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俺が遊園地で敬と話し合いをしている件について

今回は遊と敬が遊園地で男2人で話をします

 遊華の同僚のお泊り会が明けてから2日が経った。だからどうした?と言われればそれまでなんだが……俺は珍しく親友の敬と遊びに来ているのだ……俺は1つ問いたい事がある。それは……


「なぁ、敬よ」

「ん?どしたん?遊」

「どうして俺はお前の彼女の早川と俺の義姉の香月とWデートみたいな事してんの?」


 そう、俺は現在、敬の彼女の早川望海と俺の義姉の香月と遊園地に来ている。別に車を運転してくれたのは敬だから文句は言えないし、いいんだけどね……それにしてもだ


「そんなの決まってるっしょ~」

「何がだ?」

「俺が香月さんと遊びたかったのが1つ、望海が香月さんと遊びたかったのが1つだからっしょ~」

「そうか、じゃあ俺は必要ないな。じゃあな」


 遊園地に来た以上、帰りはバスしかない。が、生憎とバスは1時間後しかない。つまり、俺はどこかで時間を潰さなきゃいけなくなるわけで


「わー!遊!待つっしょ!」

「何だ?敬?俺は喫茶店に行ってコーヒーを飲むんだが?」

「俺が悪かった!俺は久々に遊と遊びたかっただけなんだよぉ」

「それならそうと最初から言え」


 敬ってこんなに素直じゃない奴だったか?


「悪かったよ~遊~」

「ちょ!近い!近い!」

「あ、悪い悪い」


 敬はこの前会った時もそうだが、相変わらずヘラヘラしているな


「敬ってそんなにスキンシップ激しかったか?」

「今のは冗談っしょ……ここからが本題だ」


 敬はヘラヘラした顔じゃなく真面目な顔になった


「え?本題?」

「ああ、ちょうど遊に聞きたいことがあって呼び出そうとしたんだが、望海に見つかってしまってな。だから、遊ともうもう1人女性を誘って遊園地でWデートってわけだ」

「香月である意味は?」

「特にないな。望海の相手をしてくれる人だったら誰でもよかったんだ」


 状況によっては最低な事を平然と言ってのける敬だが、今はそれを咎める事はきっと場違いだな


「俺に聞きたい事って何だよ」

「遊華ちゃんの事なんだが……」

「遊華の事?」


 何で敬が遊華の事を聞きたがるんだ?あれか?友人の妹だから現状を把握したいとかそんな感じか?


「ああ、遊華ちゃん最近どうだ?」


 最近の遊華?最近だと秋野さんのストーカー事件で俺が何の相談もなしに勝手に防弾チョッキと血糊を仕込んだ状態で刺されてこっ酷く怒られて拘束されたくらいしか遊華に関するエピソードはないな


「最近だと俺が自分を犠牲にしたら怒られて拘束されたくらいだが?」

「……そうか」


 敬はどこか考え込んでいる様子だが、一体何があるんだ?


「遊、この際だからはっきり言っておく」

「何だ?」

「お前、あんまり無茶したり自分を犠牲にしたりするな」

「あ、ああ、遊華に怒られて拘束されそうだからしないようにはするが……それが何かあるのか?」


 改めて敬に説教されんでも無茶は自重しようと思ってたし


「そうじゃない!そうじゃないんだ……遊」

「敬、言ってる意味がわからない。もうちょっとわかりやすく言ってくれ」

「遊華ちゃんが今の状態になったのは遊、お前が10年前に突然いなくなったせいだ」

「!?」


 俺は驚きを隠せなかった。そりゃそうだろう……


「驚いているようだな」

「当たり前だ!遊華が今の状態……つまり、俺を拘束するような奴になったのは俺のせいだって言われたら驚かない方がおかしい」

「そうだろうな。だが、事実だ。俺はお前がいなくなった日から遊華ちゃんをずっと見てきたし、お前を捜索している時の遊華ちゃんの状態もよく知っているが、お前がいなくなってから相当病んでたぞ」

「信じられない……」

「まぁ、信じられんわな。俺も信じられない」


 敬は嘘を吐くような奴じゃないが、今だけは嘘だと言ってほしかった


「とりあえず、信じられんが、遊華に心配かけるような事はしないように気を付ける」

「ああ、そうしてくれ。正直、友人の妹が友人の服を着て友人の服の匂いを永遠と嗅ぎ続ける光景はもう見たくない」


 は?こいつ今なんつった?俺の服を着て俺の服の匂いを嗅ぐ?


