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私がお兄ちゃんと過ごす件について

今回は遊華から見た遊との暮らしの一部始終です

遊も出てきますが、あくまでも今回の主役は遊華!

では、どうぞ

 今日は私、藤堂遊華の休日の1部を話したいと思います。今日はオフの日なので私はいつもより遅く起きます。ちなみに、香月お義姉ちゃんと美月お義姉ちゃんはお仕事で1日家にはいません。なので、今日はお兄ちゃんと家に2人っきりです。


「今日はオフだし、今日はお兄ちゃんとずっといようっと」


 私はお兄ちゃんと1日過ごす為にまずはお兄ちゃんを捕まえるべくリビングに向かいます


「お兄ちゃん、おはよう」

「おう、遊華。おはよう」


 この見た目が幼く見えるのが私のお兄ちゃんです。実際に10年前の世界から来たから幼く見えるというより、私から見たら幼い


「今日はオフなんだからまだ寝ててもよかったんじゃないか?」

「せっかくのオフなんだからお兄ちゃんと過ごそうと思って」

「そうかい、俺は今から寝るんだが?」


 今から寝るって、お兄ちゃん何してたの!?


「お兄ちゃん今から寝るって何してたの?」

「ゲームしてた」

「お兄ちゃん……」

「何だ?その呆れたような目は」


 ようなではなくて実際に呆れてるんだけど、眠そうに目を擦るお兄ちゃんを可愛いと思ってしまうのは惚れた弱みでしょうか?


「別に。それより、私も一緒に寝てもいい?」


 今日は邪魔者2人はいないし、お兄ちゃんと2人きりで寝るチャンス!この機会を逃してなるものか!


「別に構わないけど?寝るだけなんだから退屈なだけだと思うんだけど?」


 私はお兄ちゃんと一緒にいれるだけでいいの!お兄ちゃんさえいればそれでいいの!


「私はお兄ちゃんと一緒なら何をしていても楽しいからいいの」


 恋は盲目とはよく言ったものだ。私は今、身をもって体験している。好きな人と一緒にいれるだけでこんなに幸せなんだから


「遊華がいいならそれでいいと思うが……」


 お兄ちゃん、その顔は納得してないね。まぁ、今のお兄ちゃんに私の想いを理解しろって言う方が無理か


「うん!じゃあ、早くお兄ちゃんのお部屋にいこ?」


 私はお兄ちゃんに勇気を出して抱き着いた。お兄ちゃんって何でこんなにいい匂いがして温かいんだろう……


「はいはい、わかったから離れろ」

「お兄ちゃん、女の子に抱き着かれた感想がそれ?」


 むぅ~、せっかく勇気を出して抱き着いたのに……いつもと同じで顔色1つ変えないで──────


「お兄ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」

「あ、ああ、大丈夫だ」


 顔色1つ変えないでなんて事はなかった。お兄ちゃんの顔は少し赤かった。ひょっとして私を意識してくれているのかな?


「じゃあ、早く部屋へ行こうか」

「あの、俺から離れて歩くって選択はないのか?」

「ない」


 せっかくお兄ちゃんに抱き着いてるのに離れるわけないじゃん


「はぁ……」


 お兄ちゃんは溜息を吐いたけど、ひょっとして嫌だったのかな?


「お兄ちゃん?嫌……だった?」

「嫌とは言ってない。ただ、遊華に彼氏ができるのかが心配になっただけだ」


 私にはお兄ちゃんさえいればそれでいいの!私に彼氏なんて必要ないの!


「私はお兄ちゃんさえいればそれでいいの。彼氏なんて必要ないし」

「いや、それはそれで問題あるんじゃないのか?」

「そう?もう同僚の間じゃ私がお兄ちゃん大好きなのは有名な話だし。少なくとも同業者やそれに関係する仕事の男性からは告白とかされないから。私」


 それでも新人の頃はよく告白されたけど、お兄ちゃんを探すのに夢中だったし


「遊華、それはそれで問題だと思うが……」

「別にいいじゃん?私はお兄ちゃん以外の男性なんていらないんだから」

「俺は遊華や香月、美月の恋愛にとやかく言うつもりはないから好きにしろ」


 お兄ちゃんはまるで自分には関係ないみたいな顔してるけど、私たちはお兄ちゃんと2人きりになったり、お兄ちゃんにアピールしたりしてるから無関係ではないんだよ?


「さて、話しながら移動してたからあっという間に着いたね」


 気が付けばお兄ちゃんの部屋の前に来ていた。お兄ちゃんはいつもと同じ手際で部屋のドアを開ける


「さて、俺は二度寝する」

「私も一緒に寝る」


 今日は兄妹水入らずで寝ようね!お兄ちゃん!私とお兄ちゃんは一緒にベッドに入りそのまま眠りについた


 お兄ちゃんの匂いって安心する──────


 ずっとこのまま時間が止まればいいのに─────────


「───きろ!」


 うるさいなぁ……もう少しいいじゃん……


「────か、起きろ!」


 しつこいなぁ……


「起きろ!遊華!」

「んぅ……何?」


 私はお兄ちゃんに起こされたようだ


「遊華、もう午後なんだが」

「え!?嘘!?」


 私もお兄ちゃんも午後まで寝ていたらしい。うわぁ~ん!せっかくのオフなのにぃ~


「いや、まだ午後だし、まだいける!」

「何がまだいけるんだ?」

「なんでもない!」


 まだ午後になったばかりだし、お兄ちゃんとイチャイチャするのはこれからだよ!


