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母がいない理由と義母と父の意外な関係が発覚した件について

前回の話の続きです

前回よりも長くなってしまった・・・

 俺、藤堂遊は10年先の未来に飛ばされた。飛ばされた未来で妹と再会し、一度家に帰ろうという妹からの提案で家に帰った俺に待っていたのは俺の本当の母ではなく、義理の母・羽月とその娘であり俺から見れば義理の姉になる香月と美月だった。何がどうなってんだ……まったく


 そんなことより、今の状況なんだが……今俺はリビングで正座させられている。

 そして、なぜか妹・遊華と義姉・香月が仁王立ちで俺を取り囲んでいる…………


「あの……お二人さん?」

「「なに(なんだい)?」」

「なぜ俺は正座させられているんでしょうか?」

「何でだと思う?お兄ちゃん」

「わからないかい?遊」


 わからないから聞いているんだ。なんだか怖いし……


「わかりません」

「お兄ちゃん、さっき美月お義姉ちゃんにデレデレしてたよね?」

「してません」

「本当かい?遊」

「本当でございます、香月さん」


 あれ?香月さんって呼んだらこの部屋の温度が下がったような気が……


「遊、次に『香月さん』って呼んだら許さない……呼ぶなら『香月』って呼び捨てで呼ぶか『香月お義姉ちゃん』だ。わかったか?」

「わかりました」

「あと、敬語もやめるように……」


 あれ?なんか前にも同じことがあったような


「私も呼ぶときは『美月』って呼び捨てか『美月お義姉ちゃん』って呼んでね?もちろん、敬語もなしでね。わかった?遊ちゃん」

「わ、わかった。だから、目に光を戻してくれ」


 遊華はともかく、二人はなぜだ?うーんわからん


「ところで、俺の本当の母さんがどうなったかと、父さんと羽月さんがいつ結婚したか聞いてもいいか?」

「「「…………」」」

「どうしたんだ?三人して黙って」


 なんだ?急に黙り込んで……俺なんかまずいこと聞いたかな?


「お兄ちゃん、落ち着いて聞いてね?」

「?ああ」

「お母さんは交通事故で亡くなったの……」

「え……?」


 このことを聞いた俺はまさに『鈍器で頭を殴られた』という表現が正しい状態だった。


「それっていつの話だ?」

「お兄ちゃんがいなくなったあの日から2か月後だよ」

「そうか……」


 この時、俺は『そうか』としか言えなかった……ダメだ……遊華にかける言葉が見つからない


「遊華、母さんが事故でなくなったのって俺がいなくなったからとかそんなことはないか?」

「…………それも少しある」

「ごめん……」

「謝らなくてもいいよ……お母さんと私はお兄ちゃんがいなくなった時にすごく心配したよ。それこそ警察に相談しに行ったし、ビラも配ったりしてお兄ちゃんを探したよ」

「遊華……」


 母はともかく、妹が俺を心配するなんてな。俄かには信じられんし、いつもなら『そんなにお兄ちゃんが心配だったのか?』なんて言うんだが、今はそんな時ではないな


「遊華、言いたいことはいろいろあるが、次はどうして父さんと羽月さんが結婚したかの話をしてくれ」

「うん、だけど、私ができるのはあくまでもお父さんの側から見た話で羽月さんの側からの話はよく知らなくて……」

「母さんの側から見た話は私がしよう」

「香月お義姉ちゃん、おねがい」


 今更ながらここはリビングである。つまり、当然ながら羽月さんがキッチンにいるわけで……本来ならば本人がする話ではないだろうか?不在の父さんはともかくとしてだ。まぁ、羽月さんの話が始まる時にそれとなく指摘してみるか


「じゃあ、父さんの話をする前に飲み物でも入れるね」


 遊華はキッチンに向かった。


「みんな飲み物は何がいい?」


 キッチンのカウンターから遊華が顔を出し飲み物の注文を聞いてきたが、今この家に何があり何がないのかがわからない。まぁ、無難にお茶にしとくか


「俺お茶でいいよ」

「私もお茶をくれ」

「私も~」

「はーい、全員お茶ね」


 それから少しして遊華が全員分のお茶を持って戻ってきた。そしてお茶を配り終えた後……


「じゃあ、父さんと羽月さんが結婚した経緯をまずは父さんの方から話してくれ」

「わかった。じゃあ、お兄ちゃんがいなくなった日の次の日から話すね」

「ああ、頼む」


 俺がいなくなった日、つまり俺がこの時代に飛ばされた日なんだが、それから何があったかなんて俺には予想がつかない。当たり前だが、遊びに行くつもりで家を出て電車に乗った。しかし、気が付いたら未来にいたなんて俺自身が信じられないくらいだ。


「お兄ちゃんがいなくなった日、お父さんもお母さんも私もお兄ちゃんのスマフォにメッセージを送ったり、電話を掛けたりした。当然、私はお兄ちゃんのお友達に電話を掛けた。しかし、お兄ちゃんからメッセージが帰ってくることも、折り返しの電話が掛かってくることもなかった」

「当たり前のことだな。俺はその日、つまり今日この世界つまり、未来に飛ばされたんだからな。未来から過去に連絡を取る手段が現時点でないんだからな」

「うん……話を続けるけど、最初はお兄ちゃんがお友達の家に遊びに行ったまま泊まっているものだと思ったけど、お兄ちゃんの分の晩御飯もあることを思い出してそれはないんだって思い立ったの」


 まぁ、普通泊りがけで遊ぶつもりなら晩飯とっとけなんて言わないよな。遊華の言うことは最もだ


「それから、1日経っても2日経ってもお兄ちゃんが帰ってくることはなく、学校にも連絡した。さっきも話したけど、警察に捜索願を出しにも行った。だけど、お兄ちゃんが見つかることはなかった」

「遊華たちからしてみれば俺は神隠しにでもあったみたいなんだが、さすがに1日や2日程度で諦めることはしなかったんだろ?」

「当たり前じゃん!!」


 この話の流れだと母さんは健在なままここいてもおかしくないんだが……まぁいい、遊華の話をこのまま黙って聞くことにしよう


「お兄ちゃんがいなくなってから、1週間、2週間とただ時間だけが過ぎた……だけど、お兄ちゃんが見つかることはなかった。お兄ちゃんがいなくなってから2か月目の日にお母さんは交通事故に遭った」

「まさか、事故に遭ってそのまま……死んだとか?」

「うん、打ち所が悪かったらしく、即死だったらしいよ……」


 遊華の話で母さんがどうして亡くなったかはわかった。しかし、羽月さんと結婚した経緯がまだハッキリとしていない


「私はお兄ちゃんがいなくなったこととお母さんが亡くなったことですっかり意気消沈していたんだ。お父さんはそんな私を見たくなかったのか次第に仕事にのめり込んでいった」

「あの親父は……」

「だけど、意気消沈している私を見かねたお父さんは私に新しいお母さんを用意しようと考えたらしい。そんな時に出会ったのが今のお義母さんである羽月さんだってお父さんが言ってた」


 言ってたか……まぁ、父さんが再婚するって聞かされた時に本人から話したんだろうな


「なるほど、出会ってから2人はだんだん惹かれあって結婚っていう流れか……」

「うん」


 そう考えるのが妥当なところか……父さんの側の話だけまとめると


「じゃあ、次は羽月さんの側から見た話が聞きたい」

「わかったよ遊」

「その前に、1つだけ聞きたいことがある」

「なんだい?」

「こういう話って普通本人がする話じゃないんですか?不在の父さんはともかく、羽月さんはこの場にずっといるわけですし」


 そう、羽月さんはさっきからずっとこの場にいたが、なぜか俺たちの話には一切入ってこずにずっとだんまりを貫いている。まさか、なにか重要なことを隠しているんじゃ……


「そうね、私のことだし私が話すべきね」

「母さん!!」

「いいの香月、私のことは私が話すわ」


 何だ?何か重要なことなのか?


「あなたのお父さんと私は実は高校の時の同級生なの……」


 …………嘘だろ?父さんそんなこと一回も聞いたことないぞ

前回よりも話が長くなってしまいました

楽しんでいただければ幸いです・・・

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