義姉と妹にキスをせがまれて断った件について
次か次の次あたりでイチャイチャを書きます
はい、みなさんこんにちは。藤堂遊です。なんでこんな口調なのかというと、長女・香月に現在キスを迫られています。正直意味がわかりません。どなたか意味のわかる方いらっしゃいましたら藤堂遊救助係までご連絡ください。って現実逃避してる場合じゃねー!
「はぁはぁ、さぁ私と熱いキスをしようじゃないか!」
「しねーよ!落ち着け!」
「はぁはぁ、私は落ち着いている!落ち着きがないのは遊、君だ!」
「いやいや、呼吸荒くして近寄ってくる奴に言われたくねーんだけど!?」
っていうか、何で調理組は何で気づかないんだよ!スルーか!スルーなのか!?
「さぁ、早くしてくれ。後が痞えているんだ」
「…………え?後が痞えてるって何?」
「私の後は美月でその後は遊華とキスをする。当然だろ?」
全然当然じゃないんだけど!?むしろ違和感しかないんだけど!?
「どうしてもキスしないとダメか?」
「なんだ私なんかとはしたくないのか?」
「いや、そういう問題じゃなくてね!?」
不安げな表情で見つめないでもらえませんかね?
「そもそも、いつの間に俺にキスしようなんて話になった?」
「もちろん、夕食の調理の手伝いを決める時だが?」
「それ初耳!俺は初耳!」
「説明は必要かい?」
「当たり前だ!」
説明なしで俺のファーストキスを奪おうとするな!
「仕方ないなぁ……遊は」
「仕方なくない、説明しろ。俺を納得させてみろ」
「ふむ、あれは遊をもみくちゃにした後の話だ」
あれ?なんか回想に入るっぽいぞ?まぁいい続けさせよう
「遊がグッタリしている間に2人に聞いておきたいことがある」
「何?香月お義姉ちゃん」
「な~に?香月ちゃん」
「2人とも遊のこと異性としてなのか?」
「「もちろん」」
「そうか……」
「ちょっと待てー!!」
「なんだい?遊」
「なんだい?じゃねーだろ!!聞くことおかしいだろ!?」
「どこがおかしいんだい?」
「全部だよ!!」
何でいきなり異性として好きか?って聞く!?最初は弟として好きか?とか、家族として好きか?とかから入るだろ!
「まぁまぁ、続きを聞くんだ遊よ」
「あまりできれば聞きたくないが……」
「まぁまぁ、そう言わずに……な?」
仕方ない、おとなしく聞くか
「ふむ、どこまで話したかな?」
「あんたらが遊華と美月が俺を異性として見ているところまで」
「では、その続きからだな」
正直、聞きたくない
「そういう香月ちゃんはどうなの~?」
「そうだよ、香月お義姉ちゃん」
「当然、私も遊のことは1人の男として好きだ!いや、愛している!」
「「なっ……!」」
「なんだ?2人は違うのか?」
「私も遊ちゃんのことは弟じゃなく1人の男の子として好き……ううん、愛してる!」
「2人には負けない!!お兄ちゃんを最初に男性として好きに……いや、愛したのは私だもん!!」
俺が疲労困憊している間に3人でこんなこと話してたんですね…………
「ん?どうした?遊、そんなに疲れた顔をして」
「何でもないです……それよりその続きを…………」
「そうするとしよう」
聞き終わったら逃げよ……身が持たん……
「2人とも私と同じ気持ちか……つまり、私たちはライバルということになるのか」
「そうなるね」
「そうだねぇ~」
「私は2人が相手でも譲る気はないぞ?」
「それは」
「私たちも」
「「同じだよ!」」
わぁ~お何か熱い展開になってる~どこの少年マンガ~?
