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俺が美月と2人で遊華たちを驚かす件について

今回は美月と2人で遊華たちを驚かす話です

後は最後に美月からのお礼があります!そちらは予想してみてください!

ではどうぞ!

 物置小屋や屋根裏部屋といった日常生活で使用確率が全くないわけではないが、低い部屋と言うものは何かこう感じるものがある。主に秘密基地的なものをだ。同じように空き家とかにも似たようなものを感じるだろう……まぁ、関係ない話は置いといて、俺こと藤堂遊の今の状況は……


「ねぇ、遊ちゃん」

「何だ?美月」

「このパソコンって家の中全体の様子がわかるの?」

「そうだけど?」

「じゃあ、つまり私の部屋の様子もわかると」

「そういう事になるな」


 美月と2人でパソコンに映し出されている監視カメラの映像を眺めていた。これは昼寝を終えた美月が監視カメラの映像を見たいって言い出した事が原因であり、決して俺が言い出した事ではない


「遊ちゃん、私に1つ提案があるんだけど」

「何だ?」

「今、家には私たちしかいないんだよね?」

「そうだな、遊華も香月も羽月さんも父さんも仕事だな」

「じゃあさ、イタズラしてみない?」


 まさか、美月がイタズラしてみたいなんて言うなんて意外だな……面白そうだ、乗ってやろう


「いいぞ、どんなイタズラする?」

「え~、そこは遊ちゃんが考えてよ~」


 美月よ、言い出したのはお前だろうに内容を考えるのは俺かい!


「じゃあ、単純に居留守にでもするか」

「え~、それじゃつまんない~」

「まぁまぁ、とりあえず玄関に行って俺たちが普段使う靴だけここに持ってくるぞ」

「いいけど、その後はどうするの?」

「持ってきてから説明する」


 俺は美月と2人で玄関に行き、俺は靴を美月は念のためという事で靴と普段使うバッグを持って地下室に戻った


「遊ちゃん、靴と念の為に私はバッグを持ってきたけど、これどうしたらいい?」

「靴はそこの桁箱に入れてくれ」


 俺は部屋の入口にある下駄箱を指差した。その下駄箱には俺の靴を既に入れてある


「遊ちゃん……」

「何で下駄箱があるかは聞かないでくれ。俺にも理由はわからん」


 俺は美月が下駄箱がある理由を聞く前にわからない事を事前に告げ、説明フラグを避けた。


「さて、こちらも準備するか」


 俺はパソコン机の下にあるマイクを取り出し、それをパソコンに接続した


「遊ちゃん、それってマイクだけど、その監視カメラって……」

「ああ、あっちの音声はこちらに筒抜けなんだが、このマイクを使えばこちらの音声を家全体に伝える事ができる。しかも、ボイスチェンジャー付きだから声を自由に変える事も可能だ」

