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俺の自己嫌悪と引っ越しをする件について

今回は遊が自己嫌悪に陥ったり、引っ越し・・・と言っても部屋を移るだけなんですけど、そんな話です。

後は、1度はみんな思う事を少し取り入れてみました

 やってしまった……俺は遊華や香月、美月が最近になって暴走気味になってきている事に戸惑っていたあまりに遊華たちを傷つけてしまった。親父はいずれこうなるってわかっていてハーレムを作れなんて提案してきたのかもしれない。だが、俺にとって遊華たちは大切な存在なんだ……


「はぁ~、やっちまった……」


 俺は誰もいない部屋で1人、自己嫌悪に陥っていた。


「遊華たちに謝りに行くか……」


 俺は遊華たちに謝らなければいけないと思い、立ち上がった。その時だった……


「お兄ちゃん、今いい?」


 開けっ放しの部屋の入口に遊華が立っていた。しかも、水着姿のままで


「あ、ああ、俺も遊華と話がしたかったところだ」

「ならよかった。私もお兄ちゃんと話がしたかったから」

「そうか……」

「うん……」

「…………」

「…………」


 俺と遊華は互いに黙ったままの状態だ。マズイ!何か話さねば……!


「「あ、あの!」」

「…………」

「…………」


 互いに声を発したタイミングが被ってしまい、再び沈黙してしまった


「ゆ、遊華から話せよ……」

「う、ううん、お兄ちゃんからどうぞ……」


 今度は互いに譲りあってしまった。こうなったら俺から話すか


「じゃあ、俺から話すぞ?」

「うん、お願い」

「その……さっきはあんな事言って悪かった」

「うん」

「正直、戸惑っていたんだ。最近の遊華たちの俺に対する好意やそれによる暴走にな」

「あはは……そうだよね?最近の私たちはちょっとやりすぎてたところあるし……お兄ちゃんがあんな事言うのもわかるよ」


 どうやら遊華は自覚があったらしい……


「だから、俺はどうしていいかわからなくなっていたし、遊華たちからの好意を疑ったりもした。最低だよな……俺」


 俺は自己嫌悪が止まらない……自分のせいで遊華たちを傷つけたと思うと尚更だ。


「そんな事ないよ……お兄ちゃんは私たちの事を考えて言ったわけだし」

「そう言ってもらえると助かる」

「お兄ちゃんの話はこれで終わり?」

「ああ、俺の話はこれで終わりだ」


 俺は話したい事は全部話した。これ以上話す事はない


「じゃあ、今度は私からいい?」

「ああ、いいぞ」

「さっき私はお兄ちゃんが帰って来てから今も尚寂しいって言ったよね?」

「ああ、そう言って部屋を飛び出したんだったな」

「うん……」


 遊華に寂しい思いをさせてた事を痛感させられた瞬間だったなぁ……


「あの言葉に嘘はないよ。10年前は香月お義姉ちゃんも美月お義姉ちゃんもこの家にはいなかった……お兄ちゃんを独占できるのは私だけだった」

「碌に会話がなかったが、家にいる異性は母さんと遊華しかいなかったしな」

「それでも、私はお兄ちゃんと一緒にいれるだけでよかった」


 10年前の遊華はずいぶんと謙虚だな……今とは大違いだ


「今とはえらい違いだな」

「うっさい!だけど、お兄ちゃんが帰って来た時にはお義姉ちゃんたちがいた。私はお兄ちゃんを盗られたくなかったけど、私と同じようにお義姉ちゃんたちもお兄ちゃんの事が好きだから私は妥協した」

「お、おう……」


 愛が重い気がするのは何でだろう……


「でも、お兄ちゃんは私に……いや、私たちに魅力を感じてないのかな?って思って今回みたいな行動に出た。だけど、お兄ちゃんは私たちを大切にしていてくれて嬉しかった。だから、お兄ちゃんが気に病む事は何もないんだよ?私が言いたかった事はこれだけ」

「遊華の言いたい事はわかったし、遊華の思いも聞いた」

「さてと、じゃあ、さっきの続きしよっか?」


 え?この流れはしなくてもいい流れじゃないの?


「え?さっきの続きするの?」

「当たり前でしょ?そのために着替えないでいたんだから」


 俺はてとっくの昔に着替えているものだとばかり思っていたんだが?


「止めない?」

「止めない、2人とも入っていいよ」

「「うん!」」


 開けっぱなしのドアから香月と美月が入ってきた。2人とも水着のままだ


「さっき無言で出て行ったよね?何でそんなに表情明るいの?」

「無言で出て行ったのは遊ちゃんが私たちを大切にしていてくれている事がわかって感動で言葉が出なかったからだよ~」

「遊華がここに来たのは遊を説得してくれないかな?って私が頼んだからだし……」

「私がここに来た時はお兄ちゃんが落ち込んでたし、これは慰めて誤解解かなきゃって思って話をしたんだよ?あわよくばお兄ちゃんとイチャつけると思って」


 なるほど、つまりは最初からこの展開は決まっていたのか


「もう言葉も出ない。要求は何だ?」


 俺は諦めて遊華たちのいう事を聞く事にした。俺が何を言おうとこの3人は止まらないだろう……


「「「ソファーに座ってもらえればわかるよ」」」


 俺は言われるがままにソファーに座った。そして、遊華たちはローテーションを組み、俺の右端、左端、膝の上に座って満足そうにして帰っていった


「やっぱ、部屋を変えるか……」


 俺はこのパソコン部屋から地下の隠し部屋に移る事を真面目に検討する事にした


「今回の事で得られたものって遊華たちが本気だって事と、遊華が常に寂しい思いしてるかがわかった事くらいか?いや、くらいって言ったら悪いけど……」


 今更ながら、手が痺れている事、膝が痛い事については遊華たちは気にしてくれないのね……


「明日にでも部屋を移るか……」


 この部屋のままでもいいが、俺にだって1人の時間は必要だ。だが、この部屋のままでは遊華たちがいつ襲撃してくるかわからない。地下の隠し部屋なら鍵もあるし、簡単には入って来れないだろう


「お兄ちゃん……」

「うわぁ!?」


 俺は後ろから遊華に声を掛けられ飛び上がってしまった


「今の話本当?」

「な、何の話だ?」

「お兄ちゃんが部屋を移るって話」

「あ、ああ……ここは元々パソコン部屋で寝泊まりする為の部屋じゃないからな。地下の隠し部屋に移ろうと思うんだ」


 俺は嘘は言ってない。このパソコン部屋はいくらソファーがあるとは言え、寝泊まりする部屋じゃないし、布団もいちいち別の部屋から持ってくるのも手間になる


「そう、私の部屋に来るんじゃないんだ……」


 遊華は露骨にガッカリした顔をしているが、お前と同じ部屋になるつもりはないぞ


「まぁ、遊華の部屋には行かないが、遊華の部屋の近くの部屋を使う事にはなる」

「そっか……」


 遊華はどこか嬉しそうな顔をしていた


「用がないなら俺は着替えたいんだが?」

「え?あ、ごめん」


 遊華は部屋をそそくさと出て行った。なんかスキップしているようにも見えたが、気のせいだろう


「部屋を移るか……」


 俺は携帯とその充電器、財布を持って地下の隠し部屋へと移動した


「持ち物が少ないと移動が楽でいいな」


 俺は隠し部屋に着くと即座に部屋のロックを掛け、遊華たちが入って来れないようにした


「今日だけは1人の時間を誰にも邪魔されたくない。念の為だ携帯の電源も落としておくか」


 俺は携帯を電源を落とした状態で充電器に挿し、そのまま放置した。まぁ、1人の時間が欲しいとは言ったものの遊華たちの動きは監視しておかないと大騒ぎになる。一応カメラの映像は確認するようにしよう


「さて、シャワーでも浴びるか」


 俺は浴室に向かい、シャワーを浴びる事にした


「突撃される心配がないと湯船に浸かってないとは言え安心するな」


 俺は今までにない安心感を得ていた。これは遊華たちがいつも突撃してくるという不安がなく、安心して1人の時間を満喫できるからだと確信しての安心感だ


「今日の俺はどうかしている。遊華たちを煩わしいなんて思うなんてな」


 自覚はなかったものの煩わしいなとは心のどこかで思っていたらしい……


「たまには1人の時間を満喫しますか!それこそ、家事や人間関係を忘れてな!」


 俺は1人の時間を思いきり楽しむことにした。主にアニメ、ゲーム等の趣味の時間となるが……


「ここだとどんなに叫んでも誰にも迷惑かからんし、俺にとってはうってつけの場所だな」


 この部屋は俺にとっては天国のような場所だった



今回は遊が自己嫌悪と引っ越しする話でした。

みんな1度は思ったことがあると思いますが、諸々を投げ捨てて自由に過ごしたいと。そんな部分を取り入れてみました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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