうに顔を反らしたし、遊華も同じ反応するだろうし、止めとくか?
「だが、起きてバレた時が大変だし、それに遊華なら顔を反らさないかもしれない」
たまたま香月と美月が顔を反らしたのであって、遊華は違う反応をするかもしれない
「やってみる価値はありそうだ。やってみるか」
まずはやってみないとな。では、遊華の頬、いただきます!
「うん、柔らかい。香月も美月もそうだが、遊華も頬が柔らかい。突くのが癖になりそうだな」
頼んだら突かせてくれるかな?なんて考えている俺は間違いなく変態だな……
「ん~」
お?やり過ぎたか?香月と美月みたいに顔を反らすかな?
「えへへ~」
遊華は嫌がるどころか幸せそうな顔をしていた。2人と反応が違うな……
「どれ、今度は口元に指を持って行ってっと」
俺は悪戯心に火が付いてしまったせいか、遊華の口元に指を持って行った
「ん~、はむっ」
口元に持って行った俺の指を遊華が銜えてしまった。これは予想外だ
「俺の指を何だと思って銜えてるんだ?遊華は」
10年後の世界に来て素直になった妹が今度は赤ん坊になりました。ってか?
「おにぃぃちゃぁぁぁん、えへへぇ~」
うわ、スゲーだらしない顔。一体どんな夢見てんだ?にしても、香月も美月もそうだが、遊華って意外とスタイルいいんだな。胸も大きいし……
「触っても怒らないかな……」
おい、俺は今何を口走った?妹や義姉の胸を触りたいなんて、これじゃあただのヤバい人じゃねーか!
「いかんいかん、ちょっと悪戯が過ぎたな。コーヒーでも飲んで気分を落ち着けよう」
寝ている義姉と妹に悪戯で頬を突いて無意識のうちに興奮してしまったのか?俺は
「別にいいよ。お兄ちゃんなら」
キッチンに行こうと立ち上がったら背後から寝ているはずの遊華の声が聞こえた。
「え?」
振り返ると遊華がバッチリ目を覚ましていた。しかも、遊華だけじゃなく香月と美月もだ
「な!?3人ともいつから……」
「私は遊が頬を突きだした時から」
「私も遊ちゃんが頬をツンツンした時に起きた~」
「私もお兄ちゃんのほっぺたツンツンで起きたよ」
要するに3人とも俺が頬に悪戯した時に起きてたのか。それならそうと声を掛けてくれればいいのに
「起きてたなら一声掛けてくれればいいのに」
「珍しく遊が私に触ってきたからそのまま寝たふりをしていたんだよ」
「私も香月ちゃんと同じかな~」
「私はお兄ちゃんが口元に指を持って行ったから思わず銜えちゃった」
1人だけ違うような気がするが、要するに3人とも俺が頬を突いた時にはもう起きていたのね
「あー、今日の事は忘れてくれると助かる」
酷い事を言っているように聞こえるかもしれない。都合のいい事を言っているのも理解している。だが、これは一時の気の迷いであり、俺はこの3人とちゃんと向き合わないといけないと思ってる
「「「いや!!」」」
「え?」
頬を突くのはともかく、胸を触りたいなんて言われたら女性としては嫌だと思うし、会社でやったら頬を突くだけでもセクハラで訴えられるかもしれない。胸なら尚更だ
「遊、私は忘れないよ。遊から触れてくれた事を。そして、遊が触れたいって言ってくれた事を」
「香月……だが、俺の言った事は立派なセクハラ発言だ。軽蔑してくれて全然構わないぞ」
「遊ちゃん、そんな事を言ったら私たちの日頃言っている事なんて捉えようによっては逆セクハラだよ」
「美月……」
「私たちはね嬉しいんだよ?お兄ちゃん」
「遊華……」
胸を触られたいって言われて嬉しいなんて痴女なのか?
「お兄ちゃん?今もの凄く失礼な事を考えてない?」
遊華、俺の考えを読むんじゃない。怖いぞ?
「考えてない。大丈夫だ」
「そう、なら話を続けていい?」
「ああ」
「私たちはずっと不安だった。お兄ちゃんが私たちをそういう目で見ていないのかな?って」
香月と美月はいいとして、遊華をそんな目で見てたら変だろうが。実の妹なんだし
「俺は家族に欲情するほど落ちぶれちゃいない。少なくともさっきまではな」
「今はそうじゃないと、そう言いたいんだね?」
残念ながらその通りだし、そう思われても仕方ない。少なくとも俺は自分の言葉に責任は持つ男だ
「まぁな、あんな事を言った後だ。弁解しても信用はないだろう」
「お兄ちゃんなら別に私たちは構わないよ。むしろお兄ちゃんにそう言った対象に見られて嬉しいし。日頃はお兄ちゃんを振り回す事もしてるしね」
遊華は照れたように笑い、香月と美月も同じ様に笑っていた。
「だが、俺は一時の雰囲気や快楽に任せて遊華たちに触れる事はしない。それだけは確かだ」
俺は遊華たちを自分の欲求を満たすための道具みたいな扱いやそれに似た扱いをしたくない
「「「うん……」」」
遊華たちは感動しているようだ。ここで俺はとてつもなくアホな疑問を抱いてしまった。そう、未成年なら1度は思う事だと俺は思う
「遊華と香月は二日酔いとか平気なのか?」
「遊……」
「遊ちゃん……」
「お兄ちゃん……」
うん、わかってはいた。3人とも呆れた目で見つめてくるけど、未成年の俺は気になったんだもん!しょうがない。
「ごめん……」
俺はただ謝る事しかできなかった。呆れて見つめる遊華たちの視線に耐えきれませんでした。
「お兄ちゃん……」
「遊……」
「遊ちゃん……」
3人の可哀そうなものを見るような視線が痛い!やめて!その視線が余計に辛い!
