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俺が美月と1日過ごす件について

今回は美月と1日過ごす話です!

 人間関係とは中々に複雑である。それは家族との関係であったり、他者との関係であったりと形は異なる。俺は妹の遊華と携帯を契約するために2人きりで出かけたり、義理の姉の香月と1日家で2人きりで過ごしたりという事があった。当然、美月が黙っているわけがない。


「何で俺は美月のマネージャーみたいな事をしているんだ?」

「だって、私のマネージャーさん今日風邪でお休みだし……」


 そう俺は美月のマネージャーの突然の病欠により臨時で急遽マネージャーの代わりをしている。いや、させられている。


「事務所には他の人もいただろうに、何で俺なんですかね?」


 そう、他にも人材はたくさんいる。それこそ俺よりも優秀な人材が……


「それはね~私が遊ちゃんを推薦したからだよ~」


 勝手に俺を推薦しないでもらえませんかね……


「俺じゃなくてもよくない?」


 最初に話したと思うが、人間関係とは中々に複雑である。俺には美月の頼みを断るという選択があった。しかし、遊華、香月とそれぞれ2人きりで過ごしている以上、美月の頼みを断ると今度はどんな事が起こるかわからない


「遊華ちゃんとはデートして、香月ちゃんとは1日中家で2人きりで過ごして、私には何もないんだ?」

「いや、そういうわけじゃ……」

「じゃあ、どういうわけ?」


 ヤバい、美月が悪魔モードになってる


「俺はマネージャーの仕事をした事がないんだ。俺が美月の足を引っ張るかもしれないだろ?」

「それなら問題ないよ~」

「え?」

「だって、今日のスケジュールは私も一応把握しているし」


 スケジュール把握しているなら本格的に俺いらなくない?


