俺が遊華にイタズラし、ストーカー退治の買い出しに行く件について
今回は遊が遊華に寝起きドッキリという名のイタズラとストーカー退治のための買い出しに行く話です
人を起こすときに普通に起こすんじゃ面白味に欠ける。という事で、俺、藤堂遊は妹の藤堂遊華とその同僚である秋野美優に寝起きドッキリを仕掛けたいと思います!しかし、遊華の寝起きの顔は見たことがあるので、遊華自身はあんまり寝起きの顔を見られる事に抵抗がないようです
「冬野さん、少し待っててください」
「?わかりました」
冬野さんは頭に?マークを浮かべつつも素直に従ってくれた
「さて、準備完了しましたし、行きますか」
「遊さん、準備はいいんですけど、それなんですか?」
冬野さんは俺の手に持っているものについて尋ねてきた
「内緒です。少なくとも身体には影響はないんで大丈夫ですけど」
「ならいいんですけど……」
「遊華は俺が起こすんで、冬野さんは秋野さんをお願いします」
「わかりました」
俺と冬野さんはそれぞれ起こす担当を決め、俺の部屋へと向かう。っとその前に……
「冬野さん、秋野さんを起こすときにこれを使ってください」
「わかりました」
冬野さんは俺が渡した瓶を素直に受け取った
「ところで遊さん」
「何ですか?」
「この瓶の中身は何ですか?」
「人体に影響がないけど、口に含んだりすると一瞬で眠気が吹き飛ぶ液体とだけ言っておきましょう」
冬野さんはわからないと言った表情を浮かべつつ瓶をズボンのポケットにしまった
「さて、着きましたね」
「はい」
「では、開けますね」
俺はほぼ俺の自室と化しているパソコン部屋のドアを開けた
「…………」
「…………」
よく寝ている遊華たちを見て俺と冬野さんは無言になった
「よく寝てますね。遊さん」
「そうですね、冬野さん」
「じゃあ、起こしますか」
俺の合図で冬野さんは秋野さんを起こしに取り掛かった。もちろん、俺は遊華だ
「すぴ~」
しめしめ、遊華の奴よく寝てるな……さて、瓶の中身を使うか
「遊華……」
俺は10年前とは違い大人の女性らしく成長した遊華の顔を見つめ……
「ぎゃあぁぁぁぁ!!!い、痛い痛い!!」
俺は遊華の顔にハッカの液体を塗った
「お、おはよう、ゆ、遊華……」
俺は遊華のリアクションがあまりに女性らしからぬものという事と予想外の反応ということもあり、思わず笑いそうになるが、何とか堪え、朝のあいさつをする
「お、おはよう……お兄ちゃん……」
「朝飯できてるぞ……俺は先に降りてるからな」
俺は遊華にしたイタズラがばれる前に撤退しようとしたが……
「ちょっと待てお兄ちゃん」
遊華に肩をガシッと掴まれて俺はあっさりと捕まってしまった
「何だ?遊華?」
「私の顔に何を塗った?」
「な、何の事だ?」
「寝ている私の顔に何か塗ったのお兄ちゃんでしょ?」
遊華の顔には笑顔が張り付いている。遊華ちゃん可愛い顔が台無しよ?
「遊華、俺はお前を世界で1番愛してる」
「うん、ありがとう。私も愛してるよ、お兄ちゃん」
よし、何とか誤魔化せたか?
「だから、寝ている私の顔に何を塗ったか正直に話してね」
誤魔化せませんでした……
「遊華の顔にハッカの液体を塗りました」
「お兄ちゃん」
「はい……」
「私刑ね」
この後、俺は遊華に滅茶苦茶お仕置きされました。冬野さんは秋野さんの顔に遊華に塗ったのと同じ液体を塗ろうとしたが、その前に秋野さんが遊華の悲鳴で起きてしまったとの事だそうだ
「イテテッ……酷い目に遭った」
「自業自得です。遊さん」
「そうですよ。お兄さん」
「本当だよ!お兄ちゃん!」
俺は女性陣に責められながらの朝食を摂る羽目になったが、実験の成果は上々であり、これなら心配ないな
「遊華、悪かったって。機嫌直してくれよ~」
「ふ~ん、どうしようかな~」
「何でも言う事聞くから」
何か浮気がばれた時の夫か、ドタキャンしたときの父親のような言い訳になってきているのは気のせいだろうか
「ふ~ん、何でも言う事聞いてくれるんだ?」
「ああ、俺にできる範囲でな」
「そう……」
遊華は秋野さんと冬野さんと何かを話し合い始めた
「決まったか?決まらないなら決まらないでいいんだが……」
遊華たちはヒソヒソと何かを話し合っていたが、それを終えたのか俺の方へと向き直った
「お兄ちゃん、決まったよ!」
「そうか、決まってしまったか……」
遊華たちは俺に何をさせるか決めたらしい……
「それでは、発表します!」
「はい」
雰囲気的にはドラムロールがなってもおかしくない雰囲気なんだが、あくまでも家の中だし脳内変換で満足しておくことにしよう
「お兄ちゃんには美優のストーカーを退治してもらいます!」
うん、何となく予想はついてた。
「ああ、いいぞ」
「「「!?」」」
3人はなぜか驚いたような顔をした。いや、遊華と秋野さんはわかるが、冬野さんは思いっきり俺に言い当てられましたよね?