「敬、今のもう1回言ってくれないか?」

「ああ、何度でも言ってやる。遊の妹の遊華ちゃんが遊の服を着て遊の服の匂いを嗅ぎ続ける光景はもう見たくない」

「俺の聞き間違いじゃないよな?」

「ああ、聞き間違いじゃない。事実だ」


 知られざる新事実発覚!俺は知りたくなかったけどな!


「さらに面白い事を聞かせてやろうか?」


 知りたくないが、今後の俺の貞操に関わるかもしれないので聞いておこう


「ああ、頼む」

「遊華ちゃん……いや、香月さんと美月さんもだが……いずれお前の部屋を襲撃しかねないぞ」

「何で!?」

「いや、3人とも遊の事が大好きだろ?」

「いや、知らんけど?本人たちがそう言うならそうなんだろ」


 ここで俺が妹と義姉とはいえ、“そうなんだよ!羨ましいだろ?”とか言ったらただの自意識過剰な人じゃねーか!


「好きか愛してるかは遊が向き合う事として、俺から遊にアドバイスするとしたら1つだけだ」

「何だ?」

「毎日するか定期的にするかは遊次第だが、一緒に寝てやれ。特に遊華ちゃんは10年も寂しい思いをしたんだ、1日や2日一緒に寝たくらいじゃ足らん!香月さんと美月さんはずっと遊に会いたがってたし、いつも遊の写真を持ち歩くくらいだからな」


 敬よ……途中まで真面目だったのに、どうして突然俺が遊華たちと一緒に寝る話になるんだ?でも、一緒に寝たほうが毎日1人1人の部屋に起こしに行く手間省けるし、大体同じくらいの時間に起きれるから得じゃね?


「敬のアドバイスはありがたく受け取った。それを元に前向きに検討してみる」

「ああ、そうしてくれ」

「ところで敬よ」

「何だ?遊」

「俺たちはこうして話をしてるが、女性陣を放っておいていいのか?」


 忘れていたが、今回はWデートっていう名目で遊園地に来ているわけで、男2人がこうしているのは何か違う気がする


「俺は絶叫マシーンが苦手なの知ってるよな?」

「ああ、俺も苦手だからな。まさか!?」


 俺と敬が友人になるきっかけが絶叫マシーンが苦手という共通点だったわけだし……


「そう、望海は今日ここに来たのは絶叫マシーンを制覇しに来たんだ」

「そうか、ところでもう1つ聞きたい」

「何だ?」

「敬、今日仕事は?」


 そう、今日は平日であり会社員は仕事をしている時間だ。つまり、敬は仕事が休みか無職ということになる。香月は本人曰くオフらしいがな!


「ああ、それなら今している」

「え?」

「いや、俺の職業は雑誌のライターな。望海はその助手」

「はあぁぁぁぁぁ!?」


 俺は驚いて大声を上げてしまった。周りの人にスゲー見られて恥ずかしいのなんのって


「遊びっくりしすぎじゃんよ~」


 やかましいわ!前に会った時は休日だったし、お前の変わり様と早川の変わり様で聞く暇なんてなかったんだ!文句あっか!


