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遊華たちが出演する番組のタイトルが変わっていた件について(前篇)

今回は遊がいろんな意味で疲れる話です

疲れるって言ってもまぁ、前は途中から。しかし、今回は・・・

遊はどんな事をさせられ、するのでしょうか?

では、どうぞ

 昨日は俺が招いた事とはいえいろいろと大変だった。だって、遊華たちがこれでもかってくらい俺にべったりで過保護だったからだ。悪い気はしないが、何かこう……甘やかされ過ぎるのも考えものだな。そんなわけで俺、藤堂遊は今日は再び遊華たちのレギュラー番組に出演しております。


「いや、おかしくね?」

「何がおかしいの?遊」

「香月、この状況をおかしいと思わないのか?」

「別に?普通でしょ?」


 香月の第一印象はしっかりした大人の女性という印象だったが、最近は可愛い少女という印象でしかない


「お兄ちゃん、この状況は何もおかしい事なんてないよ」

「遊華、俺は今ほど夢と現実がごちゃ混ぜになった事ないんだけど」

「それはお兄ちゃんだけだよ」


 そうかぁ……俺だけなのかぁ……この状況がおかしいと思うのは


「遊ちゃん、人間は柔軟に対応できなきゃ生きてはいけないんだよ~1つ勉強になったね!」

「そっかぁ……そうなのかぁ……で、もうそろそろ突っ込んでいいか?」

「「「何を?」」」

「何を?そんなの決まってる。前回は拉致られての出演だから百歩譲って仕方ない部分もあったが、今回は何で最初から俺も出演してんだよ!俺が出たらこの番組のタイトル変わるじゃねーか!」


 そう、俺はいつもと同じように家で家事をこなして、遊華たちがラジオの生放送があるって言うからそれを送り出そうとしたが、遊華たちが付いてきてほしいって言って来てみたら俺も出演する事になってた。


「お兄ちゃん」

「何だ?遊華?」

「台本、よく見て」

「何だ、今更……え?」


 俺は台本をよく見てみると……


「“藤堂遊に甘えてみたい人集合!”って、タイトル全然違うじゃん!この番組って“藤堂3姉妹とお話しませんか?”じゃなかったの!?」


 いつの間にか遊華たちの番組じゃなく、俺の番組みたいになっているし……


「遊ちゃん」

「何だ?美月?」」


 できれば今はそっとしておいてほしいんだが……


「変わったのはタイトルだけで内容は今までと同じだから大丈夫だよ」


 安心できる要素が何一つないんですが……


「はぁ……」

「じゃあ、タイトルコール行こうか?遊」

「俺はやらんから3人だけでどうぞ……」

「「「藤堂遊に甘えてみたい人集合!」」」


 遊華たちのタイトルコールと共にラジオがスタートした


「みなさん、こんにちわ!藤堂遊華です」

「みなさん、お元気ですか?藤堂香月です」

「遊ちゃん、いい加減諦めなよ~。藤堂美月です」


 諦めろって言われても状況をまだ理解できていないんだ。諦めるも何もないだろ……とりあえず、自己紹介だけしとくか


「諦めない事が人間の美徳だと思う。藤堂遊です」

「さて、お兄ちゃん」

「何だ?遊華?」

「今回は生放送に最初から出演という事で何か感想などをどうぞ!」


 感想?そんなもん決まってる!