「俺がいる意味がわからなくなってきた……」

「遊ちゃんは今日1日私のボディーガード兼彼氏だよ」

「最初俺マネージャーとして呼ばれたよね?」

「うん、そうだね」

「あー、とりあえず俺は今日1日は美月と一緒にいればいいんだな?」


 もうこれ以上仕事の事を言っても仕方ないのでやめることにしよう


「うん!」


 遊華や香月がよくて美月がダメっていう理由はないし、遊華や香月、美月の強引さはよくわかる。何を言っても無駄だろう


「今日1日は美月に付き合うよ」


 美月は俺の手を引いて歩き出した


「遊華もそうだが、俺が過去の人間でいずれは過去に帰らなきゃいけないっていう事忘れてるんじゃないのか……」


 なんて呟いてみたが、今はそれを考えなくてもいいか……


「遊ちゃん……今は楽しも?」


 美月は俺の呟きを聞いていたかのような反応をしたが……まさか、聞いてた?んなわけないか


「そうだな、今は楽しむか」

「うん!じゃあ、最初の現場だよ!張りきって行ってみよ~」


 こうして俺と美月の1日は始まった。


「おはようございます!」


 美月は収録現場に入り共演する声優や制作スタッフたちにあいさつして回っている


「美月が仕事だと俺はやる事がないな……」


 そう、美月が仕事だと俺は暇になるのだ。まぁ、マネージャーの仕事はいいのか?と聞かれたらしなくていい事はないんだが……それでも暇なもんは暇だ


「そんなに暇ならお姉さんの仕事を見ていくかい?」


 俺は知らないおじさんに声を掛けられた。いや、スタジオにいるって事はスタッフの人なんだろうけど


「確かに暇ですけど、いいんですか?」

「何がだい?」

「俺は美月の身内ではあるけど一般人ですよ?」

「ああ、構わないよ」


 この人は勝手に許可出していいのか?後で怒られても知らないぞ


「いいんですか?勝手に俺みたいな素人に見学許可を出して」

「私はこの作品の監督だからね。それに遊華ちゃんがいつも話している君と1度話してみたいっていうスタッフや声優が多いのさ」

「まぁ、そう言ってくださるのであれば見学させてください」


 遊華の話の何が俺に興味を持たせるのかは知らないが、見学させてくれるって言ってるんだし、ここは好意に甘えるとしよう


「じゃあ、こちらにどうぞ」

「はい」


 俺は普段は見えない美月の仕事を見学する事になった。


「美月も家では俺にまとわりついてくるのに仕事じゃちゃんとしてるんだな……」

「え?何それ気になるんだけど」

「監督さん聞いてたんですか」

「聞いてたのは私だけじゃないぞ?」


 俺が周囲を見渡すと美月の同僚や制作スタッフの人たちが好奇心に満ちた目で俺を見ていた


「ここには地獄耳の人が多いのか……」


 俺は美月の事はもちろん、遊華と香月の家での様子を洗いざらい話す事となった。言っておくが、俺は悪くない。


「遊ちゃん、次のところ行くよ」


 美月は俺のせいとは言え終始不機嫌だった


「これからは発言には気をつけるか……」


 今日の事を活かし、俺はこれからは自分の発言……とくに身内のプライベートを簡単に漏らさないと心に決めた


「遊ちゃん!!」

「は、はい!ただ今!」


 美月の不機嫌はしばらく続き、俺は美月に許してもらえるまでかなりの時間を有した


「遊ちゃん」

「はい」

「今日のところは許してあげるけど、次は許さないからね」

「はい、ごめんなさい」


 ようやく許してくれた……


「もう……遊ちゃんに謝られたら許すしかないじゃない……」


 美月が何か言っているようだが、俺はよく聞こえなかった。


「さて次はどこに行くんだ?」

「次はラジオの収録だよ~」

「うっ!ラジオ収録……」


 俺はラジオ収録には何もないが、ラジオという単語には若干の苦い思い出があった


「今度は遊ちゃんを無理やり乱入させるなんてことないから大丈夫だよ」

「それならいいが……あんなのはもうごめんだからな」

「うん、わかってる」

「本当にわかってるのか?」


 別に根に持つわけじゃないが、万が一という事があるからな


「わかってるよ~、もう心配性なんだから」


 はぁ、わかってんのかね……コイツは……


「何はともあれ頑張れ」


 俺はこれ以上は水掛け論になると思い、美月へエールを送る形でこの話を切り上げる事にした。うん、俺って賢い


「うん!行ってくるね!」


 美月は収録現場へと歩いて行った。俺にとって幸いな事はこの現場は俺が強引に拉致られた場所と同じだって事だ


「さて、俺はロビーで昼寝でもして待つか」


 俺がここで寝ていても誰も文句は言うまい……前回の事でほとんど顔見知りみたいなものだし。


「まさか、拉致られた事がこんなところで役に立つとはな」


 俺は美月の仕事が終わるまでの間眠りについた


「……ちゃん!」


 何だよ……もう少し寝かせてくれよ


「……うちゃん!」


 だから、うるさいって……


「遊ちゃん!」

「うわっ!」


 俺はベンチから転げ落ちてしまった


「いてて……何だよ……」


 俺が顔を上げるとそこには美月が立っていた


「おはよう、遊ちゃん。もう収録終わったよ!」

「ずいぶん早いな」

「遊ちゃんが寝ていたから早く感じるんだよ!」


 言われてみれば俺は寝ていたんだから美月の収録が終わるのが早いと感じるのは当たり前か


「今日の分はもう終わりだから帰ろう」

「帰る前にどこかで遊んで行くか?」


 俺は自分でも何でこんな事を言ったかわからないが、ただ、何となく美月と2人で遊びに行きたい気分だった


「え?」


 美月が意外そうな顔をしていた。いきなり言われたら驚くか意外そうな顔をするのが当たり前か


「嫌ならこのまま帰るけど、どうする?」

「行く!遊ちゃんと遊びに行く!」


 俺と美月は遊びに行く事になった


「さて、遊びに行くにしてもどこに行くかだな……」


 俺はどこに遊びに行くかを道中で決める事にした


「美月はどこか行きたいところはあるか?」

「私はゲーセンに行きたいな」

「え?」


 意外な事に美月はゲーセンに行きたいと言い出した。別にゲーセン以外の場所でもいいのに


「意外かな?私がゲーセンに行きたいっていう事が」

「ああ、すごく意外だ。てっきりウィンドショッピングとか言われそうだったからな」

「ちょっとゲーセンでとあるゲームがしたくてね」


 とあるゲーム?美月ってゲーム好きだったか?家ではゲームしているとこなんて見たことないぞ……それに、美月の口からゲーセンって違和感しかないな


「美月がゲーセンに行きたいって言うなら俺は付き合うぞ」


 俺と美月はゲーセンへと向かった。一体何のゲームがしたいんだか……


今回は美月と2人きりのお話でした!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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