美月が俺とツーショットを撮りたがっている件について
今回は遊と美月が仕事帰りに2人で遊ぶ話です!本当に仕事帰りちょっと遊ぶ程度なので、あまり凝った所には行ってないです!
人のイメージとは非常に厄介なものである。例えばボーイッシュな女の子が少年漫画を好きなイメージであったり、清楚な女の子が少女漫画を好きなイメージ。これらはある意味では人の勝手な思い込みである。この俺、藤堂遊も天然系の義姉・美月はゲーセンに行きたいって言わないイメージを押し付けていたのかもしれない
「まさか、美月がゲーセンに行きたいって言うとはな」
「意外だった?」
「ああ、美月がゲーセンで遊ぶところなんてイメージできないからな」
美月が格ゲー……想像できん。じゃあ、美月が音ゲー……うん、想像できないな。乙女ゲームの方なら想像できるんだが
「私だってゲームくらいするよ~」
「へぇ~どんなゲームするんだ?」
「え~っと、ホラーゲームとか?」
い、意外だ……美月がホラーゲームとか……
「意外だな。美月がホラーゲームをするとは」
「そう?別に普通だと思うんだけど」
「いや、どちらかというと香月の方がホラーゲームやるって感じなんだが」
「香月ちゃんはあれで結構怖がりなんだよ~」
またも意外だ……香月が怖がりだなんて
「香月ってホラーとかダメなんだ……」
「うん、ホラー映画とか見た後は毎回私と一緒に寝てるし」
うわ、香月に対する印象ガラッと変わるなぁ……
「さて、着いたな」
「うん」
「どんなゲームがしたいかわからんが入るか」
「うん!レッツゴー!」
俺と美月はゲーセンの中に入った
「で、最初は何からするんだ?」
「う~ん、最初はレースゲームからかな」
「わかった」
俺が言い出したこととはいえ美月は一体何が目的なんだ?本当にレースゲームが本命なのか?
「このっ!もうっ!遊ちゃん妨害しないで!」
「いや、妨害も何もこうしないと勝てないだろ?」
俺と美月はただ今レースゲームで対決中であり、俺が1位で美月が2位である。俺はカーブする時に内側を攻める為に美月の車を外に追いやったのだ
「遊ちゃんは私をいじめて楽しいの!?」
「いじめてない。これも立派な戦術だ」
会話だけ聞いてると俺が美月をいじめてるように聞こえるが、今はゲーム中である
「遊ちゃんは手加減っていうものを知らないの!?」
「真剣勝負に手加減無用だ。さてゴールまであと少し」
「え~!?かなり差がついちゃったよ~」
「よし、ゴールだ」
俺は美月にかなりの差をつけてゴールした
「あ~、負けちゃった……」
美月は終始しょんぼりしていた
「どうする?リベンジするか?」
「リベンジはまた今度にするよ。私の目的は別にあるからね」
「目的?俺と一緒に遊ぶ事じゃないのか?」
「遊ちゃんと遊ぶ事はもう達成したから。私には次の目的があるのです!っていう事で次はUFOキャッチャーにレッツゴー」
俺は美月にされるがままUFOキャッチャーのコーナーへと向かった
「UFOキャッチャーのコーナーへと来たはいいが、何か欲しい景品でもあるのか?」
「ん~、見てから決める~」
美月さん決めてから来ようよ……まぁ、とりあえず来るのもゲーセンの楽しみではあるが
「家に帰るだけだし、急ぐわけではないからゆっくり見て回るか」
「うん!」
美月は仕事の後だってのに元気だな。遊華と違ってデートだなんだと言わないだけ美月と一緒にいるのは楽かもな
「っといけない……遊華と美月を比べるなんて……俺はどうしちまったんだ」
「おーい、遊ちゃーん」
美月が1台の機械の前で呼んでる
「今行くよ」
俺は美月の元へと歩き出した
「遊ちゃんこれ取れる?」
美月が指差した先にはクマのぬいぐるみがあった
「うーん、一応やってはみるが、絶対に取れるかはわからない」
「うん」
「ま、やってみるか」
俺は100円を取り出し機械に入れた
「よし、慎重に……」
俺はアームを慎重に操作し、ぬいぐるみの斜め上の辺りに持ってきた
「遊ちゃん頑張れ」
「よし、掴んだ!」
ぬいぐるみを掴む事に成功した。後はそれを落とすだけだ