「よくプロデューサーがOK出したな。いろんな意味で」


 俺が言えるのはこれしかない。というか、これ以外に浮かばない


「だって、遊ちゃんが来た前回の反響すごい事になってたし」

「うん、メールの数だけじゃなく、声優の中にも俺も出たい!私も出たい!って言う人多かったし」

「何で!?」

「遊、それのわけはいろいろあるんだよ……」


 俺はふとブースの外を見る。すると、カンペに書いてあったのは“遊君が出演してくれた回の番組の評判が一番よかったし、これからも頼むよ”という言葉だった。もう俺がこの番組に出演するのは決定事項なのね


「フリートークもいいが、そろそろコーナー入った方がよくない?」

「おおっ!遊ちゃんもやる気が出てきた」


 美月は心底嬉しそうだが、違うぞ。このままだとグダグダになりそうだから言っただけだ


「そうだね、このままだと身内ネタに走りそうだし。最初のコーナーを香月お義姉ちゃんよろしく!」

「まず、最初は“藤堂遊に聞いてみよう!”のコーナーです!」

「何それ聞いてない」


 俺に質問する事なんてあるのか?っていうか、まず聞いてないんだが


「お兄ちゃん!口を挟まない!」

「ごめんなさい」

「香月ちゃん、コーナーの説明よろ~」


 俺は遊華に怒られてしまった。え?俺が悪いの?


「このコーナーはリスナーの方々から質問を募集し遊がそれに答えていくコーナーです!」

「これメール来るの?っていうか、誰得?」


 男の俺に質問とかマジで誰得なんだよ……決めつけはよくないが、リスナーの割合絶対に男の方が多いだろ


「遊ちゃん、早速メール来たよ。それと、これはリスナー得だから」

「よくわからん」

「お兄ちゃん、メール読むよ?」

「ああ、よろしく」

「20代女性の方から頂きました。ありがとうございます。“遊さんこんにちわ”」


 20代の女性の方からなんてマジで?俺って有名人?


「こんにちわ」

「“遊さんに質問ですが、ズバリ!デートに行くならどこに行きたいですか?”だってさお兄ちゃん」

「どこに行きたいかって言われてもなぁ……」


 15歳の俺にデートで行きたい場所なんて聞いたら安直な答えしか返ってこないぞ


「じゃあ、20代の女性と行きたい場所はどこかな?遊ちゃん」

「そうだな、相手にもよるが、やっぱり行くならオシャレなカフェとか行きたいな。後は海とか……」

「なるほど、遊は落ち着いた雰囲気の場所が好きだと。そう言いたいのか?」

「まぁ、間違っちゃいないけど、一番無難かなぁ……なんて。質問してくれた方もこれでいいかな?」


 俺も異性との交流や精神的に成長したらもう少しマシな意見が出せたんだろうけど、今の俺にはハードルが高すぎる


「リスナーのみんな、お兄ちゃんはデートに行くならカフェと海だそうです!って事で、次の質問に進みます。美月お義姉ちゃんよろしく!」

「は~い、次の質問はね~……おっ!次の質問は10代の男性の方からの質問です!」

「「おおっ~」」


 何がすごいのかわからないけど、質問を聞いてからリアクションしても遅くはない


「読むね~“遊さん、遊華さん、香月さん、美月さん、こんにちわ”」

「「「「こんにちわ~」」」」

「“遊さんに質問なのですが、遊さんが高校生の頃はどんな遊びが流行りましたか?”だって~、遊ちゃんどんな遊びが流行ったの?」

「遊びかぁ……1番はスマホアプリのゲームだなぁ……種類はいろいろあったが、それが1番流行った。後は教室の隅でカードゲームとかしてる奴がいたくらいしか覚えてない。」


 まぁ、俺はアプリゲームはそんなにする方じゃなかったし、特に興味もなかったが、話のネタくらいにはやってたな。


「遊ちゃんって高校生らしからぬ高校生だったんだね~」

「う~ん、まぁ、そうだろうなぁ~」


 美月よ、その辺はツッコんでくれるな。切なくなるから


「じゃあ、次の質問を香月ちゃんよろしく!」

「うん、続いての質問は1回目に続いて20代女性の方からです。“こんにちわ、遊さん”」

「こんにちわ」

「“遊さんに質問なのですが、遊さんの得意料理って何ですか?”だって。遊の得意料理は?」


 何かこの質問は男子にする質問じゃないような気がするが……まぁ、俺に興味を持ってくれている人がせっかくしてくれているんだ。ツッコミを入れずに答えるとしよう


「得意料理か~、一応は一通りできるが、得意料理ねぇ……」


 俺は母さんの見よう見まねで料理してる部分が多いし、改めて得意料理って言われてもなぁ……


「お兄ちゃんがよく作っているものでいいんじゃない?」

「そういわれてもなぁ……俺がよく作っているものって基本焼くか煮るか揚げるものだろ?」

「遊ちゃんが作ってくれた天ぷら私好きだな~」


 美月よ、それは暗に今日の晩飯は天ぷらがいいって言ってるようなもんだぞ?