「ところで遊華は昼飯はどうするんだ?」

「今日は出前のピザでいいよ。お兄ちゃん作るの面倒でしょ?」

「まぁ、確かに作るのは面倒ではあるが……いいのか?」

「いいよ、たまにはお兄ちゃんも楽しなきゃ」

「そうだな。じゃあ、出前取るか」


 お兄ちゃんはピザの出前を注文するために携帯を手に持つ


「遊華、何か食べたいのあるか?」

「ん~、ミックスピザとポテト」

「了解」


 お兄ちゃんは私の注文を聞いてからピザ屋に電話を掛けた。お兄ちゃんと話した内容は本当だけど、本当はご飯を作る時間も私と一緒にいてほしいというのが本音だ


「出前が来るまでお兄ちゃんと思いっきりイチャイチャしよっと」


 私は注文したものが来るまでの間、お兄ちゃんに甘える事を決意した。


「注文終わったぞ。30分もあれば来るそうだ」

「そう、じゃあ、その間はお兄ちゃんとたくさんイチャイチャできるね!」

「いや、イチャイチャって……」


 お兄ちゃんが若干引き気味だけど、私は少しでも他のライバルに負けないようにリードしたい


「いいじゃん、イチャイチャするの。それとも私とじゃ嫌?」

「嫌も何も俺たち兄妹なんだけど?」


 兄妹の前に男と女だよ!それに、私はお兄ちゃんに何されてもいいし


「別にいいじゃん!」

「いや、よくないだろ」

「問答無用!おにいちゃ~ん」


 私はバカの一つ覚えだとは思うが、お兄ちゃんには割と効果的だと思われる抱き着き攻撃を繰り出した


「わっ!バカ!よせ!」

「えへへ~、お兄ちゃんはこういうの嬉しいでしょ?」


 お兄ちゃんの腕に胸が当たるようにして抱き着いた私に隙はない!


「い、いや……全く嬉しくない」


 ほう?嬉しくないって言ってる割には顔が赤いぞ~?


「その割には顔がにやけてますが?どういう事かな~?お兄ちゃん?」

「に、にやけてなんかない!気のせいだ」


 くっ!あくまで抵抗する気か!こうなったら……


「それならこうだ!」


 私はお兄ちゃんの腕に胸を押し当てた。これならどうだ!


「お、おい、ゆ、遊華……」

「ん~?なぁに?お兄ちゃん?」

「い、一旦離れてくれ……」


 お兄ちゃんは狼狽えているが、離すもんか!


「なんで?」

「ほ、ほら、料金の用意とかしないといけないし」

「どうしようかなぁ~」


 頑張ってお兄ちゃんは私から逃げようとしているが、ただで離れてあげるのは癪だし……


「離れてくれたら遊華の頼み1つだけ聞いてやるから。な?」


 ほう、私の頼みを聞くとな?ならしょうがない。離れてあげますか。本当はもう少しこのままでもよかったんだけど


「約束だよ?」

「あ、ああ」


 お兄ちゃんに約束させ、私はお兄ちゃんから離れる


「むふふ~、お兄ちゃんに何を頼もうかなぁ~?」


 私はお兄ちゃんに何を頼むかを考えながらピザを待った。


「ピザ来たぞ、遊華」


 お兄ちゃんがピザを持って戻ってきた


「おお~待ってました」


 私はピザを待っていたと言うよりも戻ってくるお兄ちゃんを待っていたと言った方が正しい気がする


「じゃあ、皿を持ってくるから」


 お兄ちゃんはキッチンにお皿を取りに行った。その間私はポテトやピザ、ナゲットを並べて食べる準備を進めておいた


「お、遊華、準備してくれていたのか?」

「うん、全部お兄ちゃんに任せるのはさすがに悪いと思うからね」

「そうかい、ありがとな。遊華」

「うん……」


 お兄ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた。10年前も素直に接していたらこんな風にお兄ちゃんは頭を撫でてくれたのかな……


「さて、大体揃ったところで食うか」

「うん!」

「「いただきます!」」


 お兄ちゃんと2人きりの食事は私にとって至福の時だった。食事だけじゃなく、お兄ちゃんとの時間は私にとっては全部が至福の時なんだけどね


「さて、飯も食い終わったし、片付けるか」

「うん!」


 少し遅めの昼食を終え、私とお兄ちゃんは片付け作業に入る。どことなく新婚夫婦みたいだと感じるのは私だけでしょうか?


「なんか嬉しそうだな?いい事でもあったのか?遊華」

「え?そう?別に何もないけど?」


 いい事はない。だって、お兄ちゃんと一緒にいられる事が私にとっていい事なんだから


「そうか?なら、別にいいが、何か今日のお前、いつにも増して表情緩くないか?」

「気のせいだよ」


 お兄ちゃんが私を見てくれている……それだけで幸せだけど、表情が緩いと言われるとは思わなかったので、私はすぐさま否定した


「いや、でも……」


 お兄ちゃん、しつこいと嫌われるぞ~?私は嫌いにならないけど


「表情が緩んでいるとしたら、お兄ちゃんと一緒にいる事がすごく幸せだからかな?」

「そ、そうか……」

「うん」


 お兄ちゃんは顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。男の人にこんな事を言うのもなんだけど、今のお兄ちゃんはすっごく可愛い


「さて、そろそろ香月たちが帰ってくる頃かな」


 夕方になり、お義姉ちゃんたちが帰ってくる時間帯になった。もう少しだけお兄ちゃんと2人っきりの時間を満喫したかったけど、こればかりは仕方ない


「いつか私のこの想いをお兄ちゃんに伝えるから……待っててね!お兄ちゃん!」


 こうして私の休日は過ぎて行った。私はお兄ちゃんと2人きりで過ごせてすごく幸せだったけど、お兄ちゃんはどうなのかな?






今回は遊華から見た遊との暮らしの一部始終です。

いつもは遊から見た話でしたが今回は遊華にしてみました!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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