「何だ?その驚いたような顔は?」
「いや、自分で言いだしておいてなんだけどさ……いいの?」
いいの?も何も遊華に使った液体は人の顔に塗って効果があるのかっていう実験の為だし
「ああ、遊華が起きる前に冬野さんから話は聞いてたし」
「本当にいいんですか?お兄さん」
「問題ありません」
秋野さんは不安そうな顔で聞いてきたが、正直な話、秋野さんだっていつまでも誰かの家に泊まり込むなんてしたくないだろう
「本当にいいんですか?遊さん」
「乗りかかった船です。できる限りはやってみますよ」
俺としても身内に被害が出るなんて事は避けたいし……
「お兄ちゃん……」
「心配すんな。それよりもまずは朝飯だ」
俺たちは暗い話を切り上げ朝飯にする事にした。うん、今日の朝飯はいつもと違って糖分多いな
「さて、朝飯が済んだところで俺は行きたいところがある」
「どこに行きたいんですか?遊さん」
「どこでも付き合いますよ?お兄さん」
「行きたいところには私が連れて行くよ、お兄ちゃん」
遊華たちは意気込んでいるが、そんな珍しいところじゃないんだよなぁ……
「い、いや、付き添いはそんなにいらないんだけど?」
「「「私たちもお供します!」」」
うん、遊華たち張りきってらっしゃる……行きたい場所言いづらいなぁ……まぁ、付き合ってくれるっていうなら、付き合ってもらいましょうか
「じゃ、じゃあ、おもちゃ屋とスーパーマーケットに連れてってくれない?」
「「「はい?」」」
ほら、やっぱりそんな顔する。だから、付き添いはたくさんはいらないって言ったのに
「やっぱ俺1人で行くわ」
「お兄ちゃん、私たちも行く!」
遊華、別に無理して付き合ってくれなくてもいいんだぞ?それに、秋野さんと冬野さんも
「じゃあ、まずはスーパーマーケットに行きますか」
「「「はい!」」」
俺は小隊の隊長か?はぁ、ストーカーが怖くないのか?それとも、人がいて安心しているのか?
スーパーマーケットに着いた俺は目的の物が置いてあるコーナーへと向かった
「ふむ、どっちがいいかな」
「お兄ちゃん、そんなも買って何に使うの?」
「そうですよ、遊さん」
「お兄さん……」
遊華たちは俺を訝しげな表情で見つめてくるが、秋野さんがどういうわけか警察に被害届を出してないと仮定するならば、ストーカーから身を守る事と犯人に怪我を負わさずに捕まえるにはこれは必要なものだ
「これは必要な物なんだよ。ストーカーを捕まえる為にはな」
俺はカゴに10本の同じ瓶を入れ、レジへと向かった
「よし、材料の1つは手に入った。後は道具か……」
「「「…………」」」
遊華たちは俺が購入した物の使い道がわからないと言った様子だが、これにはちゃんとした使い道がある
「さて、次はおもちゃ屋に行くか」
ちょうどいいサイズが人数分あるといいが……
「よし、着いたな」
俺たちは大型のおもちゃ屋に来ていた。ここに売っているあるものを買うために
「お兄ちゃん、そろそろ教えてくれないかな?」
「ん?何が?」
「遊さんがここに何を買いに来たかですよ」
「お兄さん私たちに何も話してくれないんですもん!気になります!」
遊華たちは俺が何を買いに来たかが気になるようだし、そろそろ話すべきなのかもな
「ここへは水鉄砲を買いに来たんだ」
「「「水鉄砲!?」」」
「ああ、水鉄砲だ」
「お兄ちゃん、そんなの何に使うの?」
「内緒だ。あ、これがいいな!ちょうど人数分あるし」
俺は人数分の水鉄砲を購入し、家へ戻る。これからストーカー退治……と言っても動画サイトで見た配信者たちがやってみた系統の動画で1度はやるものの劣化版を作るために
今回は遊が遊華にイタズラをしました。遊からこんな事をする場面はあまりないと思います
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!