「もうツッコまないよ……」


 美月よ、それが懸命だ。俺も親父が何でこんな部屋を作ったかなんてわからんし、知りたくもない。ただ、最初見た時はビックリしたのは同じだがな


「さて、準備は終わったし、後は遊華たちが帰ってくるのを待つか」

「うん!あ、ところで、遊ちゃん」

「何だ?」

「ここってお父さんがいたら簡単に開けられるんじゃないの?」

「いや、バッチリ扉は施錠したし、カギは俺が持っているから大丈夫だ」

「なら、安心だね」


 俺と美月は狭くもなく広くもない部屋で2人きりで遊華たちの帰宅を待った。


「あ、香月ちゃんと遊華ちゃん、それとお母さんが帰ってきた!」


 あれから少し経ってから遊華たちが帰ってきたと美月が意気揚々としていたが、今何時だ?この部屋にいると時間の感覚が狂ってしまう


「もう7時か……遊華たちが帰ってもおかしくない時間だな」

「へぇ~今って7時何だ~」

「ああ、この部屋は地下室って事もあるせいか、窓が一切なく日の光が全く当たらないんだ。つまり、時間の感覚が狂う。で、今は午後7時だ」

「うん、説明ありがとう。あ、遊華ちゃんたちが全員リビングに集合したよ」

「らしいな。今は様子見するとするか」

「うん!」


 俺と美月は監視カメラ越しに遊華たちの様子を窺う事にした


『香月お義姉ちゃん、お兄ちゃん知らない?』

『私も探しているんだけど、見当たらない。美月もいないし』


 遊華と香月はどうやら俺と美月がいない事が気になるようだ。


『え?遊君と美月いないの?』

『うん、晩御飯も用意されてないし』

『そ、そんな……』


 なぜ絶望的な表情なんですか?羽月さん?じゃあ、そろそろイタズラ開始しますか


「おい、遊はお前らの晩飯係じゃないぞ」


 俺はマイクに向かってしゃべりかける。しゃべっているのが俺だとばれないように普段の口調をあえて隠して


『『『!?』』』


 驚いてる驚いてる。フフッ……これは面白そうな事になりそうだ


「遊ちゃん遊ちゃん」


 美月が横から声を掛けてくる


「何だ?美月?」

「次は私にやらせて!」


 美月は新しいおもちゃをねだる子供の様な表情で頼んできた


「ああ、どうぞ。ああ、普段の口調は隠しとけよ」


 俺はマイクを美月に譲り、その横で監視カメラの様子を確認する


「任せなさい!」


 美月は張り切ってマイクに向かい、マイクのスイッチを入れる


「何をそんなに驚いてるの?」

『『『!?この声どこから…………』』』


 美月の声に反応し遊華たちはキョロキョロしているが、いくら探しても見つかるわけがない


「どんなに探しても無駄よ。あなた達程度の人達には見つけられないわ」


 俺は美月の口調と生の声色の変化を目の当たりにして初めて思った


「美月って声優だったんだな……」


 俺が思考の海を漂っている間に美月とは反対に遊華たちが怯えている


『ううっ……おにいぢゃぁん……』

『ゆう~!!』

『ゆうぐ~ん!!』


 前言撤回、怯えてるなんてもんじゃなかった。号泣してたわ


「美月、遊華たちに何言ったの?」

「ん~?特にこれと言ったことはいってないけど~、私はこの家に住む悪霊で、呪い殺すぞ~って事と後は夜中は気をつけろ~って言っただけだよ~」

「それがどうしてあんなに号泣しているんだ?」


 俺は画面に写る遊華たちを指しながら美月に尋ねてみる。個人的に気になるし……


「あの3人は怖がりだからね~、得体のしれないところから得体のしれない声が聞こえただけで怯えちゃうんだよ~」

「……」


 俺は正直、開いた口が塞がらなかった。香月が怖がりなのは知っていたが、遊華と羽月さんが怖がりだなんてな…………意外すぎる


「はぁ、とりあえずボイチェン切って普通にしゃべりかけるぞ。このままじゃ収集がつかん」

「うん!もう満足したし!それに、そろそろ可哀そうになってきたし…………」


 さすがに美月も満足したのか、俺にマイクを譲ってきた。


「じゃあ、遊華たちをこの部屋に呼びますか」

「え~、せっかく私と遊ちゃんの秘密基地ができたと思ったのにぃ~」


 美月が不満げに口を尖らせる。だが、今回ばかりは少しやりすぎたと思う


「今回はやりすぎた俺たちに非がある。諦めろ……」

「むぅ~、しょうがないなぁ~」

「じゃあ、呼ぶぞ」

「おけ~」


 美月はまた楽しそうな表情になる。コロコロ表情がかわるな美月って


「あー、3人とも聞こえてるか?」

『『『!?』』』


 遊華たちは今度は別の意味で驚いている


『お兄ちゃん!どこにいるの!?』

『遊!今すぐ来て!?』

『遊君!家に悪霊がいるの!』


 みなさん、テンパりすぎです。それと、悪霊の正体は美月です。


「それも含めて説明するから地下に集合してくれ」


 遊華たちは俺の指示の通りに地下に集合した。


『お兄ちゃん!言われた通りに地下に来たよ!』


 いちいち言われんでもこっちは監視カメラで全部見てるから丸わかりなんだけどな。


「今開ける。少し待て」


 俺はそれだけ言うとマイクのスイッチを切り、部屋の入口へと向かった


「遊ちゃん、ここって本当に何でもあるね!」

「ああ、そうだろ?」


 美月、いないと思ったら風呂入ってたのか


「俺は今から遊華たちを迎えなきゃいけないから、念のために言っておくが、大人しくしてろよ?」

「わかってるよ~」


 さて、俺は遊華たちを迎えるとしますか……


「3人ともおかえり」

「おにいちゃぁぁん!!」

「ゆうぅぅぅぅ!!」

「ゆうぐぅぅぅん!!」


 3人ともちょっと落ち着いて!とてもじゃないけど、メディアに出せない顔してるから!泣き過ぎて顔がぐちゃぐちゃだから!


「3人とも落ち着けー!!」


 俺はゾンビの如く抱きつて来る3人を躱しながら部屋に招き入れる。


「落ち着いたところで説明いいか?」


 めんどくさいなぁ……とは思いつつ俺は遊華たちにも美月にしたのと同じ説明をした。本当にめんどくさい……主にこの部屋を作った親父の性格が……


「「「話はわかった。けど、その前に言う事は?」」」


 3人は大層お怒りのようだ。ここは素直に謝っておくか。美月も同じ事を思ったらしいし


「「ごめんなさい!」」


 俺と美月はこの日、綺麗な土下座をした


「「「許しません!!」」」


 土下座をしても許してもらえなかった。


 土下座をしても許されなかった結果、どうなったかと言うと……


「遊君、次は足お願いね」

「はい!」


 羽月さんにはマッサージを要求され


「お兄ちゃん、今日は一緒にお風呂に入ろうね!」

「わかった」


 遊華と一緒に入浴をする羽目になり


「遊、今日の晩御飯は天ぷらがいいな!」

「わかったよ、香月」


 香月のリクエストで晩飯が天ぷらに決定し


「遊ちゃん!一緒に寝ようね!」


 美月、お前は同罪だろうーが!ちゃっかり要求してんじゃねぇ!


「ところで、4人ともここから出るという選択は?」

「「「「ない!」」」」


 どうやら4人ともこの部屋から出るという選択はないらしい。まぁ、わかってはいた。俺も初めて入った時は出たくなかったし……っていうか、4人とも馴染み過ぎだからね?


「やっぱ、美月にこの部屋に案内するんじゃなかったな……」


 俺は美月を案内したことを少しだけ後悔していた


「美月が今日という日を楽しめたならいいか……」

「楽しめたよ、遊ちゃん」

「み、美月!?」


 洗い物をしていた俺の後ろに美月が立っていた


「今日はとっても楽しかったよ。遊ちゃん。だから、今日のお礼するね」


 美月は俺に顔を近づけ、そして……


「!?」


 俺の頬にキスをした


「えへへ~恥ずかしいね……あ、香月ちゃんたちお風呂出たみたいだし私はお風呂に行ってくるね」


 美月は顔を赤くしてトテトテと効果音が出そうな雰囲気を出して走って行った。そんな中、俺は……


「今、キスされた……?」


 頬に残った美月の唇の感触や温もりで意識が飛びかけていた





今回は美月と2人で遊華たちを驚かす話でした!

最後に美月からのお礼は頬にキスでした。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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