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俺と香月がパソコン部屋で捜索した件について

今回は遊と香月がパソコン部屋でDVDを捜索する話です!

 家庭の味とは各家庭で異なる。例えば、カレーの作り方や味噌汁の作り方がいい例だ。俺が今、香月と作り方や味付けで喧嘩しているのではないか?と誤解を生まないために言っておくが、そうではない。俺、藤堂遊は今……


「遊の作ったチャーハンとてもおいしいよ」

「そ、そうか?喜んでもらえて何よりだ」


 香月と2人で食事をしていた。雰囲気が恋人同士とか、お家デートみたいとかって言うのは言わない約束だ


「うん、私、男の子の手料理って初めて食べた」

「え?今まで男と接する機会はたくさんあっただろ?」

「うん、でも私って男子に距離置かれてたし……」


 俺は出会った頃の香月を思い出していた。まぁ、確かにあの頃の香月なら男子より男子らしい事が容易に想像できる。今はそんな雰囲気は欠片も感じないが


「あー、俺でよかったらいつでも手料理くらい作るよ」

「本当?」

「ああ、こんな事で嘘吐いてもしょうがないだろ?それに俺が香月に嘘吐いたことあるか?」

「ううん、ない!私嬉しい!」


 香月は子供の様な満面の笑みで微笑んだ


「俺と二人きりの時は本当に子供というか……普通の女の子だな」


 いつか香月が俺と2人きりの時だけじゃなくて大勢の前でもこんな表情できるようになれるといいな


「遊、私は元から普通の女の子だよ?」

「ああ、そうだったな」


 その後、俺と香月は問題なく食事を済ませた。不思議と食欲はあったのでチャーハンを完食することができた。意外と食えるもんだな


「さて、腹も膨れたし、洗物でもするかな」

「あ、それなら私がもうやっておいたよ」

「え?あ、ああ、ありがとう」


 香月、いつの間に洗物を済ませたんですかね……


「洗物も済んだし、これからどうしようか?」

「どうしよう……考えてなかった……」


 今の時間は19時であり、寝るには大分早い時間である。かと言って遊びに行くって言っても遠出はできないし……


「そういえば、家に映画のDVDがいくつかあったけど、香月は見た事あるか?」

「んーん、そういうのはお父さんの部屋にあるからってのもあるけど、遊にDVDがあるって今日初めて聞いた」

「え?羽月さんと父さんが再婚して随分経つのに知らなかったのか?」

「うん、私も美月も遊華も遊がお父さんのパソコン部屋で寝るようになってから初めてあの部屋に入ったし」


 驚いた……親父のパソコン部屋に入り始めたのが俺があそこを寝部屋にしてからだって事と、あそこにDVDが保管されている事を今日初めて知ったという事に。親父、隠す必要あるのか?


「……俺ちょっとパソコン部屋に行ってDVDを見てくるけど、香月はどうする?」

「私も行く」

「俺の経験上、香月が見たら後悔する物もあると思うが、それでも行くか?」

「うん、私も気になるし」


 香月の目はなぜか輝いていた。心なしかワクワクしているよにも見えるが……さて、親父のパソコン部屋にあるDVDだからな……どんなものが出てくるかがわからないぞ……


「行くだけ行ってみるか」

「うん」


 俺と香月はパソコン部屋に行くだけ行くことにした。俺としては普通の題名のものが出てきてくれるとありがたい


「さて、何が出てくるか見ものだな……」

「遊、お父さんの事信じてないの?」

「親としてなら、まぁ、信用は一応しているが、こういう事に関しては信用してない」


 そう、俺は親父をこういう所有物等の事に慣しては信用は皆無と言ってもいいくらいだ。


「とりあえず探すか」

「うん」


 俺と香月は映画であり、俺と香月が見ても安全なものを探し始めた


「あ、私はDVDがどこにあるか自体わからないんだけどね」

「そういえばそうだな」


 俺は親父が物をしまいそうなところや隠そうとするところを虱潰しに探した。


「……健全なものは見つけたが」

「うん……」

「何で年齢指定のあるものや、羽月さんとのあれやこれのDVDが同じ数だけあるんですかねぇ……」

「そ、そうだね……」


 俺と香月は親父のせいで何とも言えない雰囲気になってしまった


「ここは完全に閉鎖だな……」

「うん、遊華や美月にはとてもじゃないけど見せられないし……」


 女の子との秘密っていうのは何ともドキドキものなんだけど……親父の趣味の映像を秘密にしようって……しかも、そんな秘密を共有しても全く嬉しくない……むしろ虚しい……


「よし……これで遊華たちの目に触れることはないだろう。父さん、悪く思うな。これも世の為人の為であり、何より俺の為だ」


 こうして、藤堂家の悪しき歴史が1つ封印される事になった。まぁ、羽月さんにばれたら大変な事になりそうだし……


「さて、戻るか」

「うん……それより、遊」


 香月は俺の服の端えおキュッと掴んだ


「どうした?香月」

「リビングに戻るまでこうしてていい?」

「別に構わないが……どうしたんだ?」


 香月は顔を真っ赤にしたまま黙っていた。まぁ、あんなもん見たら正常な状態でいられるわけないか


「なんでもない」


 いや、別に掴むことはいいんですけどね?心なしか本格的に子供っぽくなってませんか?香月さん


「まぁ、あんなもん見た後だ。恥ずかしさで顔が上げられないのはわかるし、そもそも、俺が強引にでも1人で行くべきだったんだ。文句は言うまい」

「うん、ありがと」


 香月は恥ずかしいみたいだが俺は親父の新しい脅迫ネタを手に入れる事ができて半分は満足した。もう半分は香月と気まずい雰囲気にした親父への恨みってところだな


「さて、リビングに着いたな」

「うん」


 俺は親父のパソコン部屋からいくつかDVDを拝借してきたが、とてもじゃないが観たい気分じゃない。何せ俺が拝借してきたのは恋愛映画が9割で残り1割はアクション映画だ


「映画を観たい気分じゃないが、このアクション映画でも見ないか?少しは気も紛れる」

「うん」


 俺はカンフーを題材としたアクション映画のDVDをテレビのDVDプレイヤーへとセットした。


「始まる前に字幕と吹き替えのどっちがいいか決めとくか」

「うん、そうだね」

「香月はどっちがいい?」

「私は吹き替えがいい」

「俺もだ」


 満場一致で吹き替えという事で決定した。こういう時に2人きりだと楽でいい。何しろ意見が対立する事があまりないからな


「遊、始まるよ」

「ああ、そうだな」


 俺と香月はテレビに目を向けて映画を見る事に集中する事にした。


「面白かったね」

「ああ、そうだな」


 映画が終わり俺と香月は一息ついた


「本当によかった……中身とパッケージが同じで」


 俺の感想は映画の内容よりも中身とパッケージが同じだった事にホッとしていた


「うん、私も内心ホッとしている。中身とパッケージが同じで」


 俺と香月の間に不思議な親近感が生まれた気がする……主に親父に対する印象についてと羽月さんの見方についてだ。


「今度から弄られそうになったら父さんと羽月さん同時に脅迫する事にしよう」

「ふふっ、遊、そんな事しちゃダメだよ?」

「わかってるさ、半分冗談だ」

「半分ってどのくらい?」

「9割本気で残り1割が冗談」

「遊、それは半分冗談って言わないよ?」


 俺と香月は互いに笑いあった


「大丈夫だ。余程の事がない限りは今日見たことは言わないよ。父さんと羽月さんの名誉のためにもな」

「遊、信じてるよ?」


 香月は幸せそうに俺に寄り添った。え?寄り添った?いやいや、誤解がないように言っておくが、俺と香月は付き合ってないよ?


「俺の恋愛事情って家族で固められてない?」


 俺はできれば家族以外の異性と触れ合いたいなぁなんて思う。

人の部屋で物を探すと予想外の物や意外な物が出てきますね!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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