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俺の1日の様子が主夫な件について

今回は遊華たち3人が仕事をしている間の遊の生活の一部分です

 俺の1日は朝、遊華たちに朝飯を作るところから始まる。いきなり何を言い出すんだ?と思う人も多いと思うが、聞いてくれ。この俺、藤堂遊の1日の様子を……


「ふぁ~、よく寝た」


 俺はパソコン部屋から出てキッチンに向かう


「今日はご飯と味噌汁と後は適当に付け合せでも作るか」


 俺は冷蔵庫の中を確認し、調理にとりかかる


「さて、こんなものかな」


 朝飯を作り終えた後は遊華たちを起こす作業が俺を待っている。


「さて、問題は誰から最初に起こすかだが……言うまでもないな」


 そう、俺はまず最初に起こすべき人間は決まっている


「美月から起こすか」


 最初に起こすべきは美月である。理由は簡単だ……美月の寝癖が酷いからだ。他意はない


「さて、美月を起こしに行くとしますかね」


 俺は美月の部屋の前へ行き、一応ドアをノックし美月に呼びかける


「おーい、美月ー、朝だぞー」


 部屋からの応答なし……仕方ない、入るか


 俺は美月の部屋へ入り、美月のベッドへと一直線


「すぴー」

「…………」


 なんて言うか、うんもう美月の寝癖は芸術の域に入るんじゃないかな


「これまた芸術的な寝癖だな……おっと、いかんいかん、美月を起こさなければ」


 寝癖に見とれていて忘れるところだった。


「おい、美月!起きろ!」

「んぅ~あと5分……」


 ただでさえ寝癖直すのに時間掛かるのにあと5分も寝かせてられるか!こうなったら……


「美月、起きてくれないとキスできない」

「うん!すぐ起きるよ!」


 美月はがばっと掛布団を蹴飛ばし上半身を起こした


「キスは冗談だが、おはよう。美月」

「え~冗談なの~」


 美月はふくれっ面にってしまった。当たり前だ、こうでもしないと絶対に起きないだろうが


「膨れてないで早く起きて寝癖直して朝飯食べてくれ」


 俺は美月に要件を伝え、美月の部屋を後にした


「さて、次は遊華だな」


 俺は美月の次に寝起きが悪い遊華を起こしに行った


「はぁ、次は遊華か……」


 俺は遊華を起こす事を考えると憂鬱になる。なぜなら……


「えへへ~」

「幸せそうな顔して寝てんなぁ……だが、起きてもらなわにゃ困る。遊華起きろ」

「ん~?おにいちゃ~ん」

「うわっ!?」


 寝ぼけた遊華は俺に抱き着いてくるのだ。しかも、力が結構強い


「ん~、おにいちゃんのにおいがする」


 おい遊華、匂いを嗅ぐな。


「寝ぼけてないで起きろ!」


 俺は遊華の額にデコピンをかまし、何とか遊華のハグから抜け出すことに成功した


「イテテ……お兄ちゃん、おはよう」

「はい、おはよう。朝飯できてるぞ」

「はぁーい」


 俺は遊華にも要件だけ伝えて部屋を出た


「あとは香月だけか……羽月さんは今日は起こさなくていいって言ってたし」


 香月を起こすのが一番楽だな……美月のようにあと5分なんて言わないし、遊華のように寝ぼけて抱き着いてこない


「さて、到着」


 俺は香月の部屋のドアをノックし、呼びかけてみることにした


「香月?起きてるか?」


 呼びかけてはみるが、返事はなし


「まだ寝てるのか?とにかく、入るぞ」


 俺は香月の部屋に入る事にした


「…………」

「寝息1つ立てないとは……」


 香月、本当に寝てるのか?俺は時々心配になるぞ……


「何はともあれ起こすか」


 羽月さんを除いては香月で最後だ。さっさと済ませて俺も朝飯にありつきたい


「香月、朝だぞ」


 俺は絵本に出てくるお姫様または新婚夫婦の新妻のような扱いで香月を起こした


「ん?もう朝か?おはよう、遊」

「ああ、おはよう。朝飯できてるから降りてきてくれ」

「ああ、すぐ行く」

「俺は先に行ってるからな」


 俺は香月にも美月、遊華と同様に用件だけ伝えて部屋を後にした


「香月は美月や遊華の様な事にならないだけマシなんだが、どうにも美月や遊華と同じで俺が起こしに行かないと起きないという部分が難点なんだよなぁ……」


 3人とも自分で起きてほしいものだと思いながら俺はリビングのドアを開けた


「おーい、2人とも朝飯済んだか?」

「あ、お兄ちゃん!今済んだところだよ」

「うん、おいしかったよ。遊ちゃん、ごちそうさま」

「お粗末様。食器は流しに出しといてくれ」

「わかったよ、お兄ちゃん」


 遊華と美月は食器を流しに出してから各自仕事に行く準備をしに自室へと戻った


「遊、おはよう」


 遊華たちと入れ替わりに香月がリビングに入ってきた


「おはよう。朝飯できてるぞ」

「ありがとう、遊。お、今朝は和食か」

「ああ、昨日は洋食だったしな」


 俺は香月の正面である自分の席に座り、朝食を摂ることにした


「遊もまだだったの?」

「ああ、遊華と美月は済ませたが、俺はまだだ」

「なら、私と同じだ」

「ああ」


 香月は朝食の後すぐに仕事に行ってしまった。


「さて、洗物でもするか」


 俺は食器を食洗機に放り込み、スイッチを押した


「食洗機が食器を洗っている間に選択でもするか」


 正直、俺の下着等の洗濯はいいんだが……