「そうだな、強いて言うなら天ぷらかなぁ……」

「お兄ちゃんの得意料理は天ぷらでした!続いての質問は私が読むね」

「ああ、よろしく頼むぞ。遊華」

「続いても20代女性の方から!おっ!今回のは質問者の方は職業まで書いてる!」


 ん?今までは職業が書いてあるなんて一言も言わなかったのに何で今回のメールだけ職業まで書いてある事を言うんだ?


「じゃあ、読むね?」

「職業まで書いてあるのは気になるが、頼む」

「20代女性で職業は声優の方からのメールです!」


 20代女性で職業が声優?知り合いにいるなぁ、そんな人。いや、まさかな……


「“遊さんは遊華さんの兄であり、香月さんと美月さんの義弟でもありますが、そんな遊さんが家族以外の異性から告白されたらどうしますか?教えてください。”だってさ、お兄ちゃん」

「へぇ~、それは気になるなぁ。遊ちゃん、どうするの?」

「この質問は答えなきゃダメ?」


 俺には嫌な予感しかしないんだが……っていうか、この質問だけはスル―でいいよね?


「私も気になる。答えて、遊」

「もちろん、答えてくれるよね?お兄ちゃん」


 美月だけじゃない、香月と遊華も気になっている様子だし、雰囲気が怖い


「あー、質問者さんがどう思って質問したかは知らんけど、その告白してきた人にもよるだろ」

「「「具体的には?」」」


 何で3人とも具体的に聞きたがるんだ。そこはそのままスル―でいいだろ?


「具体的には俺がその人をよく知っているか?とか、俺とその人の関係がどこまで深いものかとか。とにかく、俺は一目惚れとかの告白を受け付ける気はない」

「お兄ちゃん、いろいろと考えてるんだね……」


 遊華が感動したと言わんばかりの顔で俺を見ているが、一目惚れが悪いって言っているわけじゃない。ただ、具体的にどこが好きなんだ?って聞いて答えられないようなら告白を断るって言っているだけだ


「まぁな。それに、俺は異性にはモテない」


 俺が異性からモテたら世界が滅びるからな。自分で言ってて悲しくなるが


「「「鈍感……」」」


 遊華たちが不機嫌になっているようだが、どうしたと言うんだ?あれか?遊華はもっとかっこいいお兄ちゃんが、香月と美月はもっとかっこいい義弟が欲しかった。とかそんなのか?


「質問に答えたし、次の質問に進んでもらっていいか?というか、質問者さんの正体は?」

「それは教えられません!特に鈍感なお兄ちゃんにはね!」


 遊華よ、どうして若干キレ気味なんだ?


「次の質問は私が読むよ~ちなみに、次の質問で最後だからね。遊ちゃん!」

「そうか、それは助かる」

「次の質問は20代男性の方からです!」


 ツッコんだら負けかな?さっきから20代の人多くない?


「どんな質問かなぁ?」


 俺はリアクションを起こす気にもなれないので、ただただ質問を待つ


「“遊さんは何フェチですか?”だって~、遊ちゃん、何フェチなの?」


 ここに来て1番キツイ質問が来るとは思わなかった。というか、これは俺に対する嫌がらせかな?恨むぞ……質問者……



今回は遊が遊華たちのラジオ番組に最初から出演する話の前篇でした

いつの間にかタイトル変わってるし・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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