義母から結婚した理由を聞き終えたらクールな姉が壊れた件について
自分的に前半シリアス、後半コメディにしてみました
ちゃんとシリアス、コメディになっているかなぁ・・・
俺、藤堂遊は未来に飛ばされてからというもの妹が俺に対して素直になったり、いつの間にか義理の母と義理の姉2人がいたりと何かと衝撃的なことが多い。しかし、今までの出来事で1番驚いたことは羽月さんと父さんが高校の頃の同級生だったことだ。未来に飛ばされたことを除いてな
「あなたのお父さんと私は実は高校の時の同級生なの……」
羽月さんの衝撃発言は俺の思考を止めるには十分だった。……嘘だろ?父さんそんな話一回も聞いたことないぞ
「高校の同級生だったことくらい隠すことなんてないんじゃないでしょうか?」
「あなたのお父さんは私の初恋の相手だったの……これは香月にしか話していないわ」
「なぜです?別に初恋の相手のことを娘に話すくらいは普通の親子のやりとりだと思いますが」
親子で初恋の相手の話くらいするのは普通のことだと思うが?こうして父さんには俺と遊華が、羽月さんには香月さんと美月さんがいるわけだし
「そうね、普通のやりとりね。だけど、私とあなたのお父さんが再婚する前から定期的に連絡を取り合っていたって言ったら私の娘やあなたや遊華ちゃんはどう思うかしら?」
「確かに、幼少の頃や今でこそ何とも思わないでしょうけど、年齢的に不安定な時期だと場合によっては嫌ですね」
「でしょ?それに、あなたの本当のお母さんが事故で亡くなり私の旦那が病気で亡くなったことは不幸なことだけど、私は初恋の相手と結ばれたことは幸せだと思っているわ」
羽月さんはどこか申し訳なさそうだが俺は人の恋愛にとやかく言うつもりはない。それは当人同士で勝手にやってくれ
「羽月さん、俺はあなたと父さんの関係にとやかく言うつもりはありません。遊華たちはどうかわかりませんが」
「私もお義母さんとお父さんの関係に口を挿むつもりはないよ?」
「私は母さんから聞かされた時に口を挿まないと決めていた。美月は?」
「私も二人の関係には口を挿まないよ~」
俺以外の3人も同じ意見らしい。
「で?それが二人の結婚とどういった関係が?」
「私は旦那を病気で亡くした後、途方に暮れていた。そんな同時期にあなたのお母さんが事故で亡くなったことを知らされたわ……それからというもの私たちは互いの傷を舐め合うようになり、あなたのお父さんには遊華ちゃんが、私には香月と美月がいたし・・・片親での子育てに不安を感じていたの。だから、あの人は外で働き私が家と娘たちを守る。そのために結婚したの……もちろんあなたのお父さんのことは愛しているわ」
「なるほど、そういう経緯でしたか……」
「納得してくれたかしら?」
まぁ、境遇が境遇だし、事故はともかく病気は故意に起こせるものじゃなさそうだし納得しとくか……
「しかし、遊君が帰ってきてくれて本当によかったわ……」
羽月さん……この人はこの人で俺のこと心配してくれてたのか……
「羽月さん……」
「私1回でいいから男の子に『お母さん』って呼んでほしかったの」
……俺の心配じゃないの!?
「ずるいぞ!!母さん!!私も『お姉ちゃん』って呼ばれたいのに!!」
香月さん、あなたも何いってるんですか?
「お母さんも香月ちゃんもずるいよ~私だって『お姉ちゃん』って呼ばれたいのに~」
美月さんもかよ…………
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!!」
おお~遊華よ俺を助けてくれるのか?さすがは我が妹!俺はお前を愛しているぞ
「「「何!?」」」
3人が肉食動物の様な目で遊華を見た。3人とも怖いよ……
「私が先です!!」
前言撤回、この場に俺を助けてくれる人はいないようだ。ならば、俺がすることは1つ!!
「サラバだっ!!」
そうこの肉食動物たちから逃げることだ!
「「「「待てっ!!」」」」
俺は今になって肉食動物に追いかけられる動物たちの気持ちがわかった気がする。
「そういえば俺どこ逃げればいいんだ…………?」
そう、俺は家に帰ってきてからリビングにしか案内されていない……つまり、逃げ込む場所も隠れる場所もない。いや、自分の家なんだからないことはないいんだが
「とりあえず、この家にまだ俺の部屋が存在しているかはわからんが、行くならそこしかねぇ!!」
俺の部屋……つまり、地下の1番突き当りの部屋だ。そこには鍵が付いており、鍵は俺と本当の母さんしか持っていない。勝った!!
「お兄ちゃ~ん、部屋に逃げ込んでも無駄だよ~?」
「うるさいっ!お前らから逃れるためなら無駄でもいいっ!」
俺は部屋のドアの鍵を開け、そのままドアを閉めて鍵を掛けた。
「電気のスイッチは……っとあった」
俺は電気のスイッチを探しあて部屋の電気を点けた。この部屋当たり前だが、昼間でも薄暗い日が出てない日は一日中電気を点けていないといけないくらいだ。だから、俺は自分の部屋がどうなっているのかを電気を点けるまで気が付かなかった
「な、なんじゃこりゃー!!」
お、お、俺の部屋が……俺の部屋がぁ~!見事なまでに内装が女の子仕様になってる!?ぬいぐるみがたくさん置いてあるし!化粧台まであるし!
俺が絶望に打ちひしがれていると後ろから突然部屋の鍵が開けられる音がした……
「お兄ちゃん、私言ったよね……?部屋に逃げても無駄だって」
俺の後ろには遊華、羽月さん、香月さん、美月さんが立っていた。やばい、冷や汗が止まらない……
「みなさん、落ち着きません?」
「「「「私たちは落ち着いているよ?」」」」
じゃあ、なぜ俺にゆっくりと近づいて来るんですかね?あ、これ俺捕まるの決定っぽい……
「じゃあ、私たちの言うこと聞いてね?お兄ちゃん」
決定っぽいじゃなくて捕まってしまった。
ここまでのご愛読ありがとうございました!藤堂先生の次回作にご期待ください!
なんて完結しましたみたいなことを言ってみた俺だが、その後の話をしよう。俺は捕まった後、羽月さんを『お母さん』呼び、香月さん、美月さん、あとなぜか遊華を『お姉ちゃん』と呼ぶ羽目になった。
俺の部屋が女の子仕様になってる説明は・・・まぁ、晩飯の時か寝る前に誰かに聞いてみることにしよう
「つ、疲れた……」
「す、済まない、遊。ついはしゃいでしまった」
「か、香月か・・・」
香月さん、そんなにしゅんとされると逆に申し訳ないというか、俺が悪い奴みたいになってくるんですが…………
「他のみんなはどうした?」
「みんな晩御飯の用意しているよ」
「香月は手伝わないのか?」
「私はまぁ……いいらしんだ」
何だ?気になるな・・・後で羽月さんにでも聞いてみるか。晩飯で思い出したが、俺が元の時代で家を出たのが13時でこの時代で遊華と再会した時にはもう日が傾いてた。今は夕方だ。
「…………」
「…………」
ち、沈黙が痛い……な、何か話題を……
「時に遊、聞きたいことがあるんだが」
「何?」
「遊は今何歳だ?」
「今更か!?最初に聞けよ!」
「いやぁ~、母さんにとっては初の息子、私たちにとっては初の弟だからな。忘れていたよ」
「言ってもいいけど、父さんが帰ってきてからでいいか?」
正直、家族全員にいちいち説明するの面倒だし
「ああ、いいぞ」
「助かる」
香月さんが物分りよくて助かった。
「時に遊よ」
「ん?何?」
「私とキスしてくれ」
は?今なんつった?
「ごめん、もう1回言って」
「なんだ?聞こえなかったのか?」
「聞こえなかったというか聞き間違えじゃないか確認したいんだ」
「私とキスしてくれ」
この人は何言ってんだ!?
「何でキスしないといけないんですかね?」
「そんなの決まっているじゃないか……私が君を愛しているからだ」
「今日初めて会ったよね!?」
「君にとってはそうだが、私は違うぞ」
は?どういうこと!?
「私は遊と会ったことがあるぞ」
「一体どこで俺と会ったんだ?」
「写真の中だ」
「…………写真かよ!」
それは会ったんじゃなくて見たんだよ!いや、写真見ただけでキスってのもおかしいけどな!
「さぁ、早くしてくれ」
「いや、キスしないといけない理由がわからんし」
「私が君を愛しているからだ」
「それはさっきも聞いた。っていうか、唐突にキスしてくれっておかしいだろ」
「細かいことは気にするな」
気にするわ!義理とはいえ兄弟だぞ!
「待って!俺ファーストキス!」
「安心しろ、私もだ」
安心要素が1つもねぇよ!!誰かこの人止めて!
唐突に何か言われるのは正直驚くと思います
今回は長くなってしまった気がする