「よし、後は落とすだけだ」
「あと少し……」
「よし!落とした!」
俺はぬいぐるみを落とすことに成功し、取り出し口からぬいぐるみを取り出した
「ほら、これが欲しかったんだろ?」
「うん!ありがとう遊ちゃん」
美月は俺からぬいぐるみを受け取ると嬉しそうに抱きしめた
「そんなにこのぬいぐるみが欲しかったのか?」
「ううん、ぬいぐるみじゃなくて、遊ちゃんがとってくれた事が嬉しいんだよ!」
「そ、そうか……」
俺はガラにもなく照れてしまった。きっと俺の顔は今赤いか真っ赤なんだろうな……
「さて、遊ちゃんからプレゼントも貰ったし、そろそろ本命に行こうか」
「え?本命?」
「うん!本命」
美月はまたも俺の手を引きどこかに歩き出した
「お、おい、美月、一体どこに連れてくつもりなんだ?それに、本命って何だ?」
「プリクラ」
「は?」
美月は一言プリクラと言っただけだった。
「だから、プリクラ撮りに行くの!」
「何で?」
「遊ちゃん、遊華ちゃんとプリクラ撮ったよね?」
「ああ、携帯を買いに行った日にな」
「遊華ちゃんだけズルいと思わない?」
遊華だけズルいと思うも何も俺が望んで撮りたいって言ったわけじゃないし……
「いや別に……遊華が撮りたいって言って撮っただけだし」
「遊華ちゃんが……」
「ああ。だから、俺が言ったわけじゃないからな」
「遊華ちゃんとは撮れて私とは無理なんて言わないよね?」
「え?」
「い・わ・な・い・よ・ね・?」
美月から謎の圧力がかかる。俺はただ……
「はい……」
頷く事しかできなかった。
「じゃあ、機械は遊華ちゃんと撮ったのと同じやつね」
こうして俺は未来に来て2度目となるプリクラ撮影をする羽目になるのであった
「うん!よく撮れてる!よかったよかった」
「満足してもらえて何よりなんだが……どうしてプリクラを撮ろうなんて言い出したんだ?」
俺は美月がプリクラを撮ろうと言い出した理由がなんとなく気になって聞いてみる事にした
「だって、遊華ちゃんだけ遊ちゃんとツーショットの写真持ってて羨ましかったんだもん……それにズルいと思ったし……」
「そんな事か」
「そ、そんな事って……そんな風に言わなくてもいいじゃん……」
「バカにして言ったわけじゃない。言ってくれればいつでも撮りに付き合ったのにもったいぶって秘密にするからだ。まぁ、そっちの方がスリルはあったけどな」
俺はツーショット写真くらいいつでも付き合うのに
「本当に?」
「ああ、それに、俺は遊華にはぬいぐるみを取ってやってない」
「え?」
美月、何で意外そうな顔をするんだ?
「いや、だから、ぬいぐるみを取って渡したのは美月だけなんだけど」
「う、嘘?本当に?」
「本当だ」
「遊ちゃーん!」
美月がいきなり抱き着いてきたが、これに慣れてきている自分がいるから怖いな……
「はいはい」
「むぅ~遊ちゃんなんか余裕だね」
「そりゃ、毎度抱き着かれてりゃ慣れる」
実際こういうのって慣れていいものなのかわからんが……女性からしてみればダメなんだろうな。
「ふんっ!じゃあ、別の方法で遊ちゃんを驚かせてやるもん!」
「はいはい、楽しみにしてるよ」
俺は美月の宣言をあまり気にせずに適当に返した
「本気にしてないなぁ……」
「あー、してるしてる」
「まぁいっか、帰ろう!遊ちゃん!」
「そうだな」
俺と美月は家に帰る為に歩き出した。
この後の話を少しだけするが、家に帰ると遊華と香月がいた。いることは別に不思議じゃないが、美月が持っていたぬいぐるみが遊華と香月に見つかり更には香月が自分も俺とツーショットを撮りたいと言い出し、後日俺は香月と2人でゲーセンを訪れ、ツーショットプリクラを撮る羽目になった
今回は遊と美月が仕事帰りに遊ぶ話でした。自分の中では仕事帰りにゲーセンとかいいなと思って書いたという事もありますが、美月とツーショットを撮らせてあげたかったのが本命です
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!