「ごめん、これ以上はいいから、キスする経緯だけ聞かせて」
今の義姉と妹のやりとりだけで頭が痛くなってきた……
「ふむ、私たち3人は互いの遊に対する思いを打ち明け合った後で誰が遊のファーストキスを貰うかという話になり、それを賭けて勝負することになったんだが、結局勝負がつかずにくじ引きで決めることにしたんだ。」
人のファーストキスを勝手に賭けの対象にするな。そして、くじ引きで決めるな
「くじ引きの結果、私が遊のファーストキスを1番に貰う権利を得た。後は年の順で決まった」
「それ俺に拒否権ある?」
「もちろんない」
デスヨネー、知ってたよチクショウ!そもそも、拒否権のこともそうだが、くじ引きで人のファーストキスの相手を決めないでください。
「俺にだって相手を選ぶ権利はある。よって断る!!」
「相手がいるのか……?」
ん?何だ?急に寒気が……俺が寒気の元を辿ってみるとそこには目に光を宿していない妹・遊華と義姉・香月と美月がいた。
「そうか……この人たちからの視線が原因で寒気がするのか」
「さて、遊」
香月の手が肩に置かれる
「今の話」
遊華の冷たい視線が突き刺さる
「じっくりと聞かせてね~」
美月は顔は笑顔だが、目は笑っていない
「頑張ってね、遊君。あ、美月も遊華ちゃんも手伝いはいいから遊君とお話しでもしてきていいわよ」
「はい!」
「うん!」
あ、羽月さんは俺を見捨てるのね…………こうして逃げ場と救いを同時に失った俺に成す術はない……つまり、この3人に従うしかないということだ。もうどうにでもなれ…………
「「「部屋に行こうね、遊」」」
こうして俺は死刑執行される死刑囚のごとく3人に引きずられ、かつての俺の部屋へと連れて行かれることになった。
「た、助けてくれ~!!」
「「「ふふっ、ダ~メ」」」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
この時、俺の断末魔は家中に響いたことだろう……
「だが、俺は諦めない!何としても俺のファーストキスは守り抜いて見せる!」
俺の戦いはここからだ!!完
決まった、これで3人とも少しは自重するだろ
「ねぇ、お兄ちゃん。何言ってるの?」
「え?ファーストキスを守ります宣言?」
「遊、私たちは真剣なんだが?」
「俺だって真剣だ」
「遊ちゃん、私たちは真剣に遊ちゃんとキスがしたいんだよ?」
「俺は真剣に3人とキスするつもりはないんだが」
大体、そんなにキスがしたいなら3人ともさっさと彼氏でも作れ。まぁ、3人を彼氏なしって決めつけるのも失礼な話だが……
「そもそも、3人には彼氏とかいないの?」
「「「いない!」」」
「作る気は?」
「「「ない!」」」
oh、この人たちは彼氏がいないどころか作る気すらないのか……
「…………余計なお世話かもしれないけど、作らない理由聞いていいか?」
聞かなくても予想はできるが、一応聞いておこう。
「「「遊をすでに愛しているから!!」」」
ほら、予想通り。しかし、義理とはいえ姉と血の繋がってる妹を恋愛対象として見る気は俺にはない。愛されてること自体は家族としては素直に嬉しいが…………
「愛されているのは家族として素直に嬉しい。しかし、遊華たちが俺を異性として意識していようが俺たちは家族だ。俺にはその一線を越えられない……それに、俺はこの時代の人間じゃない。いずれはいなくなる人間だ……悪いな」
俺はそれだけ言うと部屋を出てドアを閉めた。3人とも終盤は無言だったが……少しきつく言い過ぎたかな……
「はぁ……」
部屋のドアに背中を預けて座り込むと俺は15年生きてきた中で1番重い溜息を吐いた。
「そもそも、3人ともなんで俺なんかを…………」
俺は自慢じゃないが容姿に関してはブサイクではないが、イケメンでもないと自覚しているし、性格だって良いとは言えない。妹の遊華に優しくした覚えもないし、香月と美月に至ってはこの時代に来て初めて会った。好かれる要素が全くと言っていいほどない。
「女っていう生き物はよくわからんな……」
俺が思考の海を漂っていると、背中にあるドアが開いたんだろうか、俺は後ろに倒れ込んだ。
不覚にも俺は“うわっ!”なんて情けない声をあげてしまった。倒れ込むと“ゴンッ!”という鈍い音が聞こえた
「イテテッ……いきなりなんだ?」
「お兄ちゃん……」
「遊……」
「遊ちゃん……」
3人は瞳から大粒の涙を流して泣いていたら罪悪感が芽生えていたが……実際は違った。3人の目が虚ろだ。しかもなんか危ない雰囲気だし。
「な、何だ?3人してそんな虚ろな目をして」
「「「私たちから離れたら許さない……永遠に私たちから離れられないようにしてあげる……覚悟してよね……」」」
この日、俺はこの時代にいたら一生彼女ができないような気がした…………
最後まで読んでくださってありがとうございます