俺が隠している物の場所が遊華にばれかけている件について
今回は遊の隠している物の場所が遊華にばれかけている話です
隠している物の在り処がいつの間にかばれてたら・・・・なんて考えたらゾッとしませんか?
では、どうぞ
どうも皆さん、藤堂遊です。いきなりですが、聞いてほしい事があります。昨日、遊華と美月に睡眠薬を盛られたんだが、1つ、何で遊華と美月は睡眠薬の在り処を知っていたのか。2つ、俺に睡眠薬を盛って何がしたかったのか。疑問は他にもあるが、現在の状況は……
「何で遊華と美月が下着姿で俺の隣りで寝てんの?」
起きたら遊華と美月が下着姿で寝ているという15歳の健全な男子の理性には大変よろしくない状況になっている。
「はぁ、こんな無防備な姿で寝てたら襲っちまうぞ……」
遊華と美月が一瞬だが反応したかに見える。まさか……いやそんなわけないか
「遊華も美月も魅力的だからなぁ~このままじゃ俺は2人を襲ってしまいそうだなぁ~」
またも遊華と美月が反応する。っておい!反応する。じゃねーよ!
「2人とも起きろ」
「「…………」」
2人は尚も寝たふりをする。ほぉ、あくまで私たちは寝ていますってか?
「遊華と美月の可愛い寝顔を見ていると襲ってしまいそうだなぁ~、でもなぁ~身内を襲うわけにはいかないしなぁ……そうだ!風俗に行こう!」
俺は起き上がり、布団から出ようとした
「「ダメ~!!」」
「うおっ!?」」
遊華と美月によって俺はものすごい力で倒された。
「お兄ちゃん!何で私を襲うっていう選択ができないの!?」
「そうだよ!私ならいつでもウェルカムなのに!」
「落ち着け!俺が悪かったから!とにかく、落ち着け!」
発言には気を付けよう。この世界に来てからはこの言葉が身に染みる場面が多々あり、俺もいい加減学習しろよ。なんて思う
「だって、お兄ちゃんは風俗に行くんでしょ?」
「行かん行かん」
「でも、遊ちゃんさっき風俗に行くって言った」
「それは遊華と美月を起こす口実だ」
「「本当?」」
その姿で上目遣いは勘弁してほしいんですが……
「本当だ。そもそも、今の俺の所持金だと行けるわけがないし、この容姿だ。見た目でアウトだろ」
「「確かに」」
「わかったら俺の腕を離してもらえると助かる」
容姿は関係ないんだけどな。結局年齢確認で20歳超えていればいいわけだし
「「いや……」」
「何で!?」
俺は風俗に行かないって言ったのに何で解放されてないの!?おかしくない!?
「遊ちゃんの初めては私のもの……遊ちゃんの初めては全部私がもらうの……」
美月が虚ろな目で俺に迫ってくる
「ゆ、遊華、た、助けて────」
遊華に助けを求めようと遊華を見たが……
「お兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のものお兄ちゃんは私のもの……」
遊華は遊華で“お兄ちゃんは私のもの”ってブツブツと呟き続けてるし……何が怖いって息継ぎなしで呟き続けているところだよ
「朝飯でも作るかな」
俺は壊れた2人を放置し、朝飯を作りにキッチンに──────
「「どこいくの?」」
行けませんでした……
「いや、朝飯を作りに行こうと……」
「今は朝ごはんはいらない」
遊華、朝飯はしっかり食べなきゃダメだぞ
「朝ごはんいらないけど、遊ちゃんはほしい」
美月、俺は食い物じゃないぞ
「俺は食い物じゃない。大体、何で遊華と美月は下着姿で俺のベッドに潜り込んでたんだ?」
俺は遊華と美月が下着姿で俺のベッドに潜り込んでいる事を初めて聞いた
「お兄ちゃんを肌で感じるために決まってんじゃん」
「遊ちゃんに私たちを肌で感じてもらいたかったからだよ」
言い方は違うが、結局は俺と密着して寝たかっただけなのね……
「朝飯にしようかと思ったが、二度寝するか」
「「私もする!!」」
はぁ、俺って奴は……こう、なんで身内と女性には甘いというか何と言うか……
「遊華と美月はその恰好のまま寝るのか?」
「「うん!」」
遊華と美月を今更止めても無駄だろう。というか、止まる気がしねぇ……
「裸じゃないだけマシかな」
「「裸がよかった?」」
「くだらない事を言う2人は放置して二度寝二度寝っと」
俺は遊華と美月を放置して寝室へと戻る。
「お兄ちゃん!ごめんってば!」
「私たちが悪かったから!」
俺の後ろを慌ててついてくる2人。慌てるなら聞かなきゃいいのに
「はぁ、俺は二度寝するが、遊華と美月はどうすんだ?」
さっきのはなかったことにして遊華と美月にも声を掛ける俺ってやっぱり甘いのかな
「「一緒に寝る!」」
遊華と美月がすごくいい笑顔なんですけど……
「そんなに俺と寝たいのか?」
「「うん!」」
笑顔の遊華と美月は欲しいおもちゃを得た子供の様だった
「2人ともそのままじゃ風邪ひくぞ」
俺は香月含めたこの姉妹にはツッコまない。ツッコんだら負けの様な気がするし……
この世界に来てから俺は二度寝が増えた気がする。そして、異性のお願いは断れない自分がいる事に気が付いた
「っていうか、こんな事が香月にばれたらやばくね?」
俺は嫌な予感が一瞬頭を過ったが、今は考えたくない。ばれなきゃいいんだよ!ばれなきゃな!