「はぁ、俺は一応15歳だぞ……遊華たちの下着は刺激が強すぎる」


 俺はとりあえず溜まった洗濯物と洗剤を洗濯機に入れてスイッチを押した。


「さて、この間に掃除機でもかけるか」


 俺は玄関の収納スペースから掃除機を取り出し、リビングの掃除を始めた


「母さん、いつもこんなに大変な事してたんだな……」


 俺は元の時代の母さんの苦労を未来に来て初めて知った。


「さて、こんなもんだろ」


 俺がリビングの掃除を終えると同時くらいのタイミングで洗濯機の音が鳴った


「洗濯物を干しますかね」


 俺は洗濯物を洗面所にかかっている竿に干していく。部屋干しはどうかと思ったんだが、庭の物干し竿が壊れているので仕方ない


「洗濯物も干し終わったな」


 俺は時計を確認すると時刻は12時丁度だった。


「昼飯は何にするかな……」


 昼飯の献立を考えるが、今日は俺1人じゃない。まだ起きてこないが、羽月さんもいる


「羽月さんさすがにもう起きてるだろ」


 俺はリビングに戻り、冷蔵庫を確認する事にした


「あ、遊君。おはよう」

「おはようって時間じゃないですけど、おはようございます。羽月さん」


 冷蔵庫を確認するためにリビングに戻ると羽月さんがいた


「今日の昼飯何にします?」

「何でもいい!」


 羽月さん何でもいいが一番困るんですけど……


「ん?エビがあるのか……昼は少し豪勢に天ぷらにでもするか」


 俺は天ぷらでいいかもしれないが、羽月さんは天ぷらでいいのか?


「羽月さん、昼はエビの天ぷらでいいですか?」

「OK!っていうか、遊君って天ぷら作れるの!?」

「まぁ、一応は作れますけど……?」

「今度から私の専属マネージャーにならない!?」

「何で!?」


 羽月さん曰く、仕事で外食が多いらしく手料理が恋しくなることがあるらしい


「遊君!」

「は、はい!」

「今度私が所属している事務所に遊びに来なさい」


 羽月さん、目がギラギラしてますよ?


「はぁ、今度お弁当持って遊びに行きますよ」

「うん!」


 羽月さんと話しながらも仕込みは完璧に終わり、後は揚げるだけなのだが……


「先に揚げ玉からだな」


 俺は天ぷらを少しでも豪華にしようと思い、先に揚げ玉を作る事にした


「かなり揚げたな。こんだけありゃ足りるだろ」


 俺は揚げ玉を一旦天ぷら用の鍋から回収し、次にエビ、しそ、シイタケの順で天ぷら粉を付けて揚げていった


「よし、完成!羽月さーん」

「何?できた?」

「はい、できましたよ」

「わーい!待ってました」


 羽月さんは子供の様にはしゃいでいた。こうなるだろうと思い先に箸を出しておいた俺に抜かりはない


「食べましょうか」

「ええ」

「「いただきます」」


 羽月さんはしその天ぷらを口に運ぶ


「うん!おいしい!お店で出てくるやつみたい」

「お口に合って何よりです」


 俺も羽月さんと同じくしその天ぷらを口に運ぶ


「うん、サクサクしてうまい!」


 我ながらよくできていると思う


 俺と羽月さんはその後、黙々と昼飯を食べた


「あ、洗物やっとくんで流しに入れといてください」

「私がやるわよ。作ってもらったし遊君は休んでて」

「そうですか?じゃあ、お言葉に甘えて」


 俺は羽月さんの好意に甘え、ソファーでくつろぐ事にした


「昼飯を食べた後でなんだが、晩飯何にするかな」


 俺は晩飯の献立を考えていた


「昼は天ぷらだったし、夜はスパゲッティでいいか」


 5分かからずに晩飯の献立決定……俺の意識は夢の中へと吸い寄せられた


「ん?今何時だ?」


 俺が時計を確認すると時刻は16時回っていた


「ん?タオルケット?羽月さんか」


 俺にタオルケットがかぶせられていた。そして、目の前のテーブルには書置きがある


「『遊君が寝ているようなので、メモを残します。私はこれからラジオの収録があるので、夜は外で済ませます。帰りは深夜になりそうだから戸締りしっかりね。羽月』って羽月さん仕事か」


 俺はソファーから起き上がり、晩飯の用意にとりかかった


「お兄ちゃん、ただいま」

「遊ちゃん、ただいま」

「遊、ただいま」

「3人ともおかえり」


 俺は遊華たちを出迎えに玄関に行く


「3人とも荷物はちゃんと部屋に置いてくるんだぞ」


 俺は3人が荷物を置いている間に茹で上がったパスタを鍋から回収し、フライパンに移し炒める作業にとりかかる


「茹で時間が長いパスタの麺だと遊華たちを出迎える時間があるし、キャベツと肉はすぐに火が通るから楽だな。よし、後はパスタソースで和えるだけっと。よし、完成」


 調理しているうちに3人が降りてきていた。気づいてはいたが、なぜ3人とも声を掛けない……

「ほら、3人ともできたぞ」

「「「おいしそう!」」」

「そうか?まぁ、いいや。それでは」

「「「「いただきます」」」」


 これが俺の1日だ。食材の買い出し以外はほぼ専業主婦みたいだろ?


 余談だが、昼に天ぷらを作った事を遊華たちに責められ、後日遊華たちにも作る事になった









遊・・・昼飯に天ぷら作るってすごいな・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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