「あ、敬さん、そのチャラ男しゃべりやめてもらっていいっすか?」

「あ、はい。なんかすんません」


 俺は敬のチャラ男しゃべりがウザかったせいか、つい敬語でしゃべってしまった


「遊華たちもそうだが、何で俺の周囲の人間の仕事はメディア関係の仕事をしている人間の割合が高いんだよ……あれか?みんなそういう仕事好きなの?」


 本当、妹と義姉2人が声優で友人が雑誌のライターでその彼女が助手とかもう偶然じゃなくて意図的に仕組まれたって言われてもおかしくないような気がするぞ


「ははっ、まぁ、そういう仕事が好きなのが半分でやってるな。俺も望海も遊華ちゃんたちも」

「ほう、もう半分は?」

「もう半分は遊、お前の為だ」


 俺の為とか意味わからんぞ……俺が頼んでその仕事に就けって言ったわけじゃないし


「俺の為とか意味がわからん。ちゃんと説明してくれ」

「俺や望海、遊華ちゃんたちがこんな仕事しているのは遊を探す為、より多くの人に遊の情報を提供してもらう為にしているんだよ」

「だったら、警察官でよくない?何でわざわざライターや声優になる必要があるんだ?」

「警察官でもよかったんだが、職業上いろんな地域に合法的に行ける職業ってタレントやライター、声優と言ったものだろ?当時の俺たちは高校生と中学生だ。そんな俺たちがお前を探すために、いろんな地域を周れる職業を考えた結果が今の職業になったわけだ」


 こいつら……俺を探す為……いや、俺に会いたい一心で声優やライターになったというのか?


「はぁ……」

「どうした?溜息なんて吐いて」

「お前らの俺に対する執念が凄まじいなと思っただけだ」

「そりゃそうだ。遊華ちゃんにとってお前はたった1人の最愛の兄だし、香月さんと美月さんにとっては希望を抱ける義弟、俺にとっては学校で話せるただ1人の友人だ。是が非でも見つけたいと思うだろ」


 俺は敬や遊華たちの思いを聞けて嬉しかったんだが、1つ言いたいことがある


「でも、お前はなぜか当時スーパーギャルの早川と付き合ってんだよなぁ……」

「うぐっ!」

「しかも、10年ぶりに再会した敬は見事にチャラ男になってるし、早川は逆にスーパーギャルから清楚系美人になってるし……人間変われば変わるもんだな」

「ごふっ!」


 敬は精神的なダメージが酷かったのかその場に蹲った


「どうした?敬?蹲ったりなんかして」

「お前が俺の精神を攻撃したりなんかするからこうなったんだよ……俺が望海に告白されたのはお前がいなくなってから1か月後だ」


 誰も聞いてねーよ!お前らの馴れ初めなんて……でもまぁ、面白そうだな……できれば何でチャラ男になったかの理由だけ聞かせてくれ


「お前らの馴れ初めは別に聞きたくないが、敬がチャラ男になった理由は気になる」

「ああ、それは俺が望海に相応しい男になる為のイメチェン」

「じゃあ、早川が清楚系美人になった理由は?」

「それは望海曰く俺の横に並んでも恥ずかしくない女になる為らしいぞ」


 つまりあれか?お互いに相手に相応しくなろうとした結果、容姿等が逆転しましたってか?


「ぶふっ!面白れぇ!」

「そ、そんなに笑うなよぉ……」

「もう無理……」


 俺はこの言葉を最後にその場で大爆笑してしまった。人の事を笑うのは失礼だとは思ったが、こいつら面白すぎる!


「あー、笑った笑った」


 俺は5分くらいは笑い続けてようやく今落ち着いたところだ


「そんなに面白かったか……?」

「ああ、最高だった」

「ところで遊、悲しい報告だ」

「何だ?」

「後ろ見てみ」

「ん?後ろ?」


 俺は後ろを振り返るとそこには…………


「ゆ、遊……」

「ゆ~う~!」


 困惑した様子の香月と怒った様子の早川が立っていた


「敬!後はよろしくっ!」


 俺はお仕置きされる前に逃走する事にした。後ろで早川がなんか叫んでいるが気にしない気にしない!捕まったら後が怖いからな!


今回は遊と敬の男2人で遊園地で話をしている話で女性陣は最後の方に少しだけ出てきたくらいになりました・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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