「とにかく!俺は遊華と香月の二日酔いが心配だっただけなんだ」
強引な気もするが、こうなれば自棄だ。それに、遊華も香月も心配されて悪い気はしないだろう
「私は問題ないよ。お兄ちゃん」
「遊華に同じく、問題ないよ。遊」
「問題ないならいいんだ」
2人とも次の日には残らないタイプか。それならよかった。もしも残るタイプなら大変だからな
「遊ちゃん……」
美月が何か言いたそうに見つめてくるが俺にはわかっている。何も言うな……
「美月、俺が強引に話を変えたとか言いたいんだろうが、何も言うな。最近は心の整理ができない事があるだけだから」
「遊ちゃん、私は何も言ってないよ?」
口で何も言ってなくても目で言っているんだよ。よく言うだろ?目は口ほどにものを言うってな
「何はともあれ、二日酔いがなくてよかったよかった。さて、全員起きたところで朝飯にするか」
この話を続けていると堂々巡りになりそうだし、なにより俺の精神によろしくない気がするので誤魔化しの意味も込めて朝飯にする事にした
「お兄ちゃん、今日の朝ごはんは何?」
あ、メニュー考えてなかった。俺1人ならカップ麺とかでもいいんだが、遊華たちもいるんだし、和食?洋食?洋食の方がメニューによっては楽だな。
「今日は簡単な洋食にする」
「「「賛成~」」」
満場一致で朝食は簡単な洋食になった。血は繋がってなくてもこの3姉妹は意外と似ているところがあるのかもな……特に、何のとは言わないが好みとか
「本当は実の姉妹でした~……なんてな」
あるわけないか……俺は何を考えているんだか、たまたま好みが同じだった。それだけの事じゃないか
「アホらし。こんな事を考えてる暇があるならもっと別の事を考えろよな俺」
自分で自分にダメだしをするなんてな。って、1人漫才している場合じゃないか。さっさと朝飯を作ってしまおう。
「おにいちゃ~ん、お腹すいたぁ~」
「はいはい、すぐ用意するからな~」
この世界に来てからだんだん俺って専業主夫みたいになってきてないか?気のせいかな?
「俺はお前の母親かってーの」
養ってもらっている。恥ずかしながら俺は遊華や香月、美月に養ってもらっていると言っても過言ではない状態にある現在、労いの意味も込めて俺にできる事はある程度はしてやりたい。前みたいに結婚だ嫁だとかの事以外は
「よし、完成!」
今日の朝食のメニューは火を一切使わない料理となっている。まぁ、パンとサラダだからな。野菜を盛り付けてパンを皿に乗せただけだ
昼も近いという事で簡単なメニューにしてみたが、遊華たちは時間も時間という事で納得してくれた。朝食からヘビーなものは食いたくないだろうし、かと言って手の込んだ料理を作ると昼飯に食い込む可能性もあるしな。これくらいがちょうどいいと思う
俺の携帯に着信が入った。一体誰だ?まぁ、俺の携番なんて知っている人間は限られているんだがな。目の前にいる遊華たちは俺に電話を掛ける意味はないし、敬は早川と常にイチャイチャしているから俺に電話してこないだろう。秋野さんと冬野さんは連絡先を知ってはいても気軽に電話できるほどまだ親しくない。つまり、俺に電話を掛けてくる人間は──────────
「浩太か、一体何の用だ?」
携帯には“浩太”と表示されていた。それと同時に俺はなんの用だ?とも思ったが、無下にもできず、とりあえず出てみた。
『遊、今大丈夫か?』
「浩太か、どうした?」
『今から出てきて話がしたい』
「何の話かわからんが、いいぞ」
俺は電話を切り、遊華たちに出かけるという事を伝え、家を出た。浩太の奴、一体何の用だ?思い当たる節がないわけではない。むしろ思い当たる節がありすぎる。
今回は遊が煩悩に負けそうになり、女性陣がそれを容認する話になりました
人間だもの煩悩に負けそうになる事もある
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました