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俺の退院と自暴自棄な件について

今回は遊の退院した話と遊華たちの大胆な行動の話になります

その中で遊は一体どのように思うのか・・・

皆さんならどう思うかを考えながら読んでもらえたら幸いです

では、どうぞ

 俺の名前は藤堂遊。病院に運ばれて怒涛の検査入院を終わらせ、現在、俺の心のオアシスであるマイホームに帰宅している。まぁ、1週間の検査入院と聞かされた時はさすがに萎えた。遊華を筆頭に香月、美月、秋野さん、冬野さんとお見舞に来た面子によって女の戦いを目の当たりした。うん、我が家最高


「ようやく帰って来れた……」


 入院中は遊華たちがいない時は暇な事この上なかったが、来たら来たで俺の精神疲労がマッハだった


「なんかもう部屋をここから地下に移した方がいいような気がする」


 遊華たちはひょっとしたら家でも突撃してくるんじゃないか?という強迫観念に襲われていた


「お兄ちゃん、入るよー」


 噂をしたら本当に遊華が入ってきた


「遊華、返事を待ってから入ろうな」

「だって、お兄ちゃんノックしても最近は返事しないじゃん」

「返事をする前にお前が入ってくるからだろうが」

「だ、だって…」

「だって?」

「だって、お兄ちゃんと1分1秒でも一緒にいたいし……」


 顔赤くして可愛く言ってもダメだからね?ちゃんとノックして返事を待とうね?


「そうか、その1分1秒でも俺と一緒にいたい遊華ちゃんは俺に何の用かな?」

「別に用はないよ?ただ、お兄ちゃんと一緒にいたいだけ」

「あ、そう」

「お兄ちゃんは私と一緒にいたくない?」


 泣きそうな遊華にきつく言えるわけがないし、仮にきつく言ったとしても遊華のヤンデレが発動してしまう


「入院の荷解きだから見ててもつまらんぞ?それでもいいなら好きにしろ」

「うん!」


 俺の荷解きを見ている事の何が楽しいんだか


「遊ちゃん、入るよ」


 今度は美月の登場だ。美月も遊華と同じようにノックはするが、返事を待たない


「美月、返事を待ってから部屋に入れと…いや、この際もういい」


 俺は遊華で実証済みなのでこれ以上は言わないようにしよう


「ぶぅ~、お兄ちゃん!私には小言を言ったのに……」

「遊華、お前は特別だからな」

「ふぅ~ん、私は特別なんだ~」


 剥れていた遊華は一気に顔を緩ませた。単純な奴め


「遊ちゃん!それじゃまるで私が特別じゃないみたいだよ!」


 今度は美月が剥れるが、いちいち剥れんなと言いたい。後が面倒だから言えんがな


「遊、いる?」

「ああ、いるぞ」

「入っていい?」

「どうぞ」


 今度は香月の登場だが、香月は返事を待ってから入って来てくれるので特に言う事はない


「遊ちゃん!」

「お兄ちゃん!」

「何だ?2人とも」


 遊華と美月が不満げな表情でこちらを見ている。仲間にしますか?なんて冗談を言っている場合じゃないか


「どうして香月お義姉ちゃんには文句言わないの!?」

「そうだそうだ!私たちの時には文句言ったり言いかけたりしたのに!」

「ノックして返事を待ってから部屋に入ってきたから」


 何を当たり前のことを言っているんだ?この2人は


「遊の嫌がる事はしたくないし、遊華も美月も遊に嫌われたくないなら嫌がる事するのは止めよ?」


 おお!香月が女神のように見えるぞ!別に嫌がってないが、俺の言いたい事を代弁してくれたんだし今は女神と言っておこう。え?それ以外の時?聞かないでくれ…


「「うっ!」」


 何だ?2人とも図星を突かれて言葉も出ないか?まぁ、ノックして返事があってから部屋に入る。当たり前だよな。だが、これ以上騒がれては面倒だから一応は仲裁しとくか


「3人とも、喧嘩するなら外でやれ」

「「「…………」」」


 今度は一気に黙ったぞ。何なんだ?一体


「さて、荷解き終了。これからどうするかな」


 荷解きが終わって特にやる事がない。そして、遊華たちがここから出ていく気配がない


「暇だね~」

「そうだね~」

「うん、やる事がないっていうのは暇なんだね」


 美月、遊華、香月の順でそれぞれ感想を言っていくが、君たち仕事の事はいいの?特に台本とか読み込まなくて


「3人とも台本の読み込みとかしなくていいのか?」


 俺は思っていた疑問をぶつける事にしてみた


「私は昨日のうちにやっておいたから平気だよお兄ちゃん」

「私も昨日のうちにやっておいたから問題なしだよ!遊ちゃん!」

「同じく昨日のうちにやっておいた。だから遊が心配する事は何もないよ」

「ちなみに何で昨日やったかを聞いていいか?」


 別にいつ仕事をしようと本人の自由だし、それを聞いてどうってわけではない。これは俺の好奇心なので、答えてもらえなくてもいいや


「お兄ちゃんと一緒にいる為」

「遊ちゃんとイチャイチャする為」

「遊に甘える為」


 全員俺絡みの理由ですか。うんわかっていたし、予想してた


「入院して心配掛けたのか俺は」

「「「うん」」」

「心配掛けたと言う事は3人の要求を呑まなきゃいけないの?」

「「「もちろん」」」


 俺が遊華たちの要求を呑むのは絶対条件らしいが、極論を言えばいつもとやる事は変わらない。甘えさせたり、イチャイチャしたりするにしても俺もそろそろネタ切れなんだが・・・


「遊華たちの願いを叶えるにしても俺はネタ切れだぞ?それとも俺にしてほしい事でもあるのか?」


 俺が思いつくのはどう頑張ってもハグくらいしか思いつかない。悪いな、ボキャブラリーが少なくて


「お兄ちゃんは私たちのお願い何でも聞いてくれるの?」

「俺にできる事ならな」

「そっか・・・ねぇ?お義姉ちゃんたち」

「「うん!」」


 様子から察するに遊華たちは最初から俺に何をさせるか決めていたらしい


「何だ?決まったのか?それとも、最初から決まっていたのか?」

「うん!最初から決まっていたよ!」

「とりあえず遊ちゃん!」

「これに着替えてきて」


 香月が取り出したのは海パンだった。しかも、トランクスタイプの


「え?何で?」


 何で海パン?意味がわからない。何?俺の海パン姿に需要あるの?


「着替えて戻ってきたらわかるよ。遊ちゃん」


 俺は半ば強引に部屋から追い出されてしまった


「何なんだ?っと早く着替えなきゃ3人がうるさいな」


 俺は遊華たちに小言を言われたくない一心で海パンになる意味を疑問に思いつつも着替える事にした


「おーい、着替えたぞー」


 俺は着替え終わったので部屋の外から遊華たちに声を掛けた。うん、声掛けて確認は大事だよね!


「遊、入っていいよ」


 中から香月の声が聞こえたので着替える意味がわからないが、部屋に入る事にした


「そういえば、この部屋のドアってこんなに薄かったか?」


 最近、慣れてきたせいなのか、この部屋の外から聞こえる声がドア越しじゃないような気がする


「気のせいだよ!お兄ちゃん!」

「そうだよ!遊ちゃん!」

「気にしちゃダメだよ。遊」


 そういうもんなのかなぁ……ところで俺は聞きたい事がまた1つできた


「何で遊華たち3人とも水着なの?」

「「「今更!?」」」

「遊華たちの水着なんて一緒に風呂入った時に見たからな。今更別に何かを言うつもりはないが、部屋で水着なのは気になるな」

「それはね、お兄ちゃん」

「私たちも」

「水着に着替えたからだよ!」


 そんなもん見りゃわかる。問題はそこじゃない!どうして水着なんだといいたいんだ!


「いや、水着になる意味がわからんが……」


 プールでもないのにも水着になる意味がわからんが、今はどうでもいいか……


「そりゃ、お兄ちゃんが喜ぶ……もしかしたら襲ってくれるかもしれないと思って……」


 それじゃ襲ってくださいって言ってるようなもんだからな?遊華は俺に襲われる事に対して抵抗とか、嫌悪感とかないのか?


「遊華、男ってのはそんな事言われたら本当に襲う奴もいるかもしれないぞ?それでもいいのか?」


 俺は遊華の貞操観念が心配になる正直、襲っていいならそうするが……どの道後悔するのは自分でしかない


「別に、お兄ちゃんなら襲われても……」


 マジでか!?でも襲わないのが兄として、家族としては当たり前の対応であると俺は思う


「遊華がよくても俺はよくない。別に遊華に魅力がないわけじゃない。ただ、こんな形じゃ嫌だってだけだ」


 そう、俺は遊華に関してはこんな周囲がそれっぽい雰囲気でやるならいいや。ではなく、いろいろと明らかになってから健全な付き合いの基でそういった行為をしたいだけなのだ


「お兄ちゃん……」


 遊華は感動したような視線を向けてきたが、俺としては実の妹と一線を越えたくないだけの言い訳に過ぎない。


「じゃあ、遊ちゃんは遊華ちゃんに手を出さなくても私たちになら手を出すって事だね?」


 口調は普段と変わらずとも視線や態度は普段と違う美月である。しかし、俺は動じる事はない。


「美月や香月に対してもそうだが、義理の姉にも俺は手を出すつもりは一切ない」


 俺は目の前の女性が水着姿であろうが手は出さん!魅力がないわけではない。俺に好意を抱いているんだ、そんな女性……いや、女性たちを自分の意のままにしたい気持ちが全くないわけではないが、それは間違っている!


「美月……それに香月、遊華も聞いてくれ」


 俺が今言える事、俺が目の前で彼女たちに言える事はただ1つだ


「「「うん」」」

「俺はこんな形で告白されても誰にも返事はしないだろうし、誰とも付き合う事はない。それは遊華たちの方が理由はよく理解できていると思う」


 俺が言った事は遊華たちが一番よくわかっているだろう……


「それはよくわかるよ?でも、私たちがお兄ちゃんと結ばれたい。この中の2人を……いや、美優と由紀を含めてめてライバルを蹴落としてでも恋人になりたいっていう気持ちはわかる?」


 遊華みたいな美人で声優としても人気がある女性に言われたら男としては誇っていいのかもしれないが、俺は1人の人間として向き合いたい。声優とかそんな職業じゃなく、1人の女性として……いや、1人の女の子として


「好きな人と結ばれたいのは当たり前だ。だが、色仕掛けでや強引に結ばれたとして、その先に一体何がある?外堀から埋める交際宣言か?それも悪くないと思う。それとも、俺を何らかの手段で意識不明にしてのできちゃった婚か?そうしたら俺は間違いなく遊華たちの1人と結ばれるだろうな。けど、それで遊華たちは満足か?」


 俺は遊華たちに1番してはいけない質問を……いや、遊華たちが答えられない質問をしているのかもしれなない。


「…………できるわけない」

「どうした?遊華?」

「満足できるわけない!!」


 遊華が大声で叫んだ。香月と美月はただ俯いてるだけだ。やはり遊華が1番の鬼門か?


「私はお兄ちゃんと本当の意味で結ばれたい!もちろん、後ろめたいものじゃなく、お兄ちゃんと結ばれた事を祝福されたい!だけど、お兄ちゃんはどうなの!?10年前は勝手にいなくなって、今度はこんな形じゃ嫌!?香月お義姉ちゃんや美月お義姉ちゃんはまだいいよ……私よりも寂しい思いする期間が少なかったんだから……私はお兄ちゃんに会えなかった時期、お兄ちゃんが帰って来て今も尚寂しいよ!!」


 遊華は泣きながら部屋を飛び出して行ってしまった。そして、香月と美月も無言で部屋を去って行った


「結局、俺は遊華を傷つけ、香月や美月も傷つけるんだな……」


 俺は結局誰かを傷つける……親父が言うようにハーレムでも築けばいいのだろうか……なんなら物は試しに築いてやろうか?俺はこの時自棄になっていたのかもしれない。いや、自棄になっていた

今回は遊の退院の話と大胆にも遊華たちが水着姿で登場しましたが、それには裏がありました

遊華たちの水着姿の裏には事情がありましたが、遊はどう感じ、どう思ったか

遊は自棄になりましたが、本能に負けずに理性で抑える事ができるのか?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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