「お兄ちゃん、私たちが黙っていれば平気だよ」
「そうだよ~遊ちゃん弱気になりすぎだよ~」
「そ、そうだよな……大丈夫だよな」
この部屋で起こった事だし、カメラの映像を見られるか、遊華か美月がしゃべらなきゃ平気か
「遊華、美月」
「「何?」」
「今日の事は絶対に香月に言うなよ」
「「うん」」
遊華と美月、俺はこの2人の肌の感触と2人の温もりを感じながら、この世界に来てから何回目かわからない二度寝を満喫する事になった
「うおっ!?」
俺は携帯の着信で飛び起きた。アラームはセットしてないし、俺の知り合いに突然呼び出したりする奴なんて……いるな。というか、そんな奴しか俺の知り合いにはいないな
「「何!?」」
遊華と美月はどうやら俺の声にびっくりして起きたらしい
「ごめん、俺の携帯だ。ちょっと出てくる」
俺は遊華たちに一声掛け、寝室を出る
「誰だ?一体」
俺は携帯の着信を確認する。別に眠い頭じゃないから確認にそんな時間は取られてない
「香月からか。何の用だ?」
着信を確認すると香月からなんだが、何で登録が“俺が1番愛した女香月”という俺も自分も恥ずかしい登録名なんだ?
「もしもし」
『あ、遊。今大丈夫?』
「ああ、大丈夫だが?どうした?」
『いや、撮影が思った以上に早く終わったから今から帰るって事を伝えようと思って』
「わかった。で、帰りは何時頃になりそうなんだ?」
『午後には帰れると思う』
「了解。気を付けて帰ってこいよ」
『うん。じゃあね』
「ああ」
俺は香月との通話を切り、寝室に戻る。しかし、予想外だ。帰りは明日になるはずの香月の帰りがまさか今日になるなんて
「遊華、美月」
「どうしたの?お兄ちゃん」
「どうしたの?遊ちゃん」
2人はキョトンとした顔で俺を見る
「香月の帰りが今日の午後になる」
「「え?嘘!?」」
遊華と美月が心底驚いた顔をしているが、何かあるのか?
「香月本人が電話でそう言ってたぞ」
「「そう……」」
遊華と美月が露骨にガッカリしたような顔をした。キョトンとしたり、驚いた顔したり、ガッカリした顔したりと忙しいな。2人とも
「何だ?2人とも香月に帰って来てほしくないのか?」
「「そ、そうじゃないけど……」」
俺には理解できないか俺にはわからない何かがこの2人もしくは香月を含めた3人にはあるのだろう
「何にガッカリしてるか知らんけど、早く着替えろよ」
遊華と美月を残し、俺は1人で香月を迎える準備をする
「「あ……」」
何か遊華と美月の残念そうな声が聞こえたが、気のせいだろう……
「さて、準備準備」
いろいろ考えるのは後だ。今は家族を迎える準備をしよう。主に遊華たちが俺に睡眠薬を盛った事について
「遊華を部屋に呼んだ後、しっかり隠したはずなんだけどなぁ……」
「お兄ちゃんが物を隠すところなんて私がわからないわけないじゃん」
「うわ!?」
遊華が俺の背後から声を掛けてきた
「そんなにビックリすることないじゃん」
「背後から声掛けられてビックリするなって言う方が無理だからな」
遊華の恰好は俺の部屋にいた時とは違い、下着姿ではなくちゃんと服を着ている。俺のベッドに侵入してくるなとは言わないが、侵入する時はせめて服着て侵入してほしい
「でだ、何で俺が隠していた睡眠薬の場所がわかったんだ?」
「お兄ちゃんの部屋は今私が使っているんだよ?もちろん、お兄ちゃんの部屋の掃除は全部私がしたんだよ?」
「それで?」
「当然、お兄ちゃんが物を隠す場所やパターンは全部把握してるんだから」
「Oh……」
あまりの意外なカミングアウトに俺は思わず外人になってしまった
「ところでお兄ちゃん」
「何だ?そして、美月はどうした?」
「美月お義姉ちゃんは仕事の電話でしばらくは自分の部屋から出てこないと思うよ。それより、あの日記は何?」
「は?日記?何の事だ?」
「恍けても無駄だよ」
俺は恍けていない。本当に日記の事は知らない。
「お兄ちゃんの机の引き出し1番下」
「え……」
俺の机の引き出し1番下……日記……あれか?
「思い出した?」
「ああ、バッチリ思い出した」
「書いてある内容は覚えてる?」
確か遊華への愚痴と高校卒業後、家を出て1人暮らしをするって目的があるって事くらいしかないが……
「ああ、覚えてるが、それがどうかしたか?」
「お兄ちゃん、何で私から離れて行こうとするの?そんなに私が嫌い?」
「遊華、あの日記はお前から見たら10年前のものだ。確かに俺は遊華への不満はあったし、高校卒業したら一人暮らしをしたいと日記に書いたが、それは遊華が嫌いだとかそんな問題じゃない」
「本当?」
「ああ、もちろん」
「ならいい」
遊華は安心したようで満足そうに自室に戻って行った。俺の方も香月を迎える準備はもう済んだし、部屋に戻るか
夕食は帰って来た香月と遊華、美月、俺という久々の一家勢揃いとはいかないが、家族での夕食になってよかったと思う
今回は遊の隠している物の場所が遊華にばれかけている話でした
今回の話は遊華が妹じゃなく、母親に見えてきた・・・・
遊華